岡谷の傘平キャンプ場は、里から林道をくねくね五キロ近く上った、西山山陵の奥にある1ヘクタールほどある広場。
それが同じ山稜の背に当る諏訪市有賀峠に拓いたゴルフ場の外周道路から、山みちを歩いてほんの数分のところにあるのを知って、位置関係の意外性に驚いた。
傘平キャンプ場は何度も訪れているが山奥の印象が強い。それがそんな近くに位置するのか―という子供じみた興味である。
この山みちは日頃使われないので、諏訪側からの入口が雑草に隠れて分かりずらく「知る人ぞ知る」ほどの存在という。
山稜を片一方から奥に入るほど反対側から近くなる、空から俯瞰(ふかん)すれば一目瞭然の、地形のトリック―とは理解できる。
しかし実際にどんな山みちでつながっているのか、いないのか。
散歩がてら友人を頼んで実地踏査した。
もちろん半分は運動不足解消のねらいもある。
表コースの岡谷市側から軽トラで入山。やっとたどり着いたキャンプ場から、方向を定めて探し当てたこの山みちに入る。
雑草におおわれやや登り勾配だ。
たまに通るのか、それと分かる轍(わだち)がついている。
キャンプ場を出てゴルフ場の道路まではものの二、三分だった。
距離にしておよそ五百メートルといったところ。
「へ〜え」と、位置関係の意外性を改めて実感した。
といって何がどうなるというでもない。
それにしても暑い。
ボトルのお〜いお茶を飲み干したら、どっと汗が吹き出した。
こんな林道で結ばれている。途中の道路わきにコバギボウシが咲いていた。
惜桜小屋日記
2004年8月10日(火)