トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る15年秋場所9日目

大相撲観戦ダイジェスト

土俵際の逆転でころがる御嶽海

 1年ぶりとなった東京本場所の観戦。秋場所9日目に両国国技館にやってきた。上野で飲んできたため、すでに土俵上は十両土俵入り直前まで進んでいた。見ることはできなかったが、先場所全休で三段目に下がった大原改め瞬迅はこの日勝ち星を挙げたようだ。早く幕下に戻ってきてもらいたい。

 ここ数場所同じことを書いているが、十両は若手が台頭して面白い。今場所も新入幕の正代が活躍している。この日石浦との好取組は、相手の弱点である一気の攻めをみせた正代の勝利。学生横綱を張った力士だけに力は十分持っている。小兵の石浦にももっと頑張ってほしいものだ。

 

 先場所新十両優勝をして名を挙げた長野県出身の御嶽海。観戦最大の注目である。相手は十両に下がった実力者の豊響だけに、どんな相撲を取るのか楽しみだった。当たり負けはしたが、押し返して豊響を下がらす展開にもっていったが逆転負け。ただ、前に出て負けたのだから自信を深めてもいいだろう。

 幕内前半では、遠藤と勢が相変わらず大声援を受けた。勢は久しぶりに白星を積み重ね、よく体が動いている。安美錦との好取組は、立ち会い変わった安美錦をよく見て、攻め込まれたが逆転の小手投げで勝利。遠藤も持ち前の技が炸裂した上手出し投げの勝ち。お客さんが満足したことは言うまでもない。

今場所好調の勢

堂々たる大関になった照ノ富士

 今場所初の大関戦が組まれた琴奨菊−豪栄道は、両者の今場所の調子が出た感じ。琴奨菊の一方的な相撲に終わり、豪栄道のふがいなさだけが残った。ふがいないといえば次の稀勢の里。隠岐の海を攻め込んでいながら逆転負けを喫して土俵下に転落。下位への取りこぼしがなくならない限り、優勝も綱取りも遠い。

 大関2場所目の照ノ富士は、すっかり看板力士の風格が漂うようになった。つい数場所前までライバルと言われていた逸ノ城に対し、速攻相撲で完勝。強さを十二分に見せつけた。結びは横綱鶴竜が負けじと宝富士を一方的に退け、この日の土俵を締めたのであった。