１４年秋場所２日目

大相撲観戦ダイジェスト

休場者の多い場所となった電光掲示板

　今回も昼過ぎの入場で観戦は幕下からとなった。エントランスホールは多くのお客さんでにぎわっていたが、人だかりを作ったのは元北桜の式秀親方。独自の指導法で最近注目されている。その式秀部屋話題の力士・育盛はデビュー場所の今場所前に引退したという。残念である。

　残念と言えば今場所の休場者の多さ。電光板でも休場の覧に多くの四股名がある。しかも、注目された新大関豪栄道の対戦相手・豊ノ島がこの日休場で、せっかくの観戦も不戦勝に終わってしまう。さらに序盤戦では横綱日馬富士も負傷休場となり、土俵がさらに寂しくなってしまった。

　幕下上位には関取をかける有望力士が目白押しで、今場所はとくに面白い。学生相撲出身の岩崎、川端や細身ながら相撲のうまい石浦、出羽疾風、若手で注目されている達、阿武咲、堀切、力真、さらには琴恵光、宝龍山、貴斗志と、それぞれ虎視眈々と狙っている。だれが先陣を切るのか楽しみだ。

　幕内の有望株といえば、新入幕の逸ノ城である。これは有望というよりも大物という言葉がぴったりだ。千代丸と対戦したこの日も突き押しに耐え、がっちり組み止めればまったく問題にしない地力。あとは攻めに磨きをかけること。引き技は封印しなければ上は目指せない。

　この人のことにも触れなければならない。久しぶりに４０歳の幕内力士となった旭天鵬である。まだまだ体の張りがあって元気で、この日も鏡桜に力負けしなかった。不惑の関取は場所ごとに声援も大きくなっている。昔から地味なお相撲さんだったが、それがいぶし銀として輝きを増している。

　幕内上位にも若手力士が台頭してきたが、横綱にはまだまだ太刀打ちできなかった。白鵬は大歓声を受ける遠藤を余裕ではたき落とし、日馬富士は千代大龍の突進を止め、鶴竜も照ノ富士に苦戦したもののしのぎ、綱の貫録を見せつけた。締めくくりは聡ノ富士の豪快な弓取りが満員の観衆を魅了した。