昌平さんの美学

2002年、「お父さん僕画家になるぞ!」

そう言って開催された「第一回浜昌平作品展」。

この年昌平さんは画家になった。

 

画帳の白さに軽妙な色調、滲み、その透明感に比類なく美しいと喜ぶ水彩画、

またはアクリル画の世界は10年にさかのぼる。

やがてパズルのようにまたは健康的な線の固さと柔らかさに気を使い

明度差を意識する顔料と油脂類で成形された画材、色鉛筆画の世界に

魅了されていった。

「色鉛筆画」というきわめて個性的な存在を見せてくれる昌平さんは、

手掛かりと模索を試みながら平板化を食い止め地歩を固めた。

新鮮な方向に目を向けた作品には、繊細な現代的なモチーフを

オブジェにまで還元させ、緊張した空間ではなく複雑な色が満ちあふれ、

包み込んでくれる暖かい空気の流れを見るようだ。

昌平さん素晴らしい個展をありがとう。

 

岩波アートアカデミー

講師  岩波 昭雄