ちり紙交換

 小学校が休みだったので、会社を休んで一日娘につきあうことになった。
 女房は、「掃除」と言い残して仕事に出かけた……

 物置を片づけていたら新聞紙の束。町で毎月第1日曜日に資源物の回収を行っているが、朝7時という時刻をついつい忘れてしまい、どんどんたまっていた。
 その時、ちり紙交換車のアナウンス。
 さっそく飛び出して、10個以上も古新聞の束を出した。
 さてトイレットペーパーを、と玄関で待っていたら、「毎度おなじみ……」の声がどんどん遠ざかって行った。「あれあれ」と思いつつも、よく聞くと「こちらは古新聞《回収車》です。今なら《無料で》引き取ります」

 なるほど、そういうことだったのか。
 最近はリサイクルブーム。古紙が余っているという実状を今日実感した。

 仕事でも、《recycled paper》と書いた名刺をもらうことが多い。
 しかしこれはブームに便乗して企業イメージを上げるという裏が見え見えという感じがする。
 それに、リサイクルと言っても、ほとんどは1回だけのことであり、何度もできるものではない。ペットボトルが遊具のロケットや植木鉢に変わったところで、やはり最後はゴミ。それも、以前より処分に困ったりする。

 詰まるところ、半永久的にリサイクルできるのは、気の強い女房を持った亭主だけ。

おわり