プライベート機器のメンテナンス/改造記録
グレース GRACE G-565 内部配線材の交換


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私が高校生の時に使っていたのがG-545でこの画像のグレースG-565の
ショートタイプでした、製造されてから40年程経過していますので
内部配線材もかなり疲れている事でしょう。
そんな思いやり(思い込み)から内部配線材を交換する事としました。
もしかしたら音が良くなるかも知れません。。

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この画像は外した古いコネクターと配線材です。
グレースのアームのコネクターは「メス」でフォノケーブルが「オス」です。
同じ式はオルトフォンだけで、その他のメーカーは全てオスとメスが逆です。
市販のフォノケーブルは逆ですので使えません、
これも今回の改造理由の一つです。。

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画像の左端の緑の配線材が新しい物です。右の4本は古い物です。
新しい配線材は二回り程太くなっています。
配線材はオヤイデ電気で購入。
武藤製作所/オーグPTEF皮膜線/0.3mm
金(AU)+銀(AG)の混合材でオーグAUGと呼ぶそうです。
http://oyaide.com/catalog/products/p-5063.html

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アーム先端のカートリッジを取り付けるコネクター部の下側に
画像の様なネジが有るので外します。
接着剤で固定されていたのでエッジ交換でも登場したアセトンを注射器から
コネクターが差し込まれている部分に含浸させて緩ませます。
アームは精密機械ですから力を加えるのは危険です、焦らずじっくりと。




ゆっくり慎重に少しずつ緩めながら引き抜きました。
この辺の加減が分からなかったので、ジャンクアームを何本か入手して外し方を練習しました。
思い入れのアームですので壊したら大変です。




次はアーム支柱のコネクター部を外します。
先ずは画像のネジを外します。




先端部と同じ様にアセトンを含浸させてゆっくり緩めながら引き抜きます。
配線材は細く弱いのでうっかり強く引き抜くと線材が切れて丸事抜けてしまいます。
そうなったら大変です、新しい配線材をパイプの中に入れるのは至難の業です。

 
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画像はアーム先端部のコネクターのピン配列と配線材色を記録してから
切断した配線材と「たこ糸」を結んで支柱側コネクター部を引き抜いて、
たこ糸をアームのパイプ内に通し終わった所です。
次には新しい配線材を結んで逆方向に引っ張って新しい配線材をパイプ内に通します。
注意する点はたこ糸の結び目以上に太い配線材はパイプ内を通らない可能性が有る事です。
事前に端子を引き抜いて古い配線材の太さを調べてから配線材を購入するのが良いかと思います。
パイプ中を通す配線材は4本、先端部端子のケース部に接地(アース用)端子が有り、
アーム先端と接続します(見れば分かります)。
同様にアーム支柱のフォノケーブルと接続するコネクターは5Pinですので、
アース用の配線材が支柱内部から出ているのでこれに接続(見れば分かります)します。

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アーム先端部の端子と新しい配線材を接続し終えた所です。
この線材には白と緑の2色しかないので端子の番号を線材に書くか、
テスター等で導通確認する必要が有ります。
ショートしない様に、端子部の補強の為に熱収縮チューブを被せます。
ヘアードライヤーの空気取り入れ口を少し塞ぐと風温度が上昇して直ぐに収縮します。
やり過ぎるとドライヤーの温度ヒューズが切れるのでご注意を。

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アーム支柱部の端子と新しい配線材を接続し終えた所です。
端子は金メッキのタイプの新しい物に変えましたが、探し出すのに大変苦労しました。
このコネクターの規格は「5ピンDIN規格/240度」と言います。
下記URLの「TIDP」です。
http://www.taiyo-international.com/products/cardas/accessories/#cpbp

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この新しくしたコネクター「TIDP」の外形寸法はグレースアームの支柱内径より細いのです。
悩んだ末に熱収縮チューブを3回被せて少し削って丁度良くなりました。
画像2.より綺麗で金メッキで音が良くなる気がして来ます?。

 
後ほど、フォノケーブルも新しくします。
アーム側のオス端子は画像10.の「TIDP」とペアになる「M DIN」を使用します。
ケーブルはオヤイデ電気の中から物色中です。
何しろ自作用各種ケーブルがバラ売りで揃っています。

試聴結果は良好なのですが可能であれば新しくした下記内容と
オリジナルとの比較データーを掲載してみようかと思います。
比較して良否が分かればのお話しですが...

交換改造内容 : アーム内配線材、フォノケーブルとその接続部のオス/メスコネクター
カートリッジヘッドシェル リード線