トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る16年名古屋場所場所9日目

大相撲観戦ダイジェスト

勝って引き上げる姿もどこか寂しげな瞬迅

 今年初めての本場所観戦は、恒例の名古屋場所。相変わらず酷暑のなかでの本場所であった。地元出身でこの名古屋場所を最後に引退をツイッターで表明した瞬迅の相撲を見ることができた。右ひざの大きな包帯が痛々しく、体の張りもない感じがする。彼の相撲を見るのはこれが最後となる。

 三段目、幕下の相撲では結構熱戦が多かった。館内のお客さんの入りも比較的早いため、熱戦には大きな拍手がおくられていた。私も久々の生観戦で、ビールを飲みながら名古屋名物おつまみもちょうだいし、徐々に館内の雰囲気に溶け込んでいく。宇良が登場する十両土俵入りでさらに盛り上がっていく。

 

 その宇良であるが、この日は石浦との割が組まれた。もちろん十両では一番人気の取り組みで、懸賞の垂れ幕が上がってもおかしくないような盛り上がり。相撲は双方が相手を中に入れないように探りとタイミングを図る展開。結局スピードに勝る宇良が一気に押し勝ってこの一番を制した。

 幕内前半では、好調と不調の力士の違いがわかる一番が目立った。好調では、幕内に戻ってきた千代の国、上位戦も組まれている正代がなかなかいい動きをしている。一方不調なのは遠藤。まったく精彩がなくこの日も玉鷲に完敗。上位挑戦が続いた御嶽海は、連敗中の琴勇輝に完勝して期待にこたえた。

互いに探りを入れ合う石浦−宇良

相次ぐ横綱の敗戦に座布団が乱舞する

 今場所最大の注目、綱取りを目指す稀勢の里は、大関同士の照ノ富士との対戦。1分半ほどの大熱戦となったが、攻め続けた稀勢の里が最後は寄り切り。熱戦に場内のボルテージが上がりっぱなし。そこに横綱白鵬が登場。勢との対戦でまさかの不覚。いや、勢が殊勲の勝利をもぎとり、座布団が舞った。

 白鵬の負けで場内の雰囲気が異様になってきたところで、結びは日馬富士に嘉風が挑む。過去にも波乱があったこの対戦、嘉風への声援も後押しとなり、日馬富士がばったり手を付くと場内の興奮は最高潮に。まさかの横綱相次いで敗れるという大波乱に座布団が飛び交い、興奮に包まれたのだった。