トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る12年 秋場所8日目

大相撲観戦ダイジェスト

新十両丹蔵うれしい勝ち越し

 秋場所は約4年ぶりとなる千秋楽観戦が実現した。この場所の注目は綱取りの日馬富士だったが、ものの見事に初日から14連勝できてくれた。そんなわけで結びの白鵬戦が大注目なのであるが、いつものように序の口最初の取り組みから観戦を始める。千秋楽は番数も少なく、どんどん土俵が進行する。

 十両途中での協会ご挨拶で、北の湖理事長が「大関3人が休場して遺憾だ」との言葉を添えた。琴奨菊、把瑠都、琴欧洲のことである。その挨拶後に登場したのが写真右の新十両丹蔵である。珍しい四股名で注目を浴び、序盤の活躍で人気と知名度が一気に上がった。後半苦労し、千秋楽でうれしい勝ち越し。

 十両は優勝決定戦となり、常幸龍が勢を破って初の十両優勝を手にするとともに、史上最速となる所要9場所での新入幕をも確実にした。押してもよし、回しを取ってもうまい力士で、潜在能力はかなり高い。順調にいけば、来年は横綱大関との対戦も大いに期待できる逸材である。

 常幸龍にひけを取らない若手力士もどんどん台頭している。先場所十両優勝の千代の国や、この日対戦した舛ノ山と高安も人気、実力ともどんどんと大きくなっている。3人に共通するのは、突っ張りや押しを武器にした攻撃的な相撲。上位へ上がって横綱大関の脅威となる存在を目指してほしいものだ。

若手激突!舛ノ山−高安
総理大臣杯を授与する野田首相  千秋楽結びは大注目の横綱白鵬−大関日馬富士。立ち会いから白鵬が四つに組み止め有利かと思われたが、巻き替えて日馬富士が頭をつける展開に。長い相撲は日馬富士がこん身の寄り、出し投げ、寄り、振り回す投げと連続攻撃で、ついに横綱を土俵にはわせた。その瞬間、座布団が乱舞した。

 というわけで、日馬富士はなんと、双葉山、貴乃花に続く大関での2場所連続全勝優勝の偉業を達成した。むろん綱取りに異論をはさむ者はいないだろう。この日は兄貴分である元朝青龍も向こう正面で観戦、総理大臣杯贈呈は野田首相自らが訪れた。ともあれ、大興奮の千秋楽観戦となったのであった(笑)