山みちを散策し、実りの秋を堪能した。
道沿いにある、知り合いの松茸山を覗かせてもらった。
無造作に置かれた十数本のマツタケから、今年の作柄がどんなものか伺える!?。不作三年、今年こその思いだろう。
 卵形の白いツボを破って真っ赤な傘が伸びるタマゴタケは、あまりに鮮やかな色合いから毒キノコのイメージがあるけれど、実はマツタケ、シメジにも劣らない、きわめておいしい部類の食用茸。
  実際に採ってお食べたのは今年が初めて。きのこ汁、お吸い物、鍋物などなんでも良く、図鑑の表現を借りれば「こっくりとしたうま味のあるだしが出る」。
そんな感じ―。
 ネコの好物というマタタビはこれから黄熟するが、しばしばこぶのような虫えいができ、薬用として珍重される。
 キウイフルーツの原種ともいわれるサルナシは、すでに熟した実もあり、食べると甘くジューシィな食感のあと、ピリッと辛味が残るところは、やはり品種改良など無縁の野生のもの。そのままでは、沢山はたべられない。
うしぶとうの別名もあるマツブサは、まだ熟していないけれど、黒青色に熟した房はぶどうそっくり。果実酒にすれば薬用になる。
 これらの木の実は、林のヘリにある蔓がからんだような藪を、注意深く覗いてみれば、意外に普通に見つけられる。
 まだまだ里山の自然はすてたものではない。

【写真】上左からマツタケ、マタタビ
          下左からマツブサ、サルナシ、タマゴタケ

惜桜小屋日記

2004年9月15日(水)