トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る11年秋場所14日目

大相撲観戦ダイジェスト

うれしい勝ち名乗りを受ける勢

 昨日に引き続き、大詰めの14日目観戦を行う。注目はやはり琴奨菊で、この日勝てば目安となる3場所33勝に到達する。友人の見舞いを済ませたあとなので、土俵はすでに幕下の取り組みに入っていた。館内では東日本大震災の復興支援のため、東北地方の特産品を販売する売店が出て、多くのお客さんでにぎわっていた。

 終盤になると、十両と幕下の入れ替え戦も組まれる。関取に上がるかどうかは天と地ほどの差があり、相撲人生をかけた大勝負といえる。幕下の勢(いきおい)も十両で千代桜との7番相撲に勝ち、新十両を引き寄せた。彼の師匠の伊勢ノ海親方が今場所で定年退職となったので、最後のいい奉公になった。

 

 十両の注目力士に北勝国がいる。彼は史上初めて元関取が前相撲まで落ちてカムバックしてきた力士である。十両ではのびのびと取っている感じで二ケタ勝利を上げた。その十両でこの日優勝を決めたのが妙義龍。相撲のうまさと力強さを兼ね備えた力士で、幕内でも活躍してくれることを期待したい。

 この場所から、場内のお客さんにマークシート方式で力士の敢闘精神を評価してもらう取り組みが始まった。今場所大活躍の臥牙丸と対戦した豊真将は常に上位を占める敢闘力士。この日も熱戦を繰り広げて場内を沸かせた。一方個人的にこの日最下位にランクしたのは、またも立ち会い変化で買った阿覧だ。

豊真将の攻めと懸命に残す臥牙丸の熱戦
三十五代庄之助から懸賞金を受ける白鵬  今場所といえば稀勢の里の活躍も大いにわかせた。中盤の3連敗はあったものの、白鵬を破って存在感を発揮。昨日は好調の臥牙丸、この日は地力のある栃煌山に完勝して、大関級の実力を見せつけた。連続二ケタをマークしたことで、いよいよ九州場所は大関取りの正念場を迎えることになる。

 そして注目の琴奨菊は日馬富士戦。これは勢いの違いというか、立ち会いから左を差して突っ走る琴奨菊の一方的な相撲となった。勝利の瞬間の大歓声は「大関確定」の祝福にも聞こえた。結びは白鵬が把瑠都との熱戦を制して優勝争いに踏みとどまった。裁いた行司・三十五代木村庄之助はこの場所後に定年退職となり、私にとっても見納めとなった。