月と太陽のシーン


                               

 沈む太陽は、大きく見えます。
 しかし実際には、大気がレンズの
 役目をするため、ヒシャゲて小さく
 なっています。
 大きく見えるのは、比較する対象物
 が近くに見えている為です。
 見上げるようなテレビ塔も遠くから
 眺めると太陽の中に飲みこまれて
 しまいます。沈み行く太陽は、大気
 の流れの中で波打って見えます。
 この太陽を撮影したのは、
 今から30年も昔の望遠鏡です。
 なおかつ、カメラのレンズを外さずに
 望遠鏡にセットするコリメート法で撮
 影しています。F値の暗い望遠鏡は、
 昔も今もシャープな像を結びます。
 
 ケンコーET120型 D80 f1200 AH40
 ミノルタSR7 58mm F1.4 開放
 1/1000 コリメート法 コニカGX100


                                    
 春の太陽は、春霞の為か
 穏やかな輝きを放ちます。
 沈み行くに従い厚い水蒸気の
 影響を受け周囲の風景を赤く
 染め、ハッキリとした輪郭を見
 せながら沈んで行きます。








 ニコンFM2 
 タムロン28〜200mm(90mm)
 絞5.6 1/125
 エクタクロームダイナEX100



                                  
 冬の横岳を縦走する事は、
 困難が伴うようです。
 諏訪側も、佐久側も切り立
 っており、屏風の上を歩くよ
 うなものです。
 しかし、天体望遠鏡を使用
 すれば目の前に引き寄せる
 事が出来ます。
 山の頂には薄雲がかかって
 いましたが、その雲が月の
 輝きを弱め、岩肌のディテー
 ルを描き出しています。

 
 ニコンFM2
 ペンタックス105SD
 D105mm F1000
 1秒
 エクタクロームダイナEX100

 
                                     
 夜明けが近づくにつれ、空は
 明るさを増し月は輝きを失います。
 朝の冷気の中、雲が沸き消えて
 行きます。
 月と雲と立木の対比が移り行く刻
 を感じさせます。









 ニコンFM2
 シグマ500mm F7
 絞 F11   1/15
 エクタクロームダイナEX100 

                                       

 満月の輝きは湖面を明るく照らし
 ます。
 水際の草は時折風にゆれ、高原
 の冷気が山を下ってきます。
 清んだ水に蒼天が映り、
 ちょっと雲が出てきました。










 キエフ60 
 ボルナ3 80mm F2.8
 絞5.6  10分
 フジクローム 60T 

                                   
 霧ケ峰の池のクルミから望む
 赤く染まる茶臼山です。
 諏訪富士と呼ばれているのは
 蓼科山ですが、見ようによっては
 茶臼山の方が富士山の様に見え
 ます。山の北側からは満月が昇っ
 て来ました。





 

 ニコンFM2
 タムロン28〜200
 絞8 1/15
 エクタクロームダイナEX100


                                     

 冬の早朝、西の空に月は傾いて
 います。この直前まで諏訪湖には
 月の影が映っていました。
 夜が明けるにつれ、月は輝を失い
 ましたが、まだ覚めやらぬ町並が
 夜と昼の狭間に姿を現しました。














 ゼンザブロニカEC-TL
 ゼンザノン200mm F3.5
 絞5.6 1/15
 エクタクロームEPR


                                  
 諏訪湖に月の影が映り、
 湖面を明るく照らしています。
 雲が流れ時々月も輝きを失いま
 すが、湖は相変わらず輝きを失
 いません。
 風が吹くたびに波紋がたち、色
 を変えます。
 














 ゼンザブロニカ S2
 ニッコール 135mm F3.5
 フジクローム64T
 絞5.6 1分


                                        


 初冬の高原に、枯れ木を見つけま
 した。日は落ちた後で辺りは、
 徐々に闇に包まれて行きました。
 不思議な事にこの枯れ木だけが、
 浮き上がって見えました。
 タイミング良く、月も東の空から上
 がり、イメージは膨らみます。














 ゼンザブロニカ EC−TL
 ニッコール40mm F4
 絞4 15秒
 フジクロームRDPU


                                 

 原村の深叢寺は、コヒガン桜の名所
 です。提灯の灯りに照らし出された
 境内は、昼とは違った表情を見せて
 くれます。
 この写真の月と桜は、2重露出で
 合成されています。本来合成する事
 は、学術写真としては歓迎されぬ方
 法です。しかし、イメージを実現させ
 る方法としては、検討しても良いの
 ではないでしょうか。
 この写真において本当の月は、左側
 の桜の幹、やや明るく見えている所
 に位置しています。
 合成する際、特に気を付けなければ
 いけない点は、月を取りこんだ位置
 における月の模様です。月は、見え
 ている場所によって表情を変えます。
 何気なく見ている月ですが、
 安易に合成すると違和感を感じます。
 三カ月を合成する場合、欠けている
 方向に注意する事は、言うまでも有
 りません。
 ゼンザブロニカEC−TL
 桜ニッコール50mmF3.5 絞5.6 90秒
 月コムラー500mmF7 絞11 1/30秒
 エクタクロームEPR

 

                                    


 新月から一日を経過した月です。
 月が丸く見えているのは、
 地球照です。
 明るく見えている部分には、
 太陽の光が直接あたっていますが、
 薄く見えている部分は太陽の光が
 地球にあたり、その照り返しが月を
 浮かび上がらせています。
 地球照は肉眼でも見られますが、
 月の模様まで見るためには、
 双眼鏡が欲しいところです。



 ペンタックス105SD
 ニコンFE 1秒
 フジカラーエース800





                                       
 深々と冷え込む秋の夜明け。
 薄明と共に、三日月が昇って
 来ました。
 明け方の空気は澄んでいる為
 暗い三日月もやけに明るく感じ
 られます。










 キエフ60
 ボルナー3 80mm F2.8
 絞8 1分
 フジクロームRDP




                                  




                                




 













        ケンコーET120型                           ケンコーET120型
        D80 f1200 AH40                         D80 f1200 AH40
        間接拡大撮影 1/8                          間接撮影 1/15
        フジカラーHR100                            フジカラーHR100
 
 惑星や月を撮影する場合、画像のシャープさを左右するのはシーイングです。どんなに高価な望遠鏡を使っても、大気の状況が良くなければ、美しい写真を撮ることが出来ません。また、望遠鏡は大きくなるほど外気と鏡筒内の温度差の影響を受けるようになります。コンパクトな望遠鏡は扱いが容易なだけでなく、状況によってはハイグレード望遠鏡の性能を凌駕します。

                              

 マルヤチ湖に昇る朝日です。
 5月の水ぬるむ頃写しました。
 外気温が下がると川霧は、
 発生します。
 射すように昇る朝日と霧に
 膨らむ太陽。
 昇る朝日と反射する太陽は、
 明るさが著しく異なります。
 バランス良く写すにはどうして
 も空の輝度を落とさなければ
 成りません。
 この写真は、ハーフNDを使用
 しています。
 

 ミノルタXE
 ロッコール24mm F2.8
 絞 22 1/8
 ハーフND
 コニカカラーGX100

            

             万  渺  不  道  光  男  生  死   

             里  然  憚  之  與  児  不  

             長  一  鼎  苟  日  大  偸     

             城  身  烹  直  争  節  生  


                         
 
 ルクソールからカイロに向う。
 離陸は早朝の為、未明から
 空港で待つ。
 エジプトも早朝は冷え込む。
 飛行機の回りを兵士が巡回する。
 映画のミッドナイトイクスプレス
 を思い出す。
 こんなところで捕まってはいけ
 ない。











 ミノルタ XE
 サン35mm〜200mm
 絞22 1/1,000
 コダカラーG400


       
 


                


    ニコンFE ニッコール1200mm F11            ニコンFE ニッコール1200mm F11       
    絞 64  O56 1/1,000                    絞 64 O56 1/1,000
    アグファXR100                         アグファXR100

                                   

 4月17日 夜桜を撮影しようかと
 杖突峠を高遠に向う。
 途中、古い社の庭に桜の古木を
 発見する。誰が点けたのか石灯
 篭に灯りが入っていた。
 人気のない山際の枝垂桜に風が
 吹く。
 風にそよぐ花は騒擾。
 月が雲間に顔を出し、風に混じっ
 て雨が舞う。
 結局高遠城址に行く事は断念し、
 帰宅する。


 マミヤプレス (かすがひ仕様)
 アルサット30mm F3.5
 絞り3.5 5分
 フジクロームアスティア100

     埋 唯
     骨 須
     之 痛
     山 飲
     到 酔
     処 自
     翠 寛

 


                                         

 空に延びる白樺の先端には、ヤドリギが
 巣食い不思議な造形を創り出していまし
 た。東の空からは月齢11の月が上がっ
 てきました。魚眼レンズには、対角魚眼と
 円周魚眼とがあります。いずれのレンズ
 も広く写りますが、やはり全周に地平線を
 写したい。結局180度より200度、
 さらに210度と求めるようになり
 ます。
 上の風騒ぐは、6×6 対角魚眼30mm
 でしたが、この写真は6×6の19mm
 円周魚眼を使用しています。
 対角魚眼ではそれと判るほど大きく月が
 写っていましたが、焦点距離の短い円周
 魚眼では、点のように上部に写っています。どちらを採るか迷うところです。
 
 コーワスーパー66
 フィッシュアイコーワ 19mm 4.5
 フジカラーG400
 絞り 5.6 1秒


                                
 5月13日惑星が33度の中に
 縦列する。
 下から、水星、土星、火星、金星
 木星の順に並んでいる。次回、こ
 のような狭い角度の中に惑星が
 並ぶのは、2060年だと言う。
 5月13日は、富士見町本郷小学
 校の下で観察する。しかし、低空
 に雲があり、水星が見えない。
 5月14日は、晴れ間を求めて霧
 ケ峰から七島八島へ向う。
 和田峠の数キロ手前、ビーナスラ
 イン上で観測。
 今日は二カ月が土星の直ぐ上、
 火星との間に昇っている。
 双眼鏡で水星の姿を確認。
 しかしいかにも暗い。二週間前に
 は0.5等級の水星も、今では3.5等
 級。夕焼けに溶けこんで写真に写
 すのは困難と思われる。
 夕焼けの中の4惑星と月を撮影。

 ニコンFE シグマ28mm F1.8
 絞2.8 30秒
 コニカセンチュリア800


                                          




 ミノルタ XD タムロン28〜200mmF3.8          ニコンFE シグマ500mm F7 テレコン2×
       絞 5.6  30sec アグファHDC100            絞 7  20sec フジG400

 寺の境内にライトアップされる紅葉は、侘びと寂びの     左の写真とほぼ同じ月齢です。
世界を感じさせます。紅葉の葉を透かして月が沈んで     冴え渡る秋の空に、三日月が輝いています。
行きます。この日は西の空に霞がかかり、朧に月が      迫る山の木々を月が浮かび上がらせます。
見えていました。景色と月のバランスをとるのはなかな     地球照もはっきり見えドラマチックに沈んで行きま
か難しく、月の形を判別するには霞が味方となりました。    した。                     

               
 春を見つけに房総へ向かう。
 予約しなかったため宿泊場所を探すのに一苦労。
 冬は民宿も休業しているところが多い。
 海辺の民宿に投泊。他に客はいない。、
 朝方今日の天気は、どうだろうと窓の外を見ると
 赤い太陽が昇っている。
 沖には漁船が浮かび、周りにはウミネコも飛び交
 かう。
 全店薄曇りと言った感じだが、太陽の昇る方向だ
 けに雲が無い。
 太陽の光も弱く漁船の照明が夜の名残を感じさせる。
 

 ニコンF401 タムロン28〜300mm
 コニカセンチュリア200
 

                
 新しく(中古)買ったレンズで月を狙う。
 ファインダーで見ると結構シャープだけれども、
 500mmにテレコンバーターで1000mmは画面
 がゆれる。ミラーアップで撮影。
 月も高いところにある時はゆっくり移動するが、
 松に懸ると急にスピードアップし、沈んで行くよう
 に感じられる。
 11月の下旬朝7時、金沢公園にて





 ゼンザブロニカETRSi ゼンザノン500mm F8
 コムラーテレモアUETRS(合成F16)
 絞り8 1/30 フジカラー100


                志賀高原の月
 秋の夕暮れどき、志賀高原の木々はもうすっかり
 冬支度を終えています。冷たい風の中、雲海の彼
 方に月が輝き始めました。雲の下にあるのは草津
 の町並み。黄昏どきのブルーな一刻です。









 ゼンザブロニカS2 ゼンザノン100mm F2.8
 絞5.6 1/15 RDP
 


                三九郎の朝
 諏訪地方では、毎年小正月の14日から15日に
 かけて、無病息災を願いドンド焼き(三九郎)が行
 われます。前年にお世話になったダルマや、お札、
 破魔矢を燃やします。
 厄年にあたる人は厄投げをし、1年の無事を祈ります。
 ドンド焼きは地区ごとに行われますので、田んぼのそこ
 かしこに、三九郎の塔が立ち並びます。
 夜明けの低い雲が流れる中、三日月が東の空から登っ
 て来ました。




 マミヤプレス セコール50mm F5.6
 絞16 15秒  RDP

                  テレビ塔に沈む月

              2008年12月1日                                  2008年12月29日
ニコンD70 ニッコール1200mm F11 絞11 2秒 ISO1600       ニコンD70 ニッコール1200mm  F11 絞11 4秒 ISO800
 左の月齢は3日月、右は2日月です。約1ヶ月(太陰暦)の間を挟んで撮影しました。月にせよ星にせよ北半球では左上から右下に沈んで行きます。この辺で待っていれば上手く月がテレビ塔に重なる。そう思って待っているのですが、ピッタリ重なった事はありません。大概思い三脚と、カメラ、望遠レンズも担いで良い位置に来るよう走るようになります。ニコンはフィルムもデジタルも同じFマウントですので昔のレンズも使う事が出来ます。それにしてももう少しピントの合わせ易いスクリーンを採用できない物でしょうか。フィルムのときには使用しなかったマグニファイアーを常時装着しています。
           
                            
 左の山は、阿弥陀岳。右の山は赤岳です。
 山の標高は阿弥陀岳2805m、赤岳2899m
 ですので、赤岳の方が100m近く高いはずです
 が、阿弥陀の方が手前にあるために、大きく写っ
 ています。
 月と山の明度が同じになる時を選んで撮ってみ
 ました。

 ニコンD70
 タムロン28mm〜300mm
 ISO200 オート


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