諏訪湖を四方囲むように広がる高原。里山を抜け、そこに広がる高原地帯には花々が咲き誇り、その中をここでしか見られない高原の鳥たちが舞踊る。青空にそびえ立つ八ヶ岳 、一面に苔むし薄暗い原生林から、森林限界、ハイマツ帯を越え岩場の領域、里では見られない高山帯の鳥たちの世界へ。
6月初旬、高原地帯も新緑の季節。所々からカッコウの鳴き声が聞こえ、ノビタキ達も飛びかい始めた。朝露の残る早朝、上空を聞き慣れない鳴き声と、時折「ゴ~」という音が響く。オオジシギのディスプレイ飛行である。夏の高原は色とりどりの花が次々と咲き、高原全体を染めます。時に赤く、時に黄色く、そして紫色にここには数千種類の花が咲くと言われます。そしてこの途切れる事無く咲き乱れる花々の間を飛び交う華たち、里山とは少し違った鳥たちがあちらこちらにその姿を見せてくれます。高原はこれから秋にかけ次々と花の季節を迎えてゆく。




梅雨のころ、高原は一面のレンゲツツジの時期を迎え、所々の山肌が真っ赤に染まるのは何とも美しい景色です。またそんなレンゲツツジの枝先に高原の鳥達が美声を競い合います。特に多く目立つのはノビタキ、各々にテリトリーを持ち、その中で見晴しの良い場所にとまってはさえずりを繰り返す。それはまた、写真を撮影する方からすると非常に都合がいい、まるで自分と花とどちらが美しいのかと競っているかのようなポーズを取ってくれるのだから。



6月初旬まで沢筋や谷には雪が残る標高二千メートルを超える八ヶ岳、ここには毎年5月末から6月中旬までは原生林の森の中ルリビタキやコマドリ、メボソムシクイやウソのさえずりが響く、そして暗い池の畔のオシドリ。中旬以降は二千五百を超える岩場でイワヒバリやホシガラスが飛び回る。
早朝、まだ臼ぐらい池のほとりでコマドリのさえずりが聞こえはじめる。この池の廻りだけで3~4箇所からそのさえずりは聞かれ、比較的近くにもいる様子。岩の上に腰を降ろしてその声を聞いていると、林の中、地面の上を鳥影がせわしなく飛び回っている。その姿を追っているとようやく彼も目の前の開けた木の上に出て来てくれた。その嘴にたくさんの落ち葉をくわえ、そして彼は忙しくまた林の中にきえていった。巣作りには少し遅いような気もするが、巣の補修でもしていたのだろうか。原生林の中に続く登山道を歩いていると、目の前にルリビタキがよく現れる。こちらが進むと彼もまたその先の枝に、岩にと一定の距離をとりながら進んで行く姿はとても可愛く思う。眼の前のダテカンバの幹を登るキバシリと出会ったり、キクイタダキなども枝先を飛び廻っている。森の中に響き渡るコマドリのさえずりがだんだん近付いて来た、木影でしばらく待っているとそのさえずりの主が苔むした倒木の上に現れ、そしてまた原生林の中に消えて行く。原生林の森が急に開けた、周囲は岩とハイマツ帯に変わった、目の前には八ヶ岳の嶺々が広がる。ここからは鳥相も一気に変わる、ハイマツの間から時々顔を出すカヤクグリ、岩場にはイワヒバリがたびたび現れ、警戒心の得に薄い彼等は、平気で私の足下迄来てくれる。普段すぐ目の前に聳える八ヶ岳、しかし里山ではなかなか出会えない鳥達とここでは出会う事ができる。
HOME
















HOME