ラウンド形状エンクロージャー(山桜無垢材100%使用)
PURE−ROUND100A
(通称 ウィング)




概 要
音響工学上優れたエンクロージャー方式であるラウンド形状を得る為に
贅沢な素材、困難な制作方法、手間暇が必要な工法を採用して製作しました。
山桜無垢板材100%使用によるラウンド形状(構造)方式の小型2Wayスピーカーシステムです。
コンピューターによる基本設計とシュミレーション解析を基に試作を繰り返し、
設計値と実測値を比較検討する従来の開発制作手法に加え、本作品は無垢材固有の音響特製による
響き方をより積極的に取り入れて単に物理特製の優れたシステムとは一線を画する
より楽器に近い感性に訴える音を表現出来るように製作いたしました。
世界的に有名なOEMメーカー製のナチュラルな音質のケブラー振動板ウーファー、
世界最高水準技術力を持つメーカーの高品位なチタンドームツイーター、
評価の高い高品質パーツを使用したネットワーク、何よりもエンクロージャー材料として
丸太原木の入手から製材、乾燥まで長期間の管理によって初めて使う事の
出来る良質な無垢材を使用している事が極めて重要な要素となっている作品です。


        仕 様
           1.低音用ユニット:11cm口径ケブラー振動板
           2.高音用ユニット:チタン振動板ドームツイーター
           3.周波数特性:55Hz〜30KHz(-6dB)
           4.入 力:40W(連続)
           5.インピーダンス:8Ω
           6.寸法(最大値):W155/H290/D260mm
           
7.端 子:バナナ対応大型独立型
           
8.エンクロージャー:山桜無垢材によるラウンド形状のバスレフ型
           9.仕上げ:塗膜着色によるウレタン吹き付け塗装(80%艶有り仕上げ)
             全12工程、5回塗りによる流麗な仕上げとなっています。
          10.価格:スピーカー本体 42万円(ユニットその他含むペア一式価格)
                ウイング専用スタンド 14万円(スパイク含む)高さはリスニングポイントに設定します。
          11.オプション: .サランネット(シースルー生地使用)2万4千円
                    .安定タイプのスパイクインシュレーター 追加1万4千円
                    .高音質ネットワーク+バイワイヤリング対応のグレードアップ型 追加9万円
                    .立ち会いチューニング 4万円


お客様からのコメントです。

以下は試聴機貸し出し後のコメントです
本日試聴スピーカー届きました、まず開けてみて思ったのですが、仕上げがすばらしいですね。
デザインは現存するスピーカーの中でも最上級だと思います。
試聴してみて正直驚きました、この大きさからこんな音が出るとは思っていませんでした。
スケール感、量感共に申し分ないと思います。比較に使ったのはUSHER AUDIOのS-520ですが、
こちらの音が見劣り(聴き劣り?)してしまって、ヴォーカルが鼻がつまっているように聴こえます。
ソースはCD、ジャネットジャクソンのRhythm Nation 1814と古内東子のアワーグラスです。
重低音の重さ、中高音の艶共などもパーフェクトに近い音でした。このまま買い取ってしまいたい位です(笑)。
ただ欲を言えば、中低音の押し出し感がもう少しあると良いかな?という感じです。


音質的には上記の通り、申し分の無い音です。
今まで使っていたスピーカーはどちらかというと、MDFや金属などの箱鳴りを抑え込んだタイプの物が多く、
それに慣れていたせいもありますが、とにかくキャビネットが良く共鳴して、気持ち良く鳴るのに感動しました。
音の良いスピーカーはいくらでもありますが、「音楽」を聴かせてくれるスピーカーは非常に少ないと思います。
特に最近の製品は音楽性が無く、ただ「レンジが広く良い音」ばかりになっているように思います。
私が好んで古いスピーカーばかり使っているのも、この「音楽を聴かせてくれるかどうか」というところにあります。
そんな昨今のオーディオ事情の中、楽器のように「音楽」を聴かせてくれるウィングは、非常に貴重な存在です。
私は4歳から楽器に親しみ、それ以来、自分で音楽を演奏する立場として、こんなスピーカーは理想だと考えます。
是非自分の音楽製作のメインモニターに置きたいと思っています。通常MAモニターはラージとスモールを置きます。
時々ラージ、スモール切り替えながら、それぞれのバランスを聴きながらどんなシステムで再生しても
問題無いように仕上げます。どちらか片方だけだと、仕上がった作品を後で聴いた時「あれ?」
ということがよくあります。その点ウィングであれば、ラージモニターは必要無いんじゃないの?という気分になりました。
大小の良いところを兼ね備えた理想のモニターですね。
久しぶりに真面目(?)にスピーカーに向き合って音楽を聴く状況を作ったことで、
束の間ですが心の休息が出来たような気がします。


以下は作品完成直後にありましたクラフト展出品時のコメントです。
TV放映の影響もあり例年と違いまして一般の方に加え音楽ファンや
オーディオマニアが大勢来て下さいまして多くの意見をいただきました。

・音の芯がしっかりしていてバランス良く鳴る高度な音だ。
・弦楽器の各弦のつながりが良く自然に聞こえる
・聞いていると制作者の哲学が理解できる。
・正面以外の横や後側でも楽器の様に自然聞こえる
・綺麗で部屋に置きたくなる
・スピーカーは大型でなくとも良い音がするのだと初めて気が着いた
・この音なら広い部屋でも充分に鳴らせる
・各楽器や声楽が活き活きとリアルでなので楽曲の世界が目前に広がる
・スペインでステージを見ているようだ(フラメンコギター演奏時)
・スピーカーから音が出ている気がしない
・同デザインのスタンドとの相性が良い
・個人工房で世界の名品に恥じない様な作品を発表しているのは驚きだ
・木目やデザインが美しくで家具調度として置いても良い
・地元スピーカー工房製の作品と言うのが嬉しい





作品が完成した当日に地元TVでの取材撮影した工房近くの農場での様子。
台風一過の抜ける様な青空と緑の芝生が目に眩しい最良の日でした。
ここで聞いたヨーヨーマのバッハ無伴奏は徹夜あけの疲れた体に心地よく響きました。
(後の山は八ヶ岳連峰です)


ウィング製作過程の詳細はこちらをクリックして下さい。
専用スピーカースタンドの詳細はこちらをクリックして下さい。

下記写真の拡大画像



バッフル(前板)も山桜無垢材で黒色エナメル塗装を施しています
バスレフポートは小口径のダブルポートとしています。




山桜無垢材柾目の板材から削り出す独特の木目が
サイド面の表情を出しています。



ラウンド形状の特徴である流麗な後スタイルです
背面も完全に曲線となっています



着色塗装は二種類に分けられます。
木地着色と塗膜着色です。

木地着色は色ムラになり易いので難易度が高いのですが
木目を生かす事が出来ます。



更に使用する着色剤には
染料系と顔料系があります。

塗膜着色は木地の色ムラを修正したり
塗装に透明感や上質さを加える事が出来ます。


この作品の着色塗装には
木地着色と塗膜着色の両方を使用しています。












着色する色の種類に制限は有りませんが
基本的には素材の特徴を生かす色を選択します。



上記の製作例は極薄い着色ですので殆ど木地の色に近い色です。
この作品には赤系を加えて落ち着いた印象に仕上げています。



ご要望により多彩な仕上げ処理が出来ます。
音質に関わる仕様の他にも仕上げで楽しむ事も体験して下さい。


専用に製作した山桜無垢材100%の
スピーカースタンドに載せた様子です
スパイク型インシュレータが付属します



スタンド天板はスピーカー本体と同じ曲面となっています
ソファーに座った時のツイーターと耳の高さが同じになる様
スタンド高さを設定しています。



支柱は音抜けを良くする為に前から後へ細くなる様に
デザインされています。
一見華奢ですが肉厚の部材を使った強靱な構造により
音質劣化を防ぎウイングの性能を最大限に
引き出しています。