トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る12年春場所初日

大相撲観戦ダイジェスト

サインに応じる貴乃花親方

 昨年は大相撲の根幹を揺るがす八百長問題のため、中止を余儀なくされた春場所が2年ぶりに大阪の地に戻ってきた。浪速に響く触れ太鼓の音色を心地よい思いで聞いたファンも多いだろう。私も朝から府立体育会館に入場し、序の口最初の取り組みから観戦を始めた。

 初日はどの力士も緊張するものであり、あっけない相撲も結構多い。そんななかで、序二段の最初のほうの取り組みでソップ型同士の荒行志−若源治がまわしを引き合っての大熱戦を展開した。勝負は荒行志が勝ったが、場内のお客さんからは両力士に大きな拍手がおくられた。二人とも頑張ってほしい。

 ところで、場所に先立つ理事選挙で再選し、大阪場所部長に任じられた貴乃花親方の精力的な営業活動がマスコミで取り上げられた。親方は初日の玄関ロビーに姿を現してお客さんを出迎え、写真上のようにファンのサインに気軽に応じていた。地道なことだが、こういう姿勢が人気回復につながる。

 初日恒例の協会ご挨拶は、この日が3月11日、すなわち東日本大震災から一年だったため、全幕内力士が勢ぞろいし黙祷から始まった。復帰した北の湖理事長も震災や八百長問題に触れながらのあいさつをし、力士たちも気合をみなぎらせていた。それにしてもこの光景、なかなかの壮観である。

全幕内力士が並んでのご挨拶
白星の好スタートを切った把瑠都  さて、2年ぶりの大阪場所でひときわ声援が大きかったのが関西出身の力士。今場所は妙義龍、栃乃若が筆頭に躍進。新入幕に勢、さらに豪栄道も健在だ。とくに栃乃若は初日に稀勢の里と対戦し、大関の当たりをしっかり受け止め、逆に前に出て押し出す完勝で場内にどよめきを起こした。

 最大の注目である綱取りの把瑠都は、巨漢の臥牙丸と対戦。立ち会いからがっぷり組み合い、上手を取ったところで勝負ありという感じだった。豪快な上手投げでの好スタートを切る。結びの横綱白鵬は栃煌山の一気の攻めに土俵際まで下がったが、残り腰はさすが。冷や汗の初日でも勝ちをしっかりおさめた。