ファイナルファンタジーIF(仮)EX
「FFIF学園編!」
main character:バッツ=クラウザー
situation:学園モノ

 

 

ろう:学園モノです。

バッツ:は?

ろう:FFの二次創作と言えば学園モノです。

バッツ:いきなり何言ってんだ、お前。

ろう:FFの二次創作と言えば学園モノです。

バッツ:繰り返さんでも。

ろう:いや、なんか一時期FFの学園モノが流行ってた時期があったんですよ。私の周りだけかもしれませんが。

バッツ:昔の話だろ?

ろう:FFの二次創作と言えば学園モノです。

バッツ:三度も。

ろう:というわけで、FFIF学園モノの始まり始まり〜。

バッツ:・・・まあ、好きにしてくれ。

 

 

******

 

 

 バッツ=クラウザーはFFIF学園高等部の三年生である。

「またえらくテキトーな学園名だな」

 そのバッツは今、全速力で走っていた。

「は!? なんで俺、いきなり走ってるんだ?」

 彼が走っている朝の通学路には、他の生徒の姿は見えない。
 そして、遠くの方からは始業開始の予鈴が鳴り響いてきていた。

「って、遅刻って事かよッ!?」
「なに、ぐだぐだ、言ってるのよ、バカ兄貴!」
「へ?」

 走りながら隣を見ると、息を切らせながら走るリディアの姿があった。
 彼女は非難するように口を尖らせる。

「アンタが、寝坊するから―――」
「いやそれはおかしいぜ。だって俺、どこぞのバロン王とは違って寝起きは良いし」

 そですね、どっちかっていうとリディアさんが寝坊したって方が自然ですかねー。

「いきなり地の文が使い魔になった!?」

 あ、今回、ワタクシ、ナレーション役なので。
 あと書きながら色々設定作っていくつもりなので、これからどういう展開にするかもあんまし決めてません。

「まあ、いつものことだけどな」

 そんなわけで―――リディアさん、さっきの台詞やり直しで。

「・・・ぜぇ・・・ぜぇ・・・」
「お。青色吐息―――しょうがねえなあ」

 そう言うと、バッツはへろへろになって走るリディアを抱き上げる。
 いきなり抱き上げられて、リディアは真っ赤になって慌てた。

「ちょっ、何してるのよ!」
「このままじゃ間に合わないしな―――しっかり捕まっていろよ!」
「は、恥ずかしいから降ろしなさいよっ!」
「我慢しろって。そもそもお前が寝坊しなければこんな事には―――」
「アンタが私を起こさなかったのが悪いのよ!」

 うわ、すげえ責任転嫁ですな。
 バッツは「はいはい、そーだな」と苦笑すると、一気に速度を上げる。
 ・・・というかバッツさん、あなたあまり力無いって設定なんですが、リディアさん抱き上げたまま走り続けられるモノなんですか?

「リディアは軽いから大丈夫―――と、校門が見えたぜ」

 バッツの言うとおり、行く手にFFIF学園の正門が見えた。
 だが、その門は今まさに閉じられようとしていた。

「オラァ! 遅刻者は一ヶ月間便所掃除だぜぇ!」

 とか騒ぎながら門を閉めているのは、風紀委員のサイファーだった。
 彼はバッツの姿を見ると、にやりと笑う。

「女抱いて優雅にご登校ってかぁ? だがもう遅ぇんだよ! てめえらは遅刻確定だ!」

 がしゃん、と門がバッツ達の目の前で締められる。
 しかしバッツは速度をゆるめない。それどころかさらに加速する!

「リディア!」
「へ? きゃああっ!?」

 走る勢いで、抱いていたリディアの身体を思いっきり放り投げる。
 門の上スレスレをかすめ、リディアが向こう側におちる。

「うおっ!?」

 突然投げ込まれたリディアの身体を、サイファーは思わず抱き止めた。

「いきなりなんてことしやが―――あ?」

 リディアを抱いたまま、バッツに文句言おうとして気がつく。
 門の外側にバッツの姿はすでになく―――

「ナーイスキャッチ♪」

 などという声は真上から。
 見上げた瞬間、顔をバッツの両足が踏みつける。バッツがサイファーの顔面に着地したのだ。

「へぶっ!?」

 一瞬だけサイファーは堪えたが、すぐに耐えきれずにリディアを抱えたまま仰向けに倒れた。
 地面に降り立ったバッツは、サイファーと一緒に倒れ込んだリディアに手を貸して立ち上がらせる。

「いっ、いきなりなにすんのよッ。バカァ!」

 リディアさん、ちょっと涙目。
 しかしバッツは不思議そうに首を傾げ、

「や、門を閉められたからとりあえず、お前は放り込んで、後から俺も飛び越えただけだぜ」
「そういうことを言ってるんじゃない!」
「じゃあ、どういうことだよ―――って、さっさと教室に入らないと。ほら行くぜ」

 バッツはそう言ってさっさと学園の中へと入る。

「うう、いつか覚えてなさいよー・・・」

 目の端の涙を拭い去って、リディアも学園の中へと入る。

 ちなみにサイファーは放置である。いと哀れ。

「いつか覚えてろあいつら・・・」

 リディアと同じようなことを呟いて―――そのままがくりと気絶する。合掌。

 

 

******

 

 

 三年二組。
 そこがバッツのクラスだった。

「おーっす、おはよー」

 威勢良く挨拶しながら教室の中へはいる。
 教壇の方を見るが、どうやらまだ教師は来ていないらしい。どうやら間に合った、と、自分の席に着く。

「おはよっ、バッツ先輩」

 と、挨拶してきたのは隣りのティナだった。

「あいよ、おはよーさん」

 挨拶を返すと、今度は前に座る金髪の美女が振りかえ―――

「ちょっと、使い魔?」

 な、なんですかティナさん!?
 怖い声だして(怯)。

「私、美女なんて言われてないんだけど?」

 え? 別にティナさんは美人ってわけでも―――

「ライオットソードッ!」

 ぐあああああああっ!?
 てゆーか、ナレーションに攻撃しないでくださいよッ!?

「やり直しなさい」

 へ?

「私の描写をやり直しなさいって言ってるの。だいたい “隣のティナ” ってなによ! もうちょっと言い様が―――」
「その辺にしておきなさいよ」

 振り返り、呆れたようにティナを窘めたのは、金髪の美女―――セリスだった。

「あああああ! また美女って!」
「・・・別に私は美女とかどうでもいいんだけど」
「余裕あるなあ」

 バッツが言うと、「そうかしら?」とセリスは首を傾げてからバッツに言う。

「余裕、と言えば珍しいわね、バッツ先輩が遅刻ギリギリなんて。いつもは余裕もって登校してくるのに」
「ああ、リディアのヤツが起きなくってなー。・・・ちょっと待て」
「なに?」
「さっきから気になっていたんだが、その “先輩” ってのはなんだ? 俺達クラスメイトだろ?」
「クラスメイトでも先輩のことは先輩って言ったほうが良いでしょ?」
「だからなんで先輩なんだ―――って、まさか」

 おや気づかれましたか。
 バッツさんのお気づきの通り、普通は学園モノと言えば年齢を合わせたりしますが、今回は実年齢でお願いします。

「だああっ!? じゃあ俺、高校三年生なのに二十歳って事は・・・」

 二回留年してますな。

「やっぱりーっ!?」

 「へっ、燃えたろ?」とか言ってみてください。

「うるせえよッ。チクショウ、道理でセシル達の姿を見ないと思ったら―――」

 ちなみにセシルさんは、FFIF学園の大学部でキャンパスライフを謳歌してますよー。

「この学園、大学まであるのかよ」

 幼年部から大学部まで幅広く。

「それなら普通に大学生の話にすりゃよかったじゃんか」

 いや、ワタクシの最高学歴は高校なので。
 大学ってどういうところか、ラ○ひな程度の知識しかないわけで。

 まあ良いじゃないですか。リディアさんに比べれば、二回留年するくらいマシな話ですし。

「・・・そーいやリディアは? 一緒に登校してきたけど、大学部の方にいったのか?」

 では一度、リディアさんの方へ視点を変えてみましょうか。

 

 

******

 

 

 一年三組。そこがリディアのクラスだった。
 そのクラスの真ん中の席で、彼女は恥辱に震えていた。

「こ、こんな・・・こんな―――」
「どうしたんですか? リディアさん?」

 震えるリディアを、隣の席に座った娘が心配そうに声を掛けてくる。
 と、その時、教室の戸がガラリと開いて、担任が入ってきた。それに気づいた、リディアの隣の席の娘―――彼女が学級委員だった―――は号令をかける。

「きりーつ、礼、着席」

 毎日の習慣である朝の挨拶をクラス全員で終え、生徒達は着席する。
 ただ一人、リディアだけは身を震わせたまま、動こうともしなかったが。

「あれ、どうしたんスか? リディアさん」
「ロイド先生。どうやらリディアさんは体調が悪いようですわ」
「そうっスか。じゃあ、出席を取るんで、そしたら保健室に行きましょうか」

 そう言って、ロイド先生は出席簿に書かれた生徒達の名前を読み上げる。
 次々と名前が呼ばれていき、それに対して生徒達が元気よく返事をしていく。

「パロムくん」
「へーい」
「ポロムさん」
「はい」
「ルカさん」
「はーい」
「リディアさん」
「なんでこんなことになってるのよおおおおおおおおおおッ」

 絶叫。突然大きな声を上げられて、リディアの隣りに座っていた学級委員―――ポロムがびくりと身を震わせる。

「お、驚きました、驚きましたわ! とつぜん声を上げないでください」
「どーゆーことよ!? どうして私が小学校一年生なのよ!? もう二十歳過ぎてるっちゅーねん」
「リディアさん落ち着いてくださいッス。口調がおかしくなってますよ」
「落ち着けるかあああああっ!」

 ええと、説明しますと。
 実はリディアさん、つい先日まで一年ほど神隠しにあってたんですよ。

「神隠しぃ・・・?」

 六歳の時に神隠しにあって、戻ってきたら何故か二十歳になっていたと。
 そんなわけで、リディアさんは戸籍上は七歳ってことで。

「こ、戸籍上って―――いや、それにしても七歳だったら二年生でしょ!?」

 いや、一年間神隠しにあっていたので、進級できてないんですよ。
 凄いですねー。小学生で留年って、滅多にないですよ!

「それって、バカ兄貴以下じゃないのおおおおおおっ」

 

 

******

 

 

 てな感じで。

「うわー・・・」

 ところでバッツさん、たった今、困ったことに気がついたんですが。

「なんだよ?」

 FFIFのキャラで、オリジナルも含めて高校生三年生に該当する年齢のキャラクターがセリスさんとティナさんくらいしか居ません。

「この話、最初っから無理があったんじゃねえか? あ―――そう言えば、ローザが居るじゃん。あいつも確かティナと同じ18歳だよな?」

 ああ、ローザさんですか。彼女なら―――

 ―――と、ろう・ふぁみりあが言いかけたその時、教室の前のドアが開く。
 そして、銀髪の青年が姿を現した。

「って、セシル!?」
「やあバッツ。高校五年生はまかりとおっているかい?」
「意味が解らん」
「とりあえず髪を伸ばして、風紀委員にハサミもって追いかけられてみようか」
「ワケがわからん―――てゆーか、お前は大学生じゃなかったのか?」
「大学生だよ。今日は君達の担任を連れてきてあげたのさ」

 そう言ってセシルは一旦廊下に引っ込む。
 そして教室にセリスにも負けず劣らずの美女の背中を押して現れた。

「また美女って言ったあああああっ!」

 はいはい、ティナさんも可愛いですよー。美人ですよー。これで満足ですか?

「アルテマ」

 にょえええええええええっ!?

「あん、もうセシルったら。そんな乱暴に押さなくてもいいじゃない」
「乱暴にもなるよ。毎朝毎朝、僕のところに押しかけて。自分の仕事は責任持ってやらないと」
「だってー、私が行かないと、セシルはずーっと眠ってるじゃない」
「・・・いや、毎朝起こしてくれることには感謝してるけど。とにかく、今日も一日頑張ってね、ローザ先生」

 セシルは教壇の上までローザ先生を押しやると、さっさと教室を後にする。
 ローザ先生は心底名残惜しそうにセシルの出て行ったドアを見つめ続けた。

「もう、セシルのいけず」
「って、お前が先生かよ!?」
「あら、バッツ。担任に向かって ”お前” とか言っちゃいけないわ」
「いや、でも、どーして先生なんてやってるんだ。お前、18歳だろ!」
「ふふっ、甘いわよバッツ! 言っておくけれど、私は18歳じゃなくて19歳♪」
「な、なんだってーーーーー」

 拍手のコメントで指摘して下さった多数の方、ありがとうございました。

「つーか、18も19も変わんねえだろ。どっちにしろまだ大学生で」
「小学生が教師できるなら、大学生が教師やったって無問題♪」

 ちなみにローザ先生は、海外に行って飛び級を重ねて13歳で大学を卒業して教師になったという設定です。

「なんでまた!?」
「ほら、私ってセシルとは二学年も離れているじゃない」

 この話ではセシルさんが早生まれという設定でお願いします。
 そのため、セシルさんとカインさんの二人は同学年。それから(本来なら)二学年下にローザさんという設定。
 ちなみにこれはこの学園編だけの設定なので、FFIF本編でセシルさんが早生まれかどうかは考えていません。

「だから、どうしたらクラスメイトになれるか考えて、二年間飛び級すればイケルって思ったんだけど、気がついたら勢い余って大学卒業しちゃって。それならいっそのこと、教師になってセシルの担任になればいいやって思ったの」
「いいやって・・・ンな適当な」
「だけどセシルったら酷いのよ? 成績優秀な優等生で、1回も補習とかしなかったのよ! 折角、誰もいない放課後でドキドキの個人授業とか目論んでいたのにー」

 目論んでいたんですか。

「目論んでいたのよ。それで結局、色々な手を使って三年間セシルの担任になれたのに、殆ど何もないままセシルは卒業しちゃって・・・これじゃあ私、教師になり損じゃない?」
「じゃあ辞めれば?」
「・・・へえ、そういうこと言うんだ」

 ローザは少し不機嫌そうにバッツをみる。

「な、なんだよ。俺、悪いこと言ったか?」
「どうして私がセシルが卒業したのに教師を続けているかというとね? どっかの誰かさんが二回も留年してるからよ!」
「・・・お、俺のことか?」
「バッツ以外に誰が居るのよ! 貴方が卒業するまで、教師を辞めるわけにはいかないじゃない!」

 ローザ先生、意外に責任感がある人のようで。

「そんなわけでバッツ! 今日もビシビシ行くからね! 覚悟しなさいッ!」
「ひいいいいいっ!?」

 三年二組の教室内に、バッツの悲鳴が響き渡った。

 

 

******

 

 

「うう、疲れた―――」

 昼休み、バッツは食堂の机の上に突っ伏していた。
 隣にはセリスとティナも座っている。

 ちなみに今日の昼飯は、バッツは自前の弁当で、ティナはきつねうどん、セリスがたまごサンドと牛乳だった。

「今日も良く当てられたわねー」
「くそう、教師共、俺に何の恨みがあるんだ・・・」

 ローザ先生が担当する数学は元より、同じ高校生教師であるキスティス先生の歴史の授業、それからテラ先生の化学に、ゴルベーザ先生の古文でも集中して当てられまくった。
 どうやら今年こそバッツ=クラウザーを卒業させる、ということで教師達の意志は一つになっているらしい。

「この分だと、午後のシド先生の物理や、ケフカ先生の英語でも集中砲火を浴びそうね」

 他人事のように笑いながらティナが言う。

 って、なんか先生らしくない先生の名前が挙がったよーな。

「そう? 飛空艇技師のシドが物理の先生って言うのはアリでしょ?」

 ケフカ先生は?

「顔や格好や言動が少し頭のイカれたヨーロッパやアメリカの人っぽい」
「・・・ティナ。今、あなた欧米の人達に全力で喧嘩を売ったわよ」

 呆れたようにセリスが、パックの牛乳を飲みながら言う。
 と、そこへ・・・。

「よう、ここ良いか?」

 そう言いながら、一人の青年がカレーライスが乗ったトレイをもって、空いていたセリスの隣りの席に腰を下ろす。
 誰の返答も待たずに席に着いた青年に、セリスは怪訝そうに眉根を寄せた。

「誰?」
「ちょ!? セリス、酷くねえ?」

 青年―――FFIF学園高等部の用務員であるロックは、セリスの言葉にショックを受ける。

「ロックは用務員なのか。教師じゃなくて」
「体育教師とかやれば良かったのに。ジャージとか似合いそう」

 バッツとティナの言葉に、ロックはちっちっと指を振る。

「俺が教師になったら、セリスと思うさまラブラブできないじゃねえか―――まあ、教師と生徒のイケナイ関係って言うのもアリかなって思うけどな」
「というか教師だろうが用務員だろうが、私とお前が関係持つなんてありえないから安心しろ」
「そんなこと言うなよセリスー。あ、そだ。今度の休みの日、遊びに行かないか? デートしようぜ、デート」
「行かない」
「そんなこと言わずにさー」
「行かないと言ったら行かない。ティナでも誘ったらどうだ?」
「私?」

 いきなり話を振られてティナは自分を指さし、それからちょっと考えて。

「うーん・・・リディアも誘って良いなら」
「あ、オーケーオーケー、じゃあ三人で―――」
「バッツも来るよね?」
「当然。リディアが行くなら行くに決まってるだろ」
「ちょっと待てぃ! なんでバッツまで―――」
「なら私も行こうかしら」

 ロックの言葉を遮ってセリスがいう。するとロックは嬉しそうな顔をして、

「え、マジ? それなら・・・」
「あとローザも誘おっか。そしたらセシルも来るだろうし、ついでにカインもついてくるんじゃないかな」
「だったらファリスも誘おうぜ。大学生だからどうせヒマだろ(偏見)」
「ちょ、ちょっと待てよ。どんだけ人を集める気だ!?」

 ロックが戸惑う。
 と、セリスは極上の微笑みをロックへ向けて、さらりと言った。

「ちなみに、全部貴方の奢りだから」
「ちょっと待てえええっ! なんで俺が・・・」
「誘ったのはロックじゃない。奢るのは当然でしょ?」
「いや、俺が誘ったのはセリスだけで」
「ねー、ティナ。甲斐性のある男の人ってステキよね?」
「うんうん、ロックの格好良いところ、見たいなぁ」

 にこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこにこ。

 セリスとティナの期待するような笑顔がロックを追いつめるッ!

「いや、その、流石にその大所帯だと、俺の給料じゃ足りないし・・・」
「アコムッ、アコムッ!」
「だああっ、バッツ! 妙な声援送るんじゃねえッ」
「じゃあ、いらっしゃいマシーン」
「古ぃよそのCM!」
「地球寄ってけー!」
「そんなに俺に借金させたいのかよッ!?」

 ロックが喚く。
 仕方ないわねー、とセリスは嘆息して。

「じゃあ、遊びに行くのは私とティナとリディアとバッツ、それからついでにロックの五人で。それくらいなら奢れるでしょ?」
「う・・・まあ、それくらいならなんとか―――って、スポンサーなのについで扱いかよ俺・・・」

 

 

******

 

 

「え、じゃあ次の日曜にティナとデート!?」
「いや、私とじゃなくて、みんなで遊びに行こうって話。行く?」
「とおーぜんっ!」

 放課後。
 バッツ達の授業が終わるのを待っていたリディアと合流して下校する。
 ちなみに全員、部活動には入っていない。

「私とティナはバイトがあるしね」
「いいなー、アルバイト。私もティナと一緒のところで働きたーい」

 リディアがティナの腕に抱きついて、羨ましそうに言う。

 ちなみにリディアさん、戸籍上は小学生なので、バイトも出来ません。

「・・・私もローザ見たく、海外へ言って飛び級しようかなあ・・・でもそうするとティナと離ればなれになるし」

 などとか言っている間に、分かれ道につく。
 ティナ達のバイト先と、バッツとリディアの住むアパートは別方向なので、ここで別れなければならない。

「じゃあ、また明日」
「リディア、明日は寝坊しちゃダメだよ?」
「わ、わかってるわよ」

 そんなことを言って別れる。
 セリスが「よしっ」と軽く拳を握って、

「じゃあ、今日も働きましょうか」
「そうよね。しっかり稼がないと―――セリス、あんなこと言って、結局ロックに奢らせるつもりはないんでしょ?」
「まあね。奢らせたら、調子に乗るに決まってるし―――なによその顔」
「んーん、別にー。ただ素直じゃないなあって」
「・・・変な邪推は止めてくれる?」
「はいはい―――あ、少し急がないとバイトに遅れちゃうよー」
「あっ、こら逃げるなっ」

 ぱたぱたと走っていく二人を見送って、バッツが隣のリディアに呼びかける。

「んじゃ俺達も行こうぜー。あ、ちなみに俺達は一緒の部屋で暮らしてるって事で」
「はあ!? なんでいきなりそうなるのよ!」
「俺の両親が世界一周旅行に行ってるんだよ。その間、リディアの家に預かって貰ってるのさ」

 解りました。じゃあ、そういう設定で。

「勝手に決めるなーっ!」
「はっはっは。あ、そだ、今日の晩飯は何がいい?」

 バッツさんが夕飯を作ってるんですか?

「居候だからな。それくらいはやらないと―――ちなみに、リディアの母親よりも料理は上手いぞ」
「うー・・・ん、今日はちょっと寒いからシチューなんかいいかな。或いはお鍋なんかもいいかも」
「鍋かシチューね。・・・じゃあ、帰って冷蔵庫と相談してみるか―――リディアも手伝ってくれるだろ?」
「お皿並べるくらいはね」

 そんな事を言いながら、リディアはほんの少しバッツに寄り添って歩く。
 「お」とバッツが嬉しそうな声を上げると、リディアは不機嫌そうに口を尖らせて。

「か、勘違いしないでよね。ちょっと寒いからくっついてるだけよ」
「寒いなら、ぎゅーって抱きしめてやろうか?」
「・・・そんなことしたらけっ飛ばすわよ」

 二人寄り添ってアパートへと向かう。
 夕日に照らされて、2人分の一つの大きな影が東に向かって延びていた―――

 

 ちゃんちゃん♪


 

ろう:うーん・・・イマイチ。

リディア:だったら書くなあああ! なにこれイジメ!? 私に対するイジメなの!?

ろう:いやFFIF本編でのリディアさんの設定だとこうなるかなあって。

リディア:二十歳の小学一年生って、どんな恥さらしよ!? しかも留年してるし!

ろう:ははは。某宇宙家族に出てくる誰かさんみたいですね。

リディア:笑い事かああああっ!

ろう:しかし以前にも学園モノを書いたことがありますが、やっぱり苦手ですな。
   ぶっちゃけ私の学園生活って10年前位の話だし(歳、取ったなあ・・・)、
   学園生活の想い出ってほとんどありませんし(四六時中、ラノベ読んでた記憶しかない・・・)。

リディア:だからそんなんなら書くなよ。

ろう:書きたかったんだもーん。

リディア:子供か!?

バッツ:ところでこれ、続き書くのか?

ろう:書くかもしれませんし、書かないかもしれません。まあ、書きたかったら書くって事で。

 


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