トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る13年 夏場所初日

大相撲観戦ダイジェスト

組み合った琴宇留賀と小櫻

 夏場所が初日を迎えた。序の口は先場所、初土俵を踏んだたくさんの新弟子たちが番付に乗り、いよいよ土俵人生のスタートを切る。所作にとまどう初々しい力士がいるかと思えば、すでに幕下か三段目クラスの地力を持った力士もいる。まだまだ相撲人生は始まったばかりである。

 序二段で、ソップ型の琴宇留賀とあんこ型?の小櫻が対戦した(写真左)。琴宇留賀は長野県松本市出身。体重のある相手にどう取るか注目したが、見事に上手投げで小櫻を裏返しにした。一方の小櫻であるが、デビュー時よりも体重が増えているように見え、動きが鈍くなっている感もする。もっと稽古を積んでほしい。

 幕下の上位に若く威勢のいい力士たちがどんどんと台頭してきた。エジプト出身の大砂嵐、先場所付け出しデビューした遠藤、千代鳳の兄である千代丸、そして錣山部屋期待の青狼。いずれも個性豊かな力士たちなので、早く十両に上がって大暴れしてほしい。とりわけ遠藤には注目が集まる。

 幕内でこの日一番人気だったのは舛ノ山だった。心肺機能の関係で長い相撲が取れないが、若さあふれるきっぷのいい相撲が身上。この日2階席には出身地の千葉県栄町から大応援団が来ており、舛ノ山はいつにも増して気迫十分の相撲を見せ、応援団の期待にこたえた。早く上位で取ってほしい力士である。

地元からの舛ノ山の大応援団
稀勢の里を攻め立てる妙義龍(背中)  結果から言うと、この日は関脇以上が全員勝って安泰だった。相撲内容では、稀勢の里が一番苦労した。妙義龍にうまく差されて前に出られ、回り込んでかろうじて逆転でしとめた。他の3大関は自分の相撲をしっかり取っており、このあと何とか期待したいものだ。大関取りに向かいたい豪栄道も白星発進である。

 横綱日馬富士は新小結隠岐の海の挑戦を受けたが、立ち会い動いて回しを取りに行き、圧力をかわした感じの相撲に拍子抜け。結びの白鵬−栃煌山は、栃煌山が一瞬寄り立てたものの、横綱の逆襲にあった。ともにイマイチの相撲ではあるが、ともあれ波乱のない初日スタートということになった。