2006年8月19日(土)
田んぼ
子供の頃は、よく近くの田んぼで遊んだものだ。
稲刈りの終わった田んぼは、キャッチボールをするグランドだった。山になった藁の上では、友達とバック転の練習をしたりもした。
冬は、田んぼに水を張って凍らせた氷の上が、僕達のスケートリンクだった。
そんな具合に子供の頃は、日常生活の身近な所に、常に田んぼがあった。
中でも田んぼの一番の魅力は、水が張ってある時期だ。中をのぞくと様々な生き物達がいて、子供達をとりこにした。
カエルやミズスマシを始め、ヤゴやゲンゴロウなど様々な水生昆虫やオケラなどの昆虫、タニシなどの貝類、ドジョウやフナなどの魚類やカニ、ホタルの幼虫もよく見かけたものだ。
それがいつの頃からか、田んぼから生き物が消えてしまった。
最近、うちの周りでは、山などを切り開いて作られた田んぼ(いわゆる整備事業)が多く、一見整然としていて美しいが、田んぼや水路を覗いても、生き物の気配がなくつまらない。いるのはせいぜいカエルくらいだ。
田んぼから生き物がいなくなってしまった原因は、農薬など様々あるだろうが、用水路が全てコンクリート張りでは、生き物の住む余地がなくなるのは当然だ。そろそろあの3面張りやU字溝などの愚かな用水路は、やめたらどうだろうか。脱ダムの次は、脱コンクリート水路。田中さんは知事になれなかったが、次の知事にそのくらいのことをやってもらいたいが。
先日テレビを見ていたら、ゲンゴロウの類が絶滅寸前とのこと。そう言えば、最近見かけなかったな。
しかし、何と言うことだろう。ゲンゴロウといえば、昔は小さな水溜りにもいた、ごくありふれた身近な昆虫だった。
小学生の頃、夏前になると生徒達みんなでプールの掃除をした。その頃は冬の間でもプールに水が張ってあって、掃除前のプールは水生昆虫の宝庫だった。
ゲンゴロウはもちろん、タガメやヤゴ、ミズカマキリなどもたくさんいた。そんな所でも、様々な昆虫と出会うことが出来たのだ。それが今や、ことごとく絶滅危惧種となってしまった。
地球上から一つの種が消えるということは、それだけ急激に環境が変化したということだ。それは全て、人間の仕業だということを忘れてはいけない。
ストローベイルハウスやタタミハウスなどの藁の家では、中の藁が傷まないかと心配する人が結構いる。
もちろん傷まない工夫やメンテナンスは必要だが、それでも傷んでしまうリスクは、石油製品などの新建材より高いかもしれない。
でもきちんと施工してメンテナンスすれば、2、3十年は持つものなのだ。条件によっては、50年以上だって充分持つはずだ。
しかも骨組みの木造は、解体して再利用が出来るほど寿命が長い。
とは言え、予期せぬ事態で中の藁が傷む場合もあるだろう。その時は、直せばいいのだ。
僕には、壁の中の藁が傷むことよりも、ゲンゴロウがこの世の中からいなくなることの方が気掛かりだ。自分の家の壁は、はがして直せば元に戻るが、一度いなくなったものは二度と取り戻せない。
ゲンゴロウやタガメなどの次に、人間が絶滅危惧種にならなければいいが。
2006年8月7日(月)
マル
再びマルの登場。
マルの隠れた才能には、時々「お前そんなこと出来るの?」と、驚かされることがある。
最近発見したのは、マルは泳ぎが上手いということだ。
車大好きのマルは、いつも軽トラの横に乗って仕事についてくる。しかし、夏場の車内の温度は、アイヌ犬のマルにとっては過酷な状況だ。
特に最近暑い日が続き、そんな時は舌を出してハアハア言っている。
あまりにかわいそうだったので仕事の帰りに、川の近くで車を止めて、マルを川原へ連れて行ってあげた。
マルは大喜びで川の中を走り回り、気持ち良さそうに水遊びをし始めた。そして何を思ったのか、突然深い所を泳ぎ始めたのだ。もちろんイヌカキ。
泳ぐのがよほど楽しかったのか、結構流れの速いところを何度も往復して遊んでいた。
マルよ、お前は本当にカヌー犬になれるぞ。

2006年8月3日(木)
7月8日以来、久しぶりに穂高養生園に行って来た。ワークショップの時、置いて来た道具や足場板などを引き上げるためだ。
コクーンハウスはワークショップで一応完成したが、残りの細かい工事をスタッフの方が引き続きやって下さっていたので、本当の完成はもう少し先になっていた。

行ってびっくり、コクーンハウス一帯は、すっかりインド仕様。あちこちにオレンジ色の旗が立ち、ヨガワーク一色といった感じ。代表の福田さんが、「昼飯でも食べて行って」と言ってくれてご馳走になったのが本場のインドカレー。これがとても美味しかった。
そして気になっていたコクーンハウスは、照明器具や建具が付いて、一段と良い雰囲気に。

特に素晴らしかったのが、屋根の植栽。ワークショップの時皆で植えた植物が、しっかり根付いていて見事に生長し、風景の一部になっていて、とても嬉しかった。あの土入れは、ほんとに大変だったんだよな。
そんなことを思い出しながら、写真を撮っていると、どこからともなくサリー(と言うのかな)を身にまとったインド人(スワミジ)が現れ、英語で話しかけてきた。
「写真を撮ってあげよう。」英語は苦手だが、そう言っているように聞こえた。
「お願いします」と言ってカメラを渡しパチリと一枚。
「今度はあなたを撮りましょう。」と言ってパチリ。
「折角だから二人で写りましょう。」と言ってパチリ。それがこの写真。

養生園のHPでスワミジのことは知っていたが、実際会ってみると、とても気さくな人だった。
スワミジいわく「さっき犬がいたが」
「あの車の中にいますよ。」
「僕はとても犬が好きなんだ。」
「一緒に見に行きましょう。」
「あの犬はなんという名前?」
「マルと言います。」
マルも始めて見るインド人にいささか興奮状態。
スワミジいわく「ベリーストロング!」
気さくな人柄ですぐ打ち解けることが出来たが、目に強い力を感じた。
日本にいながらインドに行ったような、不思議な気分でした。
2006年8月2日(水)
辰野に住む木工作家の友人の、作業スペース拡張のお手伝いをするため、諏訪から辰野に抜ける有賀峠を越えた。先日の大雨で一部土砂崩れが起きた道路だ。
復旧作業のため、まだ一箇所片側通行になっていたが、他の場所でも所々で災害の爪あとが残っていた。
昨日は、今回の災害で被害の大きかった、諏訪の湊地区の横を抜ける道路を通ったが、景色が一変していて驚いた。瓦礫は概ね片付けられているようだったが、厄介なのは泥だ。あちこちにこびりついて、作業の妨げになったに違いない。
その光景を見て思い出したのは、阪神大震災だ。
当時関西に住んでいて、被害こそ受けなかったが、被災地には知り合いも多く、決して人事ではなかった。
数週間後、ボランティアで、倒壊した家の撤去作業に行ったが、被害の大きさに言葉が出ず、黙々と作業するしかなかった。
災害に遭われた方の気持ちは、被害に遭っていない我々には、とても推し量ることが出来ない。
ただ今回も、たくさんのボランティアの方が全国から駆けつけて、瓦礫や泥の撤去作業を手伝って下さったようだ。
災害という辛い出来事から立ち直るのは容易ではないが、ボランティア活動が被災された方たちの元気に繋がれば、それは素晴らしいことだ。
被災された方たちの生活が、一日も速く「普通」に戻るよう祈ります。
2006年7月23日(日)
カツラ
春にカツラの苗木を20本植えてからというもの、街で見かけるカツラの木がやたら気になって仕方がない。
以前は全く気にならなかったが、公園や街路樹、個人宅など、多くはないが結構あちこちで目にすることが出来る。
今通っている現場は軽井沢だが、途中通る佐久市の、臼田へ抜けるバイパスの街路樹にはカツラが植わっている。
先日実家の飯田へ帰った時、飯田の駅前から続く中央通りの街路樹も一部カツラだった。
ウチの近くのギャラリーには、ちょっとしたカツラの木の林があり、そこを通る時はいつもうらやましく眺めている。感じの良いレストランやホテルなどの植栽にも、立派なカツラの木が植えられていることがあるが、そんな大木を発見した時は、車を止めてつい見とれてしまう。
カツラの木は枝の出方と、葉っぱが丸いのが特徴だ。芽吹きの頃は赤い花が咲き、木全体が赤くなるので、遠目からでも見分けることが出来る。
今の時期は、イチョウの樹と少し雰囲気が似ている。
ウチのカツラはというと、高さが1mくらい、太さもまだ1cmにも満たない。葉の大きさも普通の樹の4分の1程度で、まるで赤ちゃんみたいなものだ。これがいずれ他の立派な木と同じように、大きくなるのはいつのことだろうか。
わが子の成長同様、気になる我が家のカツラなのです。
2006年7月19日(水)
晴耕雨読
長い雨が続いている。仕事に出かけようにもあちこち通行止めで、車での移動もままならない。
と言うことで、久しぶりにHPの更新をしているのです。
こんな日はこの言葉を思い出す。「晴耕雨読」何となく好きな言葉。
前回の更新から色々なことがあって、書くネタは沢山あったのだが、そんな時は時間がないもの。
あれも書こうこれも書こうと思っているうちに、2日過ぎ3日過ぎ、、、そのうち話題が古くなってしまい、書こうか迷っているうちににどんどん時間が過ぎていってしまう。気が付けばもう7月も後半だ。
その間にあった出来事を一つだけ紹介すると、、、。先日子供が生まれました。2人目は男でした。母子共に元気です。
気にかけていて下さった方々に報告します。
2006年6月26日(月)
養生園ワークショップ 3
4月から始まった養生園のセルフビルドのワークショップ。4、5、6月と3ヶ月にわたって3日間づつ行われ、今月25日で全ての日程を終了した。
参加して下さった方々、養生園スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
長丁場となったワークショップで、1回目の参加者のほとんどが、2回目3回目と続けて参加して下さったことが、とても嬉しく励みになった。
最初のうちは、初めての人に仕事を教えているという感じだったのが、回を重ねるごとに皆さん腕を上げ、最後はいつもの仲間と一緒に仕事をしているという感覚になっていった。
私自身とても勉強になったし、とても楽しい時間を過ごすことが出来ました。皆さんありがとうございました。
このワークショップの模様は、いずれ別のページでまとめたいと思っているが、今回はとりあえず、幾つか写真を載せておこう。
2006年6月13日(火)
昨日のサッカーの話は、書くとまた愚痴になるので書かない。(そのうち書くかも。)日本代表は、今年野球(WBC)で頑張ったから、もうそれで良いのだ。
それよりも、今日はラジオの話。
一人で仕事をしている時は、よくラジオをつけている。その時(仕事中)はFMをかけていることが多い。
車での移動中もFMを聞くことが多いが、今乗っている軽トラとユニックにはFMが付いていない。仕方なくAMを聞いているのだが、信州は山が多く、電波の状況でNHKしか入らないことがよくある。そこで最近NHKのAMラジオ放送を車の中で聞くことが多くなった。
AMラジオのNHKだけに少しお硬いけど、毎日聞いていると意外と面白い番組や発見があって、実はとても勉強になっている。
今日も、午前中放送された、ゲストを迎えてのトーク番組はとても興味深く、思わず聞き入ってしまい、仕事に行く途中、本屋に寄って、その番組で紹介されていたゲストの著書を買ってしまった。
本のタイトルは「散るぞ悲しき」硫黄島総指揮官・栗林忠道(新潮社)。フリーライターの梯 久美子さんが書かれ、大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した作品だ。
内容は、サブタイトルの通り、栗林忠道中将始め第二次大戦中硫黄島で戦った人々の記録だが、残された手紙や遺族への取材を元に、ノンフィクションで淡々と書かれている。
興味のある方は読んでみて下さい。
2006年6月8日(木)
メキシコにいた時、政府が "cada familia cerebra un arbol" (それぞれの家庭で、一本の木を植えよう)というイベントを展開していて、1年間、テレビやラジオでよくCMが流れていた。
メキシコシティーは巨大な盆地で、雨も少なく空気がこもるためスモックがひどく、自動車の排気ガスなどで、空はいつも灰色に霞んでいた。そこで政府が、対策の一つとしてそういうイベントをやったのだ。
何故そんなことを突然思い出したのかと言うと、実は今植樹にはまっている。
今年に入って、自分の土地に70本以上の木を植えた。目標は今年中に100本植えることだ。
樹種は様々。近くの山や知人の山などで採って来た名前も分からない木から、森林組合で買った植林用の苗木まで、ざっと10種類以上はあるだろうか。
一昨日は、新たに買い足した桂の苗木を20本植えた。
あくまでも混ぜ植えが基本だが、出来ればたくさんの紅葉を植えたいと思っていた。3月頃植えた木は、まだ葉が出ていなかったので、木の種類がよく分からない。これは多分紅葉だろうと思って植えたものが、春に葉が出て全く違う種類だったり、突然黄色い花が咲いて「キミは紅葉じゃなかったのね」ということがよくあったが、それはそれでいいのだ。
その場所は以前、唐松の林だった。すぐ側に道が通ったことで、開発され住宅地となり、唐松は切られて更地になった。
信州の唐松林のほとんどは、人が植えた人工林だ。
以前唐松は、炭鉱の坑道を支える材料として使われ、信州ではさかんに植林されたそうだ。
唐松が植えられる前は、そこは楢や栗、桜などの広葉樹の林だったはずだ。周辺の、人が手を入れていない森の樹種を見れば、その土地の植生がある程度解る。そしてそれが、その辺りの、本来の森の姿なのだ。
と言うことで、出来るだけ近くに生えている苗木を移植した。
木を植えると、その成長がとても楽しみだ。今回植えたのは2〜3年の苗木(幼木)ばかりなのでなおさらだ。
時々水をやりに行っては、「大きくなれよ」などと、木に話しかけている。
2006年5月29日(月)
5月26日から28日まで、3日間にわたって開催された養生園のセルフビルドのワークショップが終了した。
今回の参加者は、前回参加して下さった9名に新たに1名が加わり、合計10名。少数精鋭といった感じで、予定よりも早いテンポでスケジュールが進行した。
途中雨にも見舞われたが、作業は順調に進み、結果コクーンハウス3棟の屋根工事が無事終了。中央棟の下屋の垂木を掛け、破風板を付けて、今回のワークショップは終了した。
参加して下さった皆さん、養生園スタッフの皆さん、お疲れ様でした。
今回のワークショップでは、参加者の皆さんの技術がどんどん上達していくのを、驚きとともに感じることが出来た。
次回はいよいよ土壁塗り。木工事同様、土壁塗りはとても楽しい作業だ。
家は買うものではなく作るもの。自分で出来ることが沢山あるという事を、更に次回のワークショップでも実感して頂ければ、と思う。
第2回ワークショップの詳しい内容はこちらでご覧頂けます。
2006年5月14日(日)
養生園のセルフビルドのワークショップに向けて、コクーンハウス中央棟の建方を、スタッフで行った。
何しろちょっと変わった形の建物なので、ぶっつけ本番では少々心細い。と言うことで、三棟あるうちの一つで、予行演習を行ったという訳だ。
コクーンハウスは、同じ建物が3棟並んで建つ予定で、前回のワークショップで版築の基礎は出来ている。
材料の刻みも三棟分ほぼ終わっていて、次回のワークショップでは、2棟分の土台伏せから建方、屋根工事まで行う予定だ。
そして時間があれば、下屋の墨出しと刻み、建方もやる予定。
今回も準備万端。参加を予定されている方はお楽しみに。
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