トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る13年名古屋場所9日目

大相撲観戦ダイジェスト

蘇−堀切の4連勝同士の対決から始まる

 暑い名古屋場所がやってきた。今年は梅雨明けが例年よりも早く、初日から猛暑日が続くという力士にもお客さんにも過酷な気象条件となった。さて、観戦日の9日目は序の口最初の一番が蘇−堀切(写真右)の4連勝対決。好カードで熱戦が期待されたが、蘇が得意の体勢となって寄り切った。蘇は再出世した力士だが、けがさえなければ実力は三段目クラスだ。

 一方で、序の口や序二段上位からなかなか抜け出せない力士たちもいる。最近、長野県出身の力士が多く入門しており、この地位から何とか上にと努力している。そうしたなかで、期待できるのが満津田である。やや細身ながらも相撲は前にも出るし、粘りもある。顔もイケメンなので上がれば人気が出そうだ。

 新十両が今場所注目された。とりわけ声援を受けていたのがエジプト出身の大砂嵐と学生出身の遠藤である。大砂嵐はまだ相撲が荒削りではあるが、この日巨漢の天鎧鵬を突き起こしてから上手を取ってねじ伏せる力をみせた。一方の遠藤も旭日松の突き押しに下がらず、逆に前に出て破った。両者とも十両を早々と突破していきそうな勢いである。

 注目といえば、八百長問題の解雇が無効となり、前頭15枚目に復帰した蒼国来である。初日ほどの大声援はなかったが、場内のあちこちから声がかかっていた。この日は翔天狼にがっちり抱えられて敗れたものの、2年半のブランクを感じさせないような連日の土俵は見事である。これからも応援したい。

土俵に復帰した蒼国来
土俵際もつれた稀勢の里と安美錦  今場所最大の注目だった稀勢の里の綱取りは、序盤であっけなく絶望となった。どこかフワフワした相撲が続いていたが、この日の安美錦戦でも攻めきれず、土俵際際どい相撲となり、結局は取り直し(結果は完勝)。また後半戦に入ったということで大関同士の対決も組まれ、鶴竜が琴奨菊を破った。

 両横綱には両関脇が挑み、明暗を分けた。まず妙義龍は日馬富士に対し、土俵中央での張り手にひるまず、そこに乗じて一気に前に出て倒した。一方白鵬は豪栄道を下がりながらだったが、余裕を持ってころがした。これで白鵬は39連勝。翌日も勝って前人未到の2回目の40連勝を達成するのであった。