ここに、掲載したカメラは私が使用しているものです。もっとすばらしい効率の良い機材をそろえている人もたくさんいます。しかし、写真は機材でその良し悪しが、決まるわけでは有りません。良い機材を持っている人ほど画一的な使用方と、テーマの中でクウォリティーを求めている場合が多いように思われます。最近は、デジカメも高性能になり、天体写真の主流に成りつつあります。自由な発想で、感動を与えられるシーンを切り取ってください。
今回は、性能よりも、機材の好き嫌いで評価してみたいと思います。
105SD ミザール
ペンタックス105SD f=1000mm MS4
ミザール D150 f=1000mm MS4
ブロニカEC−TL ニッコール800mm ビクセン D80 f=910mm ガイド鏡
ニコンFE ニッコール600mm
R200SS ヒューマンコムドーム
ビクセン D200 F=800mm
ビクセン D80 F=910mm ガイド鏡
(撮影 ニコンD70 ゼニター16mm 2.8 F5.6 1/60)
ペンタックスの105SDは、螢石系の特殊低分散ガラスを使用しており、惑星の観察には威力を発揮しています。同架のニッコール800mmを遥かに凌ぐシャープさです。一般の風景に使用しても、優れた望遠レンズといった感じで、髪の毛一本 一本を分離します。しかし、F9.5は如何せん暗い。ドームの準備室に転がして久しくなります。
方やミザールの150mmは1/20λの反射鏡です。F6.6と明るく、星雲星団の観察に利用しています。値段的には、105SDとは比べ物にならないほど安く手に入れましたが、明るい光学系はやはり使いやすい。見て良し、撮って良しです。最近ビクセンのR200SSを手に入れました。これは口径が200mmで焦点距離は、
800mm F4のハイスピード鏡筒です。やや周辺の星像が崩れ気味ですが、最近使用頻度が高くなっています。 現在ではベーカーリッチ―クレチアン、バイザック、カタディオプトリック等色々な鏡筒が選択可能ですが、やはりニュートンが一番だと思っています。
(かすがひ仕様) (光映社仕様)
マミヤユニバーサルプレス 光映社 アストロカメラ
アルサット30mm 3.5
ゼニター 16mm 2.8
左のカメラは、マミヤプレスに6×6の魚眼レンズを装着し、6×7の対角画像を得るものです。若干四隅にケラレが出ますが、後処理で180度いっぱいのプリントを行いますので、このほうが効率的だと思っています。アルサット30mmはハッセルブラッド用ディスタゴン30mmのコピーですので、不満のない写りをします。
右のカメラは、35mmの対角魚眼を利用して6×6のフィルムに円周魚眼の画像を写します。ゼニター16mmも周辺迄星像の崩れも少なく、すぐれたレンズだと思います。円周魚眼として使用した際、画面の淵に明るいハロが現れましたので、レンズのコバを黒く塗りました。アルサット、ゼニター共にフードによる画像のケラレを防ぐため、フードは削り落してあります。
フィルムバックは両方とも、220のブロニーフィルムを使用します。220のブロニーフィルムには、裏紙がないので吸引が楽なのです。
(右下の画像)吸引は、長時間露出におけるフィルムの浮動を押さえます。
ヒノサワさんちのアストロカメラ ヒノサワさんちのアストロカメラ
シグマ 16mm f2.8 USSR ペレン17mm 2.8
オリンパスOM‐10 オリンパスOM30
シグマ16mm 2.8 ズイコー200mm 4.0
ヒノサワさんちのアストロカメラは、日野沢成一さんが、35mmのレンズを使用して120のブロニーフィルムに直径45mmの円形写野を得ようと作成したカメラです。もともと趣味で作成したカメラですが、天文雑誌の天文ガイドが部品頒布を始めました。値段は25000円、必要最低限の機能で驚きの低価格を実現しています。それだけに好みに合わせてファインダーを装着したり、水準器を付けたりと自分だけのアストロカメラを作る楽しみがありました。裏蓋には吸引加工を施してありますので、中心もシャープです。
右のカメラはオリンパスのOM10です。もともとは自動露出のカメラですが、アダプターを装着する事でマニュアルも可能となります。OM-1の方が天体撮影には適しているのですが、プリズムの腐食した物が多く値段も手ごろなOM10を使用しています。
アストロカメラもOM10もレンズはシグマの16mmf2.8を装着しています。シグマの16mmはフードを外す事が出来ますので、重宝して使用しています。やや周辺の星像があまい気もしますが、フィルムの平面性が高いゆえに余計目立つのかもしれません。オリンパスはフランジバックが長いので、カメラの自作にも便利です。今後ボデーとレンズの間に大判用のレンズシャッターを組み込んでみたいと考えています。ヒノサワさんちのアストロカメラは、当初天文ガイドがキットを販売していました。プラモデル感覚で購入者が組み上げるわけですが、工作精度が低い等の苦情が多く寄せられたようです。この金額でシャープな画像を得られれば文句は言えない気もしますが、精度を追求する天文ファンには受け入れ難かったのかもしれません。また120のブロニーフィルムには裏紙が付いていますので、この裏紙を外さなければ、吸引加工も意味をなしません。現在は天文グッズを扱うスカイバードが完成品を30000円で販売しているようです。カメラの原点を理解しながら、究極の画質を追求するむきには良いカメラです。デジタルと違い、スライドに写しこまれた画像をルーペで見ることは、あたかも本当の星空を見ているような臨場感があります。またデジタルカメラの長時間露出には限界もあります。腰を落ち着けて撮るフィルムの星景写真はまだまだ色褪せません。
ニコンnewFM2 タムロン300mm f2.8 ニコンF401X コシナ19mm〜35mm
ニコンnewFM2は本当に長く使用していて、何時も持ち歩いていて、そして何時もリバーサルが入っているためにあまり星の撮影には利用していません。機械式なのだからFM2を使いそうなものなのに、何故か風景写真に良く使用します。結構露出計がスポット的で、微妙なディテールを出すのに便利な為かもしれません。タムロンの300mmはとてもシャープで抜けの良いレンズです。400mmF4も所有していますが、画角があまり変わらないのに1絞り暗いため、300mmF2.8を良く使用します。開放で使用することの多いこのレンズは、やっぱりMFでピントを合わせたい。マウントを変えれば他のレンズで使用できることも便利です。
前から書きたいと思っていたのは、ニコンF401です。このカメラのシャッタースピードにはTがあります。つまり一度押すとシャッターが開いたままになり、もう一度押すとシャッターが閉じる。星や夜景を撮る時にも全く不自由しません。F801を持って出かけ、レリーズを持参しなかったためにBが使えず悔しい思いをしたことが何度もあります。AFのケーブルレリーズは専用品が多く、汎用のMF用はほとんど使えません。その点F401はケーブルレリーズが無くても大丈夫。デジタル表示が苦手で、なおかつその表示を時として疑う、私のようなアナログ人間でも違和感ありません。F401は、絞りもシャッターもダイヤルで操作します。F401の中古は大変安く手に入れることが出来ます。しかしこのカメラの実力は高い。何時の日か再評価されるものと信じて疑いません。
ライカ V (1933) フェド(スターリン)
カラースコパー35mm F2.8 50mm F3.5
ライカのすごい所は、メカの先進性と耐久性です。ライカVは、第2次世界大戦前の製造です。しかしその精密感は、現代のカメラをはるかに凌いでいます。当時ライカ一台に、家一件の価格を支払っても惜しいとは思わなかった気持ちもわかります。
対するフェドは、ライカUのデッドコピーです。フェドの製造年は、ライカVより遥かに新しい物です。しかし、このカメラに精密感は・・・・・・?フェドにもゾルキーにもライカのコピーがあり、その種類はライカの記念モデルから、Luftwaffenなど軍用カメラまで多種多様です。見ようによっては、オリジナルのフェドやゾルキーを見つける方が稀なくらいです。右上は、フェドのスターリン記念モデルで、限定NO,が刻まれています。他には、ユーリーガガーリンの限定モデル等ありますが、売れれば雨後の竹の子の様なロシア製カメラですので、真贋の程は分かりません。
ライカM6(ウェッツェラー)
ゾルキー 1d
ヘクトール 135mm F4 インダスター5cm F3.5
ライカのレンズは、35mmのズミクロンと135mmのヘクトール、エルマー以外には持っていません。ライカのレンズは値段が高い事から、おいそれと揃えられない事も原因ですが、ほぼ一貫した描写特性が好みに合わないことも要因となっています。ライカのレンズについて知人からの借り物も含め評価するならば、柔らかくつややかな描写に終始するように思えます。決してシャープだとは思いません。よって風景には、余り使いたくありません。枝を1本1本分離するような描写には適さないからです。反面人物撮影では、威力を発揮します。この傾向は、ロッコール(設計はライツ)も同様です。90mmはかなりシャープだと思いますが、40mmの遠景描写は納得できません。一度メーカーのサービスにピントも含め修理に出した事があります。結果は、全くの異常なしでした。ライカのレンズについては色々な評価がされています。独特な描写に惚れこんだコメントが多いように思います。其の事を否定するつもりは、有りません。美しい描写から結婚式に持参するのは何時でもライカです。しかし、星空カメラと言う観点から評価するならば、ライカのボデーにベストマッチングなのはコシナのレンズです。
外観ライカDUそっくりサンのカメラは、ゾルキーです。ライツの製造番号はもとより、レンズもエルマーと刻印されています。しかし、このカメラは明らかにロシア製です。持ってみればその質感の違いからすぐに分かります。ロシア製のボデーは、怪しい物が多いのも事実ですが、レンズに関してはすばらしい描写の物が多いと思います。このカメラについているレンズ(多分インダスター)についても、本家のエルマーと区別がつかないのではないでしょうか。値段が安い事が評価を更に引き上げます。
ライカM6 ミノルタCLE
ニッコール 7.5mm 5.6 アベノン 28mm 3.5
ライツミノルタ CL
ライカR3
Mロッコール40mm タムロン35〜135mm
ミノルタSR-7 ミノルタX-1
ロッコールPF58mm F1.4 MCロッコール24mm F2.8
ミノルタSR-7は初めて使用した一眼レフでした。内蔵の外光式露出計を備えておりHi Loの切り替えでかなり暗いところでも測光することができました。ただし、TTLではありませんので、望遠レンズを使用しても測光する範囲は変わらず、露出の補正には感ピューターが必要となります。一眼レフですので、天体望遠鏡に接続すれば拡大された画像をそのまま見ることができます。ちょっとミラーショックが大きいのが難点ですが、筒先の紙を開閉させることでシャッターブレを軽減しました。ミラーアップ装置も備えていましたが、フィルムを1枚無駄にしますので、あまり使用しませんでした。最近、バルブ使用時にシャッターボタンから手を離してもシャッターが閉じなくなりました。シャッターダイヤルを回すことでシャッターは閉じますが本来の使用方法とは異なります。相性の良いカメラですが、最近では使用を控えています。
ミノルタSR-1 ミノルタSRT101
Wコムラー28mm 3.5
コムラノン24mm 2.5
ミノルタSR101 ミノルタSRTスーパー
コムラノン28mm 2.5 MCロッコール21mm 2.8
ミノルタXG-E ミノルタX-700
MDロッコール 16mm 2.8 シグマ 16mm 2.8
ミノルタXE ミノルタXD
ロッコール50mm F1.4
タムロン24mm F2.5
ミノルタのカメラです。現在私の35mmのメイン機種はニコンになりましたが、その前はミノルタを使用していました。使い心地がとても気に入っていました。思ったようにカメラが動いてくれる。カメラの方から操作を要求してくるようなところがなく、ストレスを感じさせないカメラたちでした。ライツミノルタはライカCLそのものと言え、ミノルタのカメラと言えないかも知れません。しかし、その後のミノルタCLEの開発には多少ともその技術が生かされています。Mロッコールは、ズミクロン40mmF2ですが、この描写性については、前述のとおりです。
ライツミノルタCLがライカ主体である反面、ライカR3はミノルタの技術を導入し製造されました。基本性能はミノルタXEと同様です。
私は、ミノルタXEをミノルタの最高傑作と位置付けています。人間工学に配慮し、巻上げの感触、シャッターフィーリング等申し分有りません。この傾向は、絞り、速度両優先のXDにひきつがれています。XDも大変良いカメラです。しかし、最大の欠点は露出表示のLEDにあります。高感度フィルムをいれてバルブでシャッターを切りますと、LEDが点灯したままとなりフィルムにかぶりを生じさせます。
このような現象は、バルブの際LEDが点灯するカメラのほぼ全てに現れます。ニコンのようにバルブを使用した際、露出表示が消灯するタイプは問題ありません。バルブ中露出表示が点灯するカメラは思いの他多い物です。
旅のついでに星を撮影する事も少なくありません。普段の使用からしますとAEは便利です。そのような中でメーター指針を持ちX−1を合理化したXEは、作りの完成度から行ってミノルタで最も好きなカメラです。