「竹森鉄舟」が会長を務める「竹寶堂」は、広島・熊野でも屈指の筆工房です。
その工程のすべてが熟練した職人の手によって作られています。
 
各産地から届けられる毛の品質を厳しくチェックし、良質のものだけを選別します。
 
人間の髪の毛と同じように、「硬さや太さ、クセ」などがひとつひとつ異なる天然毛。すべて均一の品質を維持するために混毛作業を行います
 
天然毛特有の脂を取り、毛を真っ直ぐにする作業後、半差しという筆作り専用の道具で、先端のない毛や逆毛、擦れ毛を取り除きます。熟練した職人にしかできない技術です。
 
化粧筆の命ともいうべき穂先(毛の形)の形を作るのに欠かせないのがコマ(木型)作り。穂先がイメージ通り仕上がるかを左右するコマ作りは、すべて竹森鉄舟氏自ら手掛けています。
 
紅筆など細く小さい穂先を作る際、糊液につけておいた毛束の厚さを一定にして半差しでむだ毛を取り除きます。最後に櫛を使い、仕上げたい大きさに分割。繊細かつ手間のかかる作業です。
穂先の形状を整えて針金で縛った後、より完璧な形状を作るために揉み出しを行います。仕上げたい穂先の形をイメージしながら、ひと揉みごとに目で見て毛に触れてどこをどう揉んだらよいかを瞬時に確認します。その繊細でまろやかな両手の動きは、竹寶堂でも竹森鉄舟氏にしかできない卓越した技。化粧筆の善し悪しを決める最も大切な工程です。
 
穂先と金具をプレスして再度逆毛取りをした後、柄と穂先を固定するために接着剤を入れます。ブラシのタイプや温度、毛質によって使用する接着剤やその量を判断。目と腕だけが頼りのまさに熟練した職人にしかできない作業です。
 
毛払い機で抜け毛を取った後、さらにテープで取り残した抜け毛を取り、半差しを使ってむだ毛だけを取り除きます。
 
穂先のついた金具と柄を接着し、軸付けと汚れ、曲がりの厳しい検査を行います。
 
  
 
  
   
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