為栗駅来訪記

（０５年７月　マイカーにて）

　阿南、泰阜両町村の最寄り駅である温田駅前を過ぎ、南宮大橋で天竜川を渡ってしばらく走っていく。やがて、和知野川との合流点に差し掛かってくる。ここにドライブインみたいな施設があり、この脇に道路があったので直観的に為栗駅への入り口だと判断して進入しようとした。ところが目の前に「車両通行不可」の看板が見えたため、いったん引き返して先へと進んだ。

　だが、先へ進んでもそれらしいアクセス路はなく、振り返るとつり橋も見えたので、やはり先程の進入路が駅への入り口だったようである。何も案内看板がないというのも驚きだが、それだけこの駅を利用する人が少ないということであろう。もっとも、私が飯田線に乗った時には目の前に天竜川が流れるというロケーションのよさもあってか、団体客がどどっと下車したのには驚かされた。

　さて、進入路を１キロほど進むと、やがて広場が見えてきて、その先につり橋（天竜橋）も現れた。ただ、つり橋は車両の通行ができない（さっきの看板はこれを意味していた）ため、広場に車をとめて歩く。つり橋からは目指す為栗駅が見えるので、もう間違いはない。というか、為栗駅以外には何もないのである。

　この駅もまた、まぎれもない第一級の秘境駅で、すぐ目の前が天竜川というロケーションは他の駅では見られない。ここまで来るのに人家はまったく見られず、この駅を日常利用する人はゼロに近いのではないだろうか。ただ、天竜川船下りの下船場と思われる河原があったり、和知野川キャンプ場への最寄り駅ということあって、そうしたレジャー客は少なからず利用しているようである。

※アクセスご注意　進入路は距離こそ短いが、車のよけ違いが困難な場所もあり注意が必要。