飯田線秘境駅探訪トップ鉄道乗車レポート

飯田線 秘境駅探訪(番外編)

(01年10月28日の旅)

長野県最南端駅・中井侍

  小和田からひとつ手前の中井侍へ向かう。この駅が長野県最南端駅なのである。また、秘境駅のひとつでもある。私と保線管理の社員が下車する。ここでの探訪時間はわずか8分間だけなので、とりあえずホームの周辺のみを探る。

 中井侍も崖にへばりつくような感じでホームがある。待合所のみの小さな駅である。隣に小和田駅があるせいか、訪れる人もほとんどないためか、駅ノートは存在していない。駅の真上に人家が二件ほどあるが、そのほかは集落も見当たらない。線路の真正面に茶畑がある。その向こうには天竜川が広がる。

 ホームの両側に道路が付いており、片方には石段が設けてある。いずれの道路も車一台分しか通れない狭い道で、ちょうど私がホーム探検をしているときに、家族に送ってきてもらった若い女性が駅にやってきたところで、送ってきた車はそのままバックして引き返していった。Uターンできるような場所がないからである。

 最南端の駅といっても、これだけであり、特別面白いものもなにもない。秘境駅としてそのムードは悪くはないが、なんといっても近接する小和田、田本といった駅があまりにもすごすぎるので、どうしても印象が薄くなる。ただ、私としてはちょうど二週間前に県内最北端駅の森宮野原に行っていたので、どうしてもこの中井侍だけははずすことができなかった。
(この項おわり)