酒仙もどきの面白秘話 「土佐のいごっそうマスター」 高知市
今回はちょっと思い出話をご紹介したいと思います。高知といえば酒飲みのまち、というのは少々偏見かもしれませんが、飲み干すまで台に置けないべく杯(底がとがっている杯)や箸けん(負けると一気飲みする遊び)に代表されるように、酒を飲むことを文化としているところです。全国の旅先の中ですでに何度も足を運んでいるところですが、毎回飲んだくれて楽しいひと時を過ごさせてもらってます(笑)
このまちなかに「MONK」というフードバーがあります。2004年、当時珍しかった「かつおの塩たたき」を食べさせてくれる店というので来店しましたが、マスターの返事は「今は旬でないから生のカツオがないんです」とのこと。ちょっとがっかりしましたが、生カツオがなければ塩たたきを作らないというマスターのこだわりが気に入って、メジナのたたき、のれそれ、サバの塩焼きなど作っていただき、しっかりと日本酒を飲ませてもらいました。
マスターはまさに土佐の「いごっそう」。しかし気さくな人で、その後から次々来る常連さんに「この方、信州からお見えだそうですよ」と声をかけ、店内で大盛り上がりとなってしまいました。女性客も「はちきん」だったし(笑)。
その後、インターネットの情報によると、マスターは若くして亡くなってしまったそうで、再来訪かなわず、お店も閉店したと聞いています。 |