No,6

「パリ6区区役所 サロン ド ヴィユ コロンビエ 」にて

いせひでこ絵本原画展<絆> in Paris

最終日のホテル「アゴラ・サンジェルマン」

Agora Saint Germain
http://hotel-agora-paris.com/

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この日はパリ最終日とのことで、皆揃っての夕飯です。
事前に計画していた「中華料理」の店に向かいました。
名の知れた店なのでそれなりの定行列ができてた。

最後尾に並びワクワクしながら待っていると、列関係なく店に入る「中国人」、不思議に見守る我々を尻目にあとからあとから入っていく。

店員も(当然中国人)注意することなく仕事に追われている様子。

ここで我々のチームの隊長が一言「不愉快だ」でその店は諦め少し高級なフランス料理店でワインを飲みながらのディナーとなりました。
ホテルまではタクシーで。

帰りの夜景も楽しみ、おいしい料理にワインも入り気分は最高、ホテルでゆっくり。.

「風呂でも入って寝るか」、 湯船にお湯を張りながら、少しベットで休んでいると部屋の電話の音、ボーっとした頭の中を遠くで鳴っている。

受話器を取るがフランス語は全く分からず、この時はまだ事の重大さに気がついていないのだが、たまに聞こえる英語の単語「water,water]の言葉でベッドで横になる前の記憶が思い浮かび「風呂場だ!」慌ててお湯を止めに行こうと、ベットから床に降りた瞬間「ビチャ」っと足に生ぬるい物が絡みついた。
すでに、湯船からお湯は部屋まで進行していた。

次に、目に飛び込んできた携帯電話、床において充電していたので、洪水の中、「プカ〜リ、プカ〜リ」と漂い僕の助けを待っていました。 幸い、先に救出したためか携帯は溺死せずに済んだが、風呂場も部屋も廊下も床には境がないのでなんとお湯は自由気ままに廊下にまで遊びに行ってしまい、あと少しで階段を降りようとしているではありませんか。

このときam12.00頃、下からホテルの男性スタッフが山ほどバスタオルを抱え部屋に到着。
それから無心でその男性スタッフと、うちの奥さん(別のシングルの部屋)と三人でバスタオルに吸っては絞り、吸っては絞り30分くらい絨毯に溢れたお湯を回収していると男性スタッフが「こんなことしていても、どうにもならない」みたいな言葉を残しバスタオルをもって帰ろうとしたのでそのバスタオルを奪い返し「もう少しやらせてくれ」みたいなジェスチャーすると呆れた顔して帰ってしまった。

何しろ毛足の長い絨毯なのでしっかり水分を含んでいてベッドの部屋でも、そこで寝る気にはなれず、結局am3.00頃まで「吸っては絞り」の作業をする。

十分誠意は伝わるかと思いフロントにバスタオルを返しに行くと男性スタッフは見当たらず、だけどもホテルの入口ドアは開くし、物騒だなと思いながら男性スタッフを探していると、ねむたい顔していかにも迷惑そうに奥の仮眠室から出てきて指差しで「そこにおいてけ」みたいな雰囲気で奥に去っていてしまった。

実は少し前にもこの男性スッタッフに用事があり、お願いしに行くと「僕は今この仕事していて忙しいから出来ない」なんてことがあったので(この時のフランス人の印象は最悪)客商売なのに不親切な対応だなと思っていた。

そんなこんなでam4.00ころになり「そうだ日本は朝だ」と気がつき、JALに経過報告を入れると「すべての手配はしておきますから、心配せずゆっくりお休みください」と連絡をもらい僅かな時間眠りにつきました。

その日の朝,数日間パリを案内していただいていたルクセンブルグ在住のSさんに真夜中の失態の経過報告をし、ホテルの女性マネージャーさんに伝えてもらうと、女性マネージャーさんから
「誰にも失敗はあります。事故を起こしても何も言わず立ち去ってしまう人が多い中、あなたがとっていただいた行動だけで十分です。安心して旅を続けてください。」とSさんからの言葉でとても心の中が暖かくなりました。 

その日は一日 フランスの分厚い大きなバスタオルを何時間も絞り続けたので両腕に筋肉痛が残ったが、
マネージャさんの言葉で心地よい痛みに変わった。

パリから帰り数週間後に分かったんですが、ホテルからは、保険会社に事故の請求が無かったそうです。
もちろん私の家にも何も請求は無く、改めて女性マネージャーさん、ありがとうございました。