トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る11年秋場所13日目

大相撲観戦ダイジェスト

ベテラン力士峰桜の最後の土俵

 秋場所観戦へは場所も大詰めの13、14日目に両国国技館を訪れた。この場所の焦点だった綱取り、大関取りのうち、琴奨菊だけが終盤まで望みをつないできた。13日目は結びで横綱白鵬との大一番が控える。この日の観戦は、まさに結びに向かってどんどんと盛り上がる、そんな取り組みが続いた。

 いつものように序の口から観戦を開始。幕下以下は今場所最後の取り組みになるが、なかには相撲人生の幕を閉じる一番になった力士もいる。写真右の峰桜は何と元魁皇と同期生というベテラン。いつも淡々とした土俵態度だったが、この日の気合はかなりのものだった。場所後、彼が引退したことを知った。

 幕下以下は13日目に6勝同士の割りが組まれ、各段での優勝が決まってくる。序の口は先場所初土俵の若山が力を持っているところを見せて優勝。三段目は弓取り式でおなじみの祥鳳と唐津海が対戦し唐津海が優勝。幕下は旭日松が優勝して新十両を確定的とした。序二段は渡辺と佐久間山が7勝となり、千秋楽に優勝決定戦を行った(渡辺が優勝)。

 八百長問題の大量引退で先場所から十両の顔ぶれが大幅に変わってフレッシュになった。期待の一人、琴勇輝も新十両力士。ちょっと見ない間にずいぶんと体が大きくなり、それとともに持ち味の押しも強くなった。序盤連敗スタートだったが、このところ波に乗ってきて、この日は相手の押しをしのいで勝ち越しを決めた。

皇風から力水を受ける琴勇輝
琴奨菊会心の一番で座布団が舞った!  先場所十両で大活躍して一躍脚光を浴びた隆の山も、幕内ではやはり苦戦をした。それでもこの日は巨漢の魁聖の出足を止め、内掛けでひっくり返して場内大歓声。雰囲気が盛り上がるなか、後半戦でも豊真将、稀勢の里の勝利にわき、日馬富士−把瑠都の大関対決を経て、いよいよ結びの一番へ。

 琴奨菊にとって大関への最大の関門となった横綱戦。しかし、土俵上での気迫と場内の雰囲気に後押しされ、立ち会いから左上手をつかんでそのままがぶり寄りで突っ走り、最後は白鵬を土俵外に押し出す会心の勝利。私にとっても負けた白鵬を見たのは久しぶりで、場内無数の座布団が舞う興奮状態に酔ったのであった。