トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る10年 九州場所8日目

大相撲観戦ダイジェスト

新序出世披露をした7人

 九州場所も3年連続となる。わざわざ遠くまで観戦に訪れる最大の目的は、白鵬の連勝記録をこの目で見ることであり、そのために記録達成の日を選んだのだが、2日目に稀勢の里に敗れてストップ。しかし地元の大関魁皇がこの場所元気で、まさか今年も地元登場を見られるとは・・・と感慨新たに場所入りする。

 今回は初めて新序出世披露を見ることができた。前相撲を取ってきた新弟子たちにとって、兄弟子の化粧回しを借りて土俵に立てる晴れ舞台である。ただし、もう一度化粧回しをつけるには精進を重ねて十両に上がらなければならない。彼ら7人のなかから未来の関取が何人誕生するか楽しみである。

 関取といえば、今場所平成生まれで初めての十両力士が誕生した。写真右の高安と舛ノ山である。ともに母親がフィリピン出身という共通性があるが、相撲っぷりはまったく違う。偶然にもこの日両者の割りが組まれ、押し相撲の舛ノ山を組みとめた高安が勝利。その明暗を分けるかのように高安は勝ち越し、舛ノ山は残念ながら跳ね返された。

 ご当所力士たちへの九州場所の声援はすごい。魁皇は別格としても、十両の垣添(大分)、佐田の富士(長崎)、幕内の嘉風(大分)、琴奨菊(福岡)、豊真将(山口)らには横断幕やのぼり旗を掲げた応援団が訪れていた。東京本場所ではなかなか見られない光景で、地方場所を見るひとつの楽しみでもある。

平成初の関取となった高安
魁皇−豊真将の熱戦  大関魁皇が登場すると場内のボルテージは一気に上がる。この日は人気の豊真将が相手だが、やはり魁皇のホームグラウンドといった雰囲気。相撲は魁皇が攻め込まれながらもしのぎにしのぎきり、最後は小手投げで相手を土俵にたたきつけた。その瞬間の大歓声のすごさに私も興奮させられた。

 魁皇の取り組みが終わると、場内は横綱白鵬が登場してもそれほど熱気には包まれない。相手が四つの阿覧ということで、波乱もあまり期待できないからであろう。この日の白鵬は磐石な横綱相撲で相手を一蹴。幻の70連勝目となるたくさんの懸賞金を大事に受け取った。私の観戦中ではこれで21連勝となり、2年連続負け知らずで納めの観戦を終えた。