トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る15年春場所初日

大相撲観戦ダイジェスト

勝ち名乗りを受ける御嶽海

 半年3場所ぶりの本場所観戦は、毎年恒例の春場所である。今回は幕下からの観戦スタート。ちょうど大原が登場する時間帯に場所入りができた。大原も小柄ながらしっかりと筋肉がつき、幕下には定着できる地力ができてきた。初日も白龍を破って好スタートを切った。

 スタートといえば、今場所大きな注目をもって見ている幕下10枚目格付け出しの御嶽海だ。長野県上松町出身ということで、私にとっては国もん。若手の明生との一番は、得意の押し相撲に持ち込めなかったものの、四つに組んでも前に出る力があることを証明した。白星発進こそ何よりである。

 新十両には期待の若手が続々と上がってきた。石浦、川成改め天風、堀切改め阿炎。石浦は鳥取城北高監督の息子さんで照ノ富士、逸ノ城の先輩にもあたる。阿炎はスピード出世の力士で、長い手足からの突っ張りと思い切った相撲が魅力。初日はやや固さがあったのか、ベテラン土佐豊に敗れた。

 十両にはさらに期待の力士たちがいる。まだ18歳の阿武咲は親方衆も太鼓判を押す低い姿勢の押し相撲が魅力の力士。体力負けせずに力を付ければ幕内は近い。そして、新十両から連続二けたの輝は、十両でのびのび相撲を取っている印象がある。この日もおそれずに前に出て旭日松を退けた。

緊張の新十両土俵の阿炎(右)

堂々たる白鵬の土俵入り

 幕内前半で、立ち合い前に唸り声を上げる所作でおなじみの琴勇輝−千代鳳が対決。場所前白鵬に名指しで注意されたといい、千代鳳は唸り声を封じたが、琴勇輝は「ホー」とおなじみの雄たけびを上げた。これも個性であり、好ましくはないが、他人がどうこう言う筋合いのものでもない。

 その白鵬。先場所後の審判部批判発言以来、マスコミとの間がギクシャクしているようで、精神面での心配があった。妙義龍相手に圧倒して勝ったようだったが、私には雑で乱暴な取り口に思えた。前後するが、ご当所の大関豪栄道は地元での名誉挽回を期すいい相撲で声援に応えたのだった。