グアテマラ、バスの旅B

翌朝、ホテルで朝食を済ませ町に出た。
行ってびっくり、町は昨晩とは打って変わって活気にあふれている。
教会前の広場に、ビッシリと織物の市が立っていたのだ。
広場はサッカーのグランドくらいの広さだろうか。そこに30程の屋台が並び、売っている物はほとんどが色とりどりの織物だ。

グアテマラのインディオたちが着ている民族衣装は、色とりどりで実に美しい。白や赤、緑や黒などの織物の布に、様々な刺繍したような模様が施されている。ガラも多様で、花や鳥や果物や昆虫、抽象的なデザインのものや幾何学模様まで、流行や地域によって様々だ。
現地の人が実際に着ている衣装は、自分達で織ったものが多く、そのほとんどは母から娘へ受け継がれるのが伝統のようだ。そうしたものはデザインも個性的で、見るからに手が込んでいた。
屋台ではそうした民族衣装も売っていて、結構いい値段がついていた。織物は現地の人たちの、数少ない現金収入になっているようだ。

屋台を回るうちに、売っている織物の傾向や値段がだんだんわかってきた。
中にはその屋台にしかない物や、日本でも売れそうなデザインの物があって、織物にそれほど興味があったわけではないが、気が付けば夢中になっていた。
昨日バスに乗る前に、もう200ドル換金していたので合計400ドル分、全てここで使おうと決め、バイヤーになった気分で布を買い漁った。

売っている織物は、現地の人たちが使う実用的な物から、観光客向けのお土産的な物まで様々だったが、特に興味を持ったのはバスタオルくらいのサイズの布だ。日本でインテリアに使えばおもしろいだろうなと思ったからだ。掛け軸のような細長い物や、テーブルセンターのような小さ目の物など、大きさはまちまちだが、値段は大体10ドル〜50ドルくらい。もっと安いものもあったが、手織りで、おもしろいデザインとなるとそのくらいの値段がした。当然もっと高いものもあったが、そういう高価なものには手が出ない。
買うときはもちろん値切って買った。2つ買うから1つおまけしろとか、自分でも不思議なくらいすらすらとスペイン語が出て来た。
ハンカチサイズの布から紐のような物まで、30点くらい買っただろうか。あっという間に午後になり、屋台の撤収が始まってしまった。

飛行機の都合で、今日中にグアテマラシティーに戻っておきたい。
後ろ髪を引かれる思いでバスに乗り、来た道を引き返した。
相変わらずバスは超満員だった。

グアテマラシティーに着く頃には、既に日は暮れていた。
ホテルは、昨日換金した市場の近くで探した。
明日の飛行機は午後の便だ。空港に行く前にもう一度市場へ行って、織物を見ようと思ったからだ。何しろ本場の市で織物を見てきたのだ。グアテマラシティーでどんな布が売っているのか見てみたい。すっかりグアテマラの織物にはまってしまった。

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