FOSTEX社 W-300AU/FX120A/FT28D 搭載
30cm3Way フィンランドバーチ合板エンクロージャー


 


お客様自身による塗装を終えてシステムを組んだ様子
パワーアンプの真空管300Bの12本が壮観です。

 


マルチアンプ方式システムです。
エージングを進めながら完成度を高めて行く過程です。

 


未塗装、エンクロージャーのご注文。
完成してユニットを取り付けてみました。



 


大変シンプルな外観です。
バッフル両サイドの曲面加工による回析減少対策、
バスレフポート開口部のノイズ対策など必要な機能は満たしています。
厚い板厚を有効利用する為に敢えて落とし込み加工無しで製作。





お馴染みの低音ユニット開口部の穴開け加工の様子。






  組立時の様子。
中域ユニット背圧防止用のバックキャビティと補強用中仕切り板。
開口部の角は全て曲面加工で不要反射を抑えます。

 


仮組みの様子。
バッフルはバーチ合板24mm厚2枚重ねの48mm。
その他は24mm厚。
接着は標準のビスケット加工です。

 


接着組立の様子。
この大きさ、板厚の圧締にはハタガネや、強度不足のクランプは不可。


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 概要


 
.未完成の作品(例:エンクロージャーのみの製作)はホームページに掲載する事は有りませんでした。
  ただでさえ注文製作と言うユニバーサルデザインとは対極を行く作品の中では掲載しても、
  閲覧される方に余り役立たないのではと考えるからでした。

  今回はエンクロージャーのみの製作でしたが、搭載するユニットが30cmウーファー、中域がコンプレッションドライバー+大型ホーン
  では無くてダイレクトラジエターとして12cmフルレンジと言うシステムで有る事から紹介させていただきます。
  中域がコーン型で導入しやすい=低グレード、低機能では決して無い事が下記説明から分かっているからでも有ります。
  その意味で良い製作例、参考になるのではと考えました。
  
  低域は30cmコーン型、中域はコンプレッションドライバーによるホーン型が従来の大型システムの定番と言える物は、
  低域と中域を受け持つユニットの音放射の構造が違うと言う致命的というか、宿命的な問題が有る事です。
  コンプレッションドライバーのトランジェントの優れた音には魅了されます(私もです)が、
  その中域について来れない低域を如何にするべきか...大型システムのオーナーさんの悩む所です。

  
昨今の量産型ハイエンドスピーカーでは中域がホーン型は殆どありません。
  優れた直接放射のダイレクトラジエターユニットが出て来ているからでも有りましょう。
  本作品の依頼者の本意は分かりませんが、このシステムの横にA7が置いてある所を見ると、
  同じ問題意識を持って居られるのでは??とも憶測してしまいます。

  ハイエンドオーディオマニアの頂点を歩んで居られる方達も同意識の方が多いのではと推測します。
  システムは当然ながらもマルチアンプ方式、デジタル式チャンネルデバイダー、補正や測定用に各種プロセッサーを用い、
  己の信じる完璧な姿まで追い込んで行く事により得られる音。
  中域のコンプレッションドライバーによるホーン型は不要です!と言う方も出て来ているのです。

  そのシステム構築に欠かせないのが良質なエンクロージャーです。
  あらゆるシステム変更、機材やユニットまでも取り替える事が有るかも知れませんが、
  その過程で、エンクロージャーの性能不足による不要共振が?、内容積は?ポートのfobは適切?、
  素材の音色が邪魔をしていないか?などなど...
  その様な心配をおかけしない様にシンプルながら十分な機能を持たせた物が本機です。

  最上部写真の依頼者様のシステム、現在進行形で試行錯誤が続いている様です。
  完成後の報告を楽しみにしています。


 
仕 様

 .名  式    :フォステクス社 W-300AU 3Way バーチ合板エンクロージャー
 .エンクロージャー:フィンランドバーチ合板 バスレフ型
 .搭載ユニット  :フォステクス社 W-300AU 30cmウーファー/FX120A 12cmフルレンジ/FT28D ドームツイーター
 .端  子    :端子無し、穴開けのみ(アンプ/ユニット間をダイレクト接続)
 .仕 上 げ   :未塗装
 .概  寸    :W550/H900/D450 mm


 
補足
 ウッドウイルのHPをいつもご覧になっている方には作品の説明不足では?と感じている事と思います。
 活動を始めてから今日まで、可能な限り詳細に作品説明させていただき、お客様への理解を深める様に努めて来ました。
 同時にウッドウイルの紹介も出来ると考えてまいりました。
 しかし、この情報を丸毎コピーするのが業態かの様な業者が現れるに至ってノウハウ防止策を取らざるを得なくなりました。
 詳細希望の方はメール(電話不可)にて氏名/住所/電話番号/知り得た情報を非営利とする確約を添えてご連絡下さい。








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 お客様から納品後のセッティングなどの報告が来ましたのでそのまま掲載させていただきます。

   

 柴田様
 Wayバスレフでお世話になった群馬の○○です。
 本機はその後も快調に(益々良く)鳴っていますが、是非報告したい事が出て参りましたので、再度メールさせて頂く次第です。

 1、パワーアンプを300Bアンプ×3セット(1セットづつ購入の経緯有り)に戻したのですが、
   その過程で、最後に購入のアンプ(ウーファー担当)のXLR端子ピンが仕様変更(HOT&COLD)となっている事に気づきました。

   つまり、低音のみ逆相になっていたという事です。
   最初の頃、低音部が今一つでしたが、エージングの問題に加えてこの問題も要因の一つだった様です。

 2、本機を愛聴する内、逆に、柴田さんら賞賛のホーンの音と本格的に比較してみたくなり、
   居間(1F)に半ば放置していた4344をリスニングルーム(2F)に移動させ(ピアノ運送屋さんに2万円お支払い)、
   本機の横に据えて稼働させました。


 3、しかしながら、2chマルチで稼働させたものの、久しぶりだったせいか、どうもパッとせず、アッテネータ由来のノイズも出る始末で、
   比較の対象にもならず、年末年始で時間も有った事より、一気に4chマルチアンプ化しました。


 4、その結果、各ユニットの能率が大幅に異なる事や、JBL特有の逆相繋ぎの問題等々悩ましい要素が多いですが、
   やっとJBLらしい音になって来たところです。


 5、しかしながら、低音では38cmの方がずっと良いだろうとの想定だったのですが、全く逆で、本機の方が勝っていると感じます。
   W300Uの出来の良さに加え、30Hzにチューニングされた(実測=31~32Hz)バスレフポート & 堅牢なエンクロ & 柴田さんの
   黄金比寸法?等々が効いて居る様で素晴らしいです。

   この点が、今回お知らせしたかったポイントです。
   引き締まったJAZZのウッドベースが朗々と聴こえて来ます。

 6、中高音部も劣っていないと思いますが、柴田さんたちが言うホーンの良さが何となく判る様な気もします。(「切れ味」ですかね?)

 7、私としては現状通りで満足ですが、オーディオの迷宮に迷い込んだ如く、本機を4Way化+中高音&高音部をホーン化したらどうなるのか?
   また、パワーアンプも現4344と同じ(SP2系統接続可)にしてガチンコ比較したらどうなるのか?との思いに取りつかれました。

 8、上記の状況が添付写真でございます。
   (本機上のウッドホーンは載ってるだけで、ツィーターも未だ変わっていません)

 9、上記の結果、報告すべき様な内容が出てくれば、また報告させて頂きます。

 以上のご報告でした。


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