小さい頃から絵本を見ることや絵を描くことが好きでした。
3年ほど前から岩波昭雄先生の絵画教室に入れていただき、「一生懸命描いている絵を皆さんに見ていただく機会を作りたい」と言ってくださった先生の、お力添えで開催される事になりました。
22年前告知された息子の病名「ダウン症」。この現実と真正面に向かい合える様になるまでにはだいぶ時間を必要としました。
親として息子に何をしてあげたらいいのか、相談する人も見当たらず、なかなか結論が出ませんでした。
そんな中、常に、頭の中にあったのは病名を告知して下さった病院の先生の
「医学で改善は望めない、だからできるだけ一緒にいてあげる事」と言う言葉でした。
それからの生活は仕事も、家庭も、息子中心に回っていき、私自身も息子と常に行動することで色々なことを教わり、成長させてもらいました。
それは優しく純真な心を持ったこの子がもたらしたのだろうし、本人の描く絵の中の線や色にも表れているような気がします。
親がいなくなったときの、子供の生活を思うと不安でいっぱいですが それ以上に今は子供と一緒に過ごし、共に遊び、共に感じ合える、限られた時間をもっと大切にしていきたいと思います。
今回の作品展で息子にとって 得るものがたくさんあると思います、すでに作品展の準備段階でも多くの人との出会いがあり優しさに包まれています。
この8日間、大勢の方々にお会いできるのを楽しみに、楽しい作品展になることを願っています。
(父より)
2002、9、4 「第一回作品展 より」