トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る17年名古屋場所場所9日目

大相撲観戦ダイジェスト

 名古屋場所の観戦もそうだが、相撲観戦自体が1年ぶりということになった。相撲人気がさらに高まり、もはやチケットを入手することが困難になったからである。場所入りが午後1時半過ぎだったが、すでにたくさんのお客さんが入っており、一昔前の千秋楽のような感じだった。

 今場所は白鵬の通算最多勝記録と新大関高安の誕生が大きな話題だった一方で、稀勢の里、鶴竜の両横綱や照ノ富士、遠藤が途中休場。とりわけ稀勢の里の土俵入りを見たかった私としてはかなり残念であった。それはさておき、ビールの祭典でご機嫌になったところで、場所観戦をスタートさせる。

 十両では三段目格付け出しの豊山と朝乃山が好調だが、この日は豊山が行司差し違いで勝ち、朝乃山は実力者魁聖に敗れるという明暗が分かれた。いずれにしろもっと稽古で地力をつけて上がってきてほしい。幕内下位では、軽量の石浦がこの日も動きのいい相撲を見せ、満員札止めとなった場内を大いに沸かせてくれた。

 幕内上位には北勝富士、貴景勝、正代ら期待の若手力士がずらりと並び、初めての上位挑戦に挑んでいる。その先頭に立つ御嶽海であるが、この日は琴奨菊戦に立ち会い注文相撲を取る。せっかくの大声援に水を差すような相撲はいただけない。罵声を浴びるような相撲ではさらに上は望めるべくもない。

 新大関高安は7連勝と波に乗ってきたところだったが、この日は元気な嘉風が相手。苦手意識もあったのか、持ち前の前に出る相撲が見られずに完敗。

 そして、この日一番の注目は日馬富士に初めて挑む宇良。昨日は白鵬に敗れたが、横綱の腕をたぐって、そのままとったりに破り堂々の初金星。場内は最大級の盛り上がりとなり、座布団も舞ったのである。

 さらに番狂わせへの期待をご当所(石川)の輝にも求めたのであるが、さすがに白鵬は挑戦を退き、ついに千代の富士と並ぶ1045勝に到達したのであった。まあ、いろいろと面白い取り組みが多かった土俵だった。