エゾゼミがいっぱい鳴いている。
初夏のころのハルゼミもそうだったけれど、今年は山のセミは大発生といってもいい。
うだるような暑さ、うるさいくらいの蝉時雨―を堪能!?し、はじめて逝く夏の感懐をかみしめることができる。
その点、今年は季節にメリハリがある。血なまぐさい戦争はゴメンだけれど、こちらのセンソウ(蝉噪)は大いに歓迎である。
数年を土の中で過ごし、やっと地上にはい出して成虫になっても、わずか数日で死んでしまう、蝉の宿命。いや一生。
小屋の森のあちこちにあるセミのぬけ殻―空蝉(うつせみ)。
ウツセミは、人が生きているこの現世をいうけれど、「空蝉」の字をあてる。はかなさは、人も蝉も相似形 ということか。
近しい人の亡くなった初の盆である。
惜桜小屋日記
2004年8月14日(土)