トップページに戻る過去の観戦記に戻る観戦リストに戻る10年 秋場所初日

大相撲観戦ダイジェスト

チケット提示を求めるゲートが設けられた1階席入口  秋場所は相撲協会にとって事実上の再スタートの場所となった。とくに維持員席での暴力団観戦問題に端を発した暴力団追放にはかなり力を入れており、たまり席、ます席のある1階入口はチケットを提示しないと入れないようになっていた。これにより、2階いす席の人も自由に出入りできなくなったのである。

 力士たちも大相撲が危機にあるというのを肌で感じていたのであろうか、初日の土俵としてはかなり攻防のある熱戦が相次いだ。幕下最後の取り組みの深尾−大道は水入りの相撲となり、異例ともいえる2分後取り直しになった(結果は大道の勝ち)

 今場所は十両と幕下、幕内と十両の入れ替わりは非常に激しかった。新十両力士も4人誕生。このうち、城ノ龍と宝富士は相撲で勝ち、山本山と割りが組まれた栃の若は山本山のいきなりの休場で不戦勝が初白星となった。もう一人の仲の国は宝富士に敗れた。

 恒例の協会ご挨拶は、放駒新理事長が不祥事についてお詫びをし、角界再生を誓うという異例のあいさつとなった。また、十両には謹慎明けの雅山、豪栄道、豊ノ島が出場。雅山は元大関として二人目の十両の土俵を勤め、十両の割りとは思えない豊ノ島と対戦した。

協会ご挨拶をする放駒理事長と三役以上の関取
辛勝だが勝ち名乗りを受ける魁皇  新入幕は旭南海、蒼国来の二人だが、そろって初日は黒星となった。とくに蒼国来は相手が悪かった。Jリーグの川崎フロンターレから大応援団が来ていた春日山部屋の春日王が相手で、サポーターの応援にハッスルして珍しく一気の寄り切り。旭南海は地元と思われる熱烈声援にこたえることができなかった。

 注目のカド番大関魁皇は、豊真将の粘っこい攻めをなんとかしのいで叩き込む辛勝。ただ幸先のいいスタートにはなったようである。そして今場所最大の注目・横綱白鵬は、鶴竜といつもながらの巻き換えの応酬となったが、最後は攻めの厳しい横綱に軍配。これで連勝を48と伸ばしたのであった。