トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る15年 名古屋場所初日

大相撲観戦ダイジェスト

同じ新十両の高立から力水を受ける御嶽海

 昨年、不測の出来事で観戦が不可能となった名古屋場所。2年ぶりの観戦となり、前日には久々に土俵祭りも参観させてもらった。さて、午後1時前に会場を訪れた時、ちょうど注目の新十両御嶽海が場所入りするところだった。長野県からは37年ぶりの関取ということで、地元の期待は大きい。

 さて、注目の初日である。相手はご当所愛知県出身の明瀬山。同じ新十両の高立から力水を受けた御嶽海は四つ相撲の相手にやや攻め込まれる場面もあったが、押しに徹底した相撲で堂々の白星スタート。応援に訪れた出身地木曽の方々も割れんばかりの拍手で喜んでいた。

 若手が次々に台頭してきた十両は本当に面白い。所作で注目されるのは、四股の足が高々と上がる阿炎。それから、小兵ながら強さとうまさを兼ね備える石浦。さらに早くから期待の大きかった輝、そして押し相撲の大栄翔、阿武咲。そんななか、この日一番の拍手を浴びたのは、大きな天鎧鵬相手に真っ向勝負で攻め切った北磻磨であった。彼も新入幕を狙っている。

 幕内前半で注目されるのは、なんといっても準ご当所である遠藤だ。声援も拍手もひときわ多い。膝の大けがをして2場所目となるが、この日は正攻法の旭天鵬だったので、しっかり四つに組んで万全な相撲を見せた。下からどんどんと次の世代の若手が上がってくるだろうから、遠藤もウカウカしていられない。

高々と足を上げる遠藤の四股

大関初めての勝ち名乗りを受ける照ノ富士

 後半では何といっても新大関の照ノ富士。ここ2場所の強さはすでに大関クラスといっていい。この日も碧山の突進にやや後退したものの、回しを取ってしまえばまったく問題にしないという感じであっさり転がした。この後、琴奨菊、豪栄道があっけなく負けたのを見ると、同じ大関であってもすでに力の差があるのかと思わせる。

 横綱鶴竜が3場所ぶりの本場所で、難敵の逸ノ城との対戦。どんな相撲になるか期待したが、鶴竜本来のうまい相撲で危なげなく勝利。日馬富士は土俵際の逆転勝ちで、しかも肘を痛めて翌日から休場。白鵬は新小結宝富士の善戦で長い相撲となったが、落ち着いてさばいたともいえる一番。横綱は安泰の初日であった。