偏差値基準による学校選びから多様な視点に立った学校選びへ
私が塾の仕事を始めた今から30年ほど前は、多くの人が「少しでも偏差値の高い学校へ」という基準
で志望校を決めていたように思います。ところが、長い間中学生や高校生の生徒達と接していくうちに、
そのような考え方が少しずつ変わってきました。ここ20年程の社会の変化として、
少子化により大学進学が以前より易しくなり、入試のやり方も多様化しているので、
ただ偏差値という基準だけではなくより幅広い視点に立って学校選びをする必要がありそうです。
また、高校受験においても、その先の進学までを考えて、自分に合った
高校を選ぶ生徒さんが増えています。
私たちは大手の塾や予備校のデータを参考にしながらも一人一人に合わせて本人に役立つ
情報を提供することで、その生徒さんにとって
最良の選択ができるようにお手伝いさせて頂いています。
時には「もがく」ことも必要
私たち塾に求められていることは生徒さんの成績を伸ばすことです。しかし、実際は、無理なく
楽々と成績が上がる生徒ばかりではなく、努力しているけれど成績が伸び悩み、自信をなくして
もがいている生徒もいます。塾長の私としては、成績が順調に伸びている生徒の明るい表情を
見るのは何より嬉しいものです。
その一方で、思うように結果が出せずに一生懸命もがいている生徒の姿もまた、美しく尊いもの
だと感じています。
本人が自分の選択で、もがくという体験を通して学び成長したいと望んでいるのであれば、
それは素晴らしいことだと思います。
私は生徒さんに勉強だけを教えているわけではなく、時には「より良くもがく」ことができる
様にサポートさせて頂いています。子どもの頃から身体の病気や障害による痛みに人一倍もがい
てきた私だからこそ、何かお伝えできることがあると思っています。
私は「希望を持って努力すれば夢はかなう。」といった、ありきたりのきれいごとを言うつも
りはありません。むしろ「たとえこれまでがどんな状態であっても、今ここにすべての可能性が
開かれていて、あなたはそれを選択できる。」ということを生徒の皆さんが理解して、さらに
自分でそれを体験してほしいのです。