平面バッフル+ショートフロントホーン+サブウーファー 
試作を重ねてこのシステムを完成型として製作開始する事となりました
このシステムはフルデジタル(SP特製と室内の補正付き)チャンネルデバイダーと
フルデジタル多チャンネルAVアンプで駆動するのが
 Jazz−Machine です


この作品は研究用として試作を重ねて来た非売品でしたが
完成度が上がってきましたのご興味のある方はお問い合わせ下さい




 解説
 平面バッフルに拘り、ユニットの種類や構成を変えるなどの試作を数回繰り返してきました。
 バッフルの不要共振は極厚のバーチ合板で解決する。それでもあまりに面積が広いと振動して付帯音が付いてしまう。
 ユニットが取り付けられる面積分を最小限確保し、その面積不足分を補足する為にもフロントショートホーンで60〜70Hz迄の下限に挑戦します。
 かなり低めの中低域迄をコンプレョンドライバーでカバーするので低域と中低域との音質差を少なくする意味でも
 フロントショートホーン採用の音質面での意味が大きくなると考えています。

 今迄の試作機の方がバッフル面積広く、計算上は最低域が出易い筈、何故かこのシステムは圧倒的に下限まで低域が出て量感も出ている。
 ユニットは振動板とフレームが反作用動作するのでバッフル強度不足で(スタートする陸上選手の利き足が柔らか地面ではダッシュが出来ない)
 ユニット本来の動きが反作用動作でキャンセルされると考えられる。これはユニット前後の逆相の回り込み低域キャンセルとは違います。
 更には完成型のバッフル板+スタンドとの合計質量が今までの試作品に比べて圧倒的に重くバッフル板の最低共振周波数が下がった事による
 現象では無いかと推測します。もう充分に低域は出ています、パイプオルガンやコントラバスなどの正確な帯域再生以外では。
 元々平面バッフル方式で最低域迄出そうなどとは考えていませんが。

 現状での音質は
 今は止むを得ず中高域ユニットをバッフルの上に載せているので上下のユニット間の距離が1300mmも離れています(汗!)。
 最終的には仮想同軸になりますが、その辺の位置関係は今は無視します。
 又、今回はMid-lowとしてJBL2206(30cm)を使いますが、それはJBL2235の受持帯域を軽くして良好なピストン領域を確保しようという
 新しい取り組みです。受け持ち帯域をどの辺にするのかは試行錯誤する事となるでしょう。
 フルデジタルチャンデバによるクロス点の減衰カーブは事実上は垂直になる程に設定できるのユニット間の干渉は避けられる筈です。
 もう一つ、コンプレッションドライバーはJBL175/JBL-LE85/コーラルM-100等の1インチドライバーに対して今回はJBL2450Jの2インチを使います。
 1インチでは低域の量感に不足を感じていた為です。その意味で今後はJBL2405が非力に感じられるかも知れません。
 
 試聴の印象は低音の量感、反応は申し分有りません。2450Jは頑張っていますがバイラジアルホーン2385Aは全く非力で早くオリジナルの
 実用域300Hz程の大型ホーンを付けて上げたいです。2385Aの弱さに助けられて2405は頑張っています。
 このシステムで聞けば音像の大きさや音の質量(重さ)も感じられると思います。ドラムセットが等身大で見えて(聞こえて)来ます。
 ライブハウス等でジャズ演奏を最前列で聞けばパーカッション類のアタック音に、金管の張り裂ける様な空気感にショックを受けて
 感動、動揺する事でしょうが、それに近い生々しさがあります。聞いていると脈が速くなって来るのが分かります。
 勿論まだまだ未完成で荒々しい粗雑な音ですのでかなりの時間をかけて調整して行く事になると思います。

 近日中にフルデジタルチャンデバの開発者が来られて直接 Jazz-Machine のセッティングを行ってくれます。
 その効果がどの程度のものか大変楽しみです。
 先駆けのDEQXの効果は担当者の自宅にて確認済みですので期待が膨らみます。


 仕様

 1.ユニット       : 低音  JBL 38cm 16Ω 2235H(プロ用) 2台
                中低音 JBL 30cm 8Ω 2206H(プロ用)
                中音  JBL 2450J コンプレッションドライバー(プロ用)
                    JBL バイラジアルホーン 2385A(プロ用)
                高音  JBL ホーンツイーター 2405(プロ用)
                
 
 2.エンクロージャー方式 : .平面バッフル  低域再生限界周波数(理論値)70Hz
                .平面バッフル+ショートフロントホーンで80Hz迄を再生
                .80Hz以下は JBL 2245(46cm)2発のサブウーファーで補正

 3.ネットワーク : .フルデジタルチャンネルデバイダー使用による3Wayマルチチャンネル方式
              BEHRINGER(ベリンガー) DCX2496 改造型
             (ロールオフ特性-6dB〜-48dB)

             (ディレイ回路による位相特性補正)
               2235H = 〜150Hz
               2206H = 150Hz〜500Hz
               2450J = 500Hz〜8KHz
               2405 = 8KHz〜
            .デジタルチャンネルデバイダー+音場補正+多機能を持った最新機材にDEQXが有りますが
             高機能過ぎ/高価過ぎ/取り扱いとマニュアルが英文と今一つと考えた国内エンジニア
             (実は当方の顧客)が開発した試作機が手元にあります。
             もうじき組み込んで試して見るつもりです。こうご期待です。
                   
 4.使用アンプ  : AV用フルデジタルアンプ2台/6chによるバイアンプ駆動

 5.補足     : 1970〜90年代の各ユニットを最新のフルデジタル系によって駆動します。
            スピーカー端子までアナログ信号が存在しない。
          : 特大サイズの平面バッフル+フロントホーンで不要共振コントロールする。
            エンクロージャー方式では出ない開放的な曇りの無い低音再生を目指す。
                
        

画像と補足



バッフル部分は完成しています。
中域ドライバーとホーンは仮付けでバッフル上部に載せています。
今後、このバッフル全体にフロントショートホーンを取り付け、
その開口部の中心にオリジナル製作する中域ホーンが取り付きます。
完成は未だ先となりそうです。
46cmサブウーファー2台も追加されます。





アンバランスな程に背が高い。




バッフルを自立させるスタンドは鉄で特注製作しました。
105mm木製柱で挑戦しましたがバッフルとの取付強度が不安で
止む無く非常に希ながら鉄という素材を使いました。
鉄製スタンドとバッフルは10mmのボルトナット16本で止めています。
この画像の状態で既に120Kgあります。
完成すると200Kg近くになる事でしょう。




バッフルはバーチ合板24mm厚3枚重ねの72mm厚。
バッフル板だけでも運ぶのが苦痛で危険を伴います。
鉄スタンドは錆止めと塗装を行います。
キャスターもφ100/耐荷重75Kgを6個使う事になります




現在の仮システム
チャンネルデバイダー : BEHRINGER(ベリンガー) DCX2496
パワーアンプ : フルデジタルアンプ搭載のAVアンプ 7ch×100Wを2台使用

近日中にフルデジタルチャンネルデバイダーに変更
(スピーカー特性/室内音響特性/補正機能付き)





完成イメージのラフスケッチ



 

フルデジタルチャンネルデバイダーでJazzMachineを駆動しています。


 

フルデジタルチャンネルデバイダーによる4Wayでシステムを構成しています。
Lo:38cm2発/Mid-Lo:30cm/Mid:2インチコンプレッションドライバー/Hi:ホーンツイータ−
フルデジタルアンプ搭載7.1ch対応AVアンプで5.1chアナログ入力モードにすると
Front×2/Centor×1/Rear×2の合計100W×5chを単独のアンプの様に自由に使えますので、
4WayシステムでもAVアンプ2台でシステム構築出来てしまいますので安価で容易です。




フルデジタルチャンネルデバイダーによるシステム構成です(SSCのマニュアルを抜粋)。
上記画像はこのシステム構成により接続されています。




フルデジタルチャンネルデバイダー

ノートパソコンでの演奏中の画面です。
.左のツマミは入力切り替え
.右のツマミは音量調節
.中央は入力レベルインジケーターで4本は各々の帯域を表します
画面は4Wayでそれぞれ左右に分割しています。
.中央やや右の丸いボタンで設定モードに入ります。

演奏させるにはノートパソコンを立ち上げてこの画面を出す必要が有ります。




フルデジタルチャンネルデバイダー設定画面です。

全体はブロックダイヤグラムの様に構成されていて感覚的に理解しやすい構造になっています。
.左端が入力端子
.右端が出力端子
.左から順に入力切り替え(デジタル/アナログ/アナログフォノ(EQ付き)
.次ぎにクロスオーバー周波数/カーブ/ゲイン/遅延等の設定
.スピーカーシステムの測定/補正
.室内環境の測定/補正

おおまかな概要ですがこれらの設定項目があります。
右端の周波数特性はスピーカー単体の測定データーです。
これを補正して全体としてフラットな特性にして行きます。




クロスオーバー周波数/カーブ/ゲイン/遅延等の設定画面
.2Way〜4Wayの切り替え
.クロスオーバー周波数の設定
.各ユニットのレベル調整
.各ユニットの前後位置(Delay)調整
.各ユニットの極性切り替え

これだけならBEHRINGER−DCX2496や他のデジタルチャンネルデバイダーにも似た様な機能はあります。
この設定に限ってもSSCには他に無い(DEQXにも無い)優れた機能があります。
例えばクロスオーバー周波数の接点を重ねたり離れたりさせる事が出来ます。
上記右のLoの上限は200Hzですが、MidLoの下限を150Hzにしたり250Hzにしたり、
逆にLoの上限を150Hzにしたり250Hzにも出来ます。
ダブルウーファー使用時の2.5Wayなどのディージーチェーン接続が可能です。
JBLエベレスト6600のダブルウーファーの様な使い方が可能です。


次回はこの画面で設定した内容をスピーカーシステム単独の特性とその補正結果。
室内特性の測定とそれを元にして得られたリスニングポイントでの総合特性を紹介します。