思い出すたび逢いたくて
「思い出すたび逢いたくて」資料
チラシ
ごあいさつ
おかげさまで劇団沸騰100℃も旗揚げから5年目を迎えることができました。これもひとえにみなさまの応援があったからこそと本当に本当に感謝しています。思えばデニーズ茅野店で怒った役者がとある演出家におしぼりを投げつけた事件、大道具を塗装していたら塗料の臭いをかぎつけた管理人に集団シンナー遊びと間違われ通報されそうになった事件、近くは劇団専用バス、ハロー号崩壊事件など今だから笑えるけど当時は顔面蒼白、お先真っ暗な出来事の連続でした(今でも笑えないよという声も聞こえてきますね)。
旗揚げのメンバーはほぼ全員が健在でして、5年間の蓄積を芝居につぎ込めばそこそこの出来になるくらいに成長したものと自負しています。ただこのメンバーも社会的には生活そのものに喜びを見いださねばならない年齢に達しようとしています。はっきり言っちゃいますと芝居なんかやってる暇はありません。地固めした場所で気楽に芝居づくりを楽しみたいと思うのが正直なところ本音です。
では、それが劇団の「目指すところ」ということになるのでしょうか?いや、そうではないということだけは言えます。じゃあ、何を求めているの?......うー、見えません。例えば、この芝居ではあえて新人を多数投入しなければなりませんでした。もちろん、新人女優中心の芝居は、出演者自身のみならずスタッフにもかなりの苦労を強いました。方法論で突破しようとしてもうまくいかず、理屈じゃねえんだとにかくがんばれとしか言えない閉塞した状況に陥ったこともありました(白状しますと、原因のほとんどは力不足の演出家にあるのです。けれどみんな私を責めずによく耐えてくれました)。
今日ここに持ってきたのは、土俵ぎわ踏ん張って壁を突き破ろうと、団員一同努力した結果です。ここに至るまでに劇団として一つの答えが見えた?ならいいですけどじつはまだ実感できていません。芝居がはねた後、ほっとした瞬間にもしかすると何か見えるんじゃないかなと楽しみにしています。その答えはみなさんの評価に委ねることになります。ですから、"女子校生の制服は年齢的に無理があった"などとアンケートに書かないよーに。無理があるのはよ〜くわかってますから。
さて、思い出すたび逢いたくて、逢いたくなるなるような思い出の人は、いつまでも心の中に大切にしまっておきたい.....?ものばかりじゃないでしょうけど、今日ぐらいは引っぱり出して眺めてみてもいいんじゃないかなと、思います。
ご来場くださり、ありがとうございます。
ごゆっくりお楽しみ下さい。
1994年4月
演出 木口浩史
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