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G-SALAND 地理の疑問・発見過去ログ

2003年5月28日から7月19日


今回の疑問: スマトラ島とボルネオ島の天然林の消失を招いた新規農園の作物は天然ゴムか油やしか。ケッペンの気候区と植生分布が完全に一致しないのはなぜか。インドネシアの石炭産地。イタリアの天然ガス。
今回のジオゴロ: 水力発電比率の高い国。商船竣工総トン数上位国。乳製品摂取量の多い国。阪神の綿工業と中京の羊毛工業。
今回のおしゃべり: さ〜らまん贔屓の床屋。
今回の主役: 灯台志願さん、komahiroさん、辞書を所持さん、ヴねささん、Risaんちん♪さん、しまみかんさん


インドネシアの石炭とイタリアの天然ガス 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 7月19日(土)17時04分02秒

1.インドネシアの石炭

世界国勢図会によると、インドネシアの石炭(無煙炭と瀝青炭のみ)の可採埋蔵量は790百万tで、今のところ、日本の可採埋蔵量773百万tとほぼ同じ。

で、日本と何が違うかといえば、品質以外では、産地として新しいためだろうが露天掘りが可能であるなどの理由で、採炭コストが安いこと。だから、可採埋蔵量は同じでも、日本の石炭生産はすたれ、インドネシアの石炭生産は増える。

http://www.iae.or.jp/publish/tenbou/1996-TEIHINITAN/3shou.html
によると、埋蔵量の86%、生産量の60%が低品位炭だから、その点も日本と同じ。

その図によると、
http://www.iae.or.jp/publish/tenbou/1996-TEIHINITAN/siryou/z3-7.gif
主な炭田は、スマトラ島のブキット・アサム、カリマンタン島のアダロとキデコ。
別のサイトによると、スマトラ島南部では、ほかにも新しい炭田が発見されているようです。

インドネシアからの輸入が増えているのは、脱石油、石炭見直しが進み、低品位炭の効率的利用が可能となっているためで、製鉄用原料炭としてではなく、火力発電の燃料用が主でしょう。

2.イタリアの天然ガス

世界国勢図会によると、イタリアの天然ガス(1998年)は、
消費量  2378   (千兆ジュール)……A
輸入量  1624.8 (千兆ジュール)……B
生産量(*)772.85(千兆ジュール)……C
  *生産量188.5億立米を、1立米=4100万ジュールとして、ジュールに換算。

B+C=2397.65≒Aになります。
輸出はないと(あっても少ないはず)考えていいでしょうから、消費のうち約3分の1は国内で生産していると言えます。

生産量は、1990年が208.6億立米、1998年が188.5億立米。確認埋蔵量はたった2286億立米、可採年数は12.6年。だから、頭打ちであることは確かでしょうが、過去の遺物とは言えず、まだ生きているようです。

鉱産資源の疑問 投稿者:しまみかん  投稿日: 7月16日(水)11時58分44秒

鉱産資源についてです。
日本の石炭輸入国としてインドネシア(割合10.4%)が登場しますが、インドネシアって思いっきり新期造山帯のうえにのっかている国ですよね?そりゃまあ日本もそうで、石炭の産出はしますが、インドネシアの炭田ってどこ?名前は何?調べても全く手がかりなしでした…。インドネシアの石炭事情についての情報をお持ちの方、情報をお寄せ下さい。
 イタリアの天然資源といえばポー川流域の天然ガス。(ENIってなのもありましたよね。)天然ガス消費量は2378(千兆ジュール)であるにもかかわらず主要産出国にはイタリアは登場しません。現在、本当にイタリアで天然ガスは産出しているのでしょうか?それとも過去の遺物なんでしょうか?イタリアの天然ガス事情にお詳しい方、情報提供をお願いします。

乳製品摂取量の多い国ジオゴロ入荷 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 7月13日(日)01時07分57秒
さる筋から入荷しました。

「欧米人はインモーいっぱい」

乳製品摂取量が多いのは、欧米系。
これは常識。

欧米系の国以外で意外と多いのが、インドとモンゴル。
だから、陰毛。

いっぱい→おっぱい→乳
と連想(するらしい)。

お若いRisaちん♪ひめさまウォッチャー 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 7月11日(金)23時06分49秒
Risaちんひめさまの謎の正体、次第に明らかになる!!

石油危機○○年後に「中学受験」ですか。第一次石油危機後か、第二次石油危機後か、その辺で大きく年が違ってきますから興味は尽きぬのでありますが、石油危機後に「生まれた」受験生にとっては、五十歩百歩。
それと、中学受験てのも、ひめさまの正体に近づく大きなヒントですね。あたいは田舎の生まれだから、中学受験したくても、試験をしてくれる中学なんぞ、近くになかった。Risaちんひめさまは、大都会のお生まれなんですね。

とかなんとか、どーでもいい話は、さておかず、ついでにどーでもいい話。

東洋のマンチェスター、ですか。あたいにとっても、なつかしい響きです。
そういや、東洋のベニスとか、東洋のスイス、というのもありましたね。
ほかにあるのかな? 東洋のなんちゃら。

日本の綿織物は、、、 投稿者:Risaちん♪  投稿日: 7月11日(金)21時30分45秒
>西の堺泉綿

あれ?
堺って綿織物さかんでしたっけ・・・??
現在は、関西空港眼前の泉佐野市あたりがタオル工業がさかんです。
それから、堺市の南隣の泉大津市では、東洋紡で毛布を作ったり毛織物が行われていますし、綿織物も、、、という話を聞いたことがあるようなないような。

それとそれと、日本で忘れてはいけない綿工業都市といえば、バリバリ瀬戸内海の今治のタオル工業ですね!現在でも日本の9割を生産しているとか。
今治も泉佐野も、外国産タオルに押されてしまって衰退傾向にあるので、MADE IN JAPANブランドの確立に取り組んでいるようです。

・・・戦前なら、大阪は「東洋のマンチェスター」と言っていましたなぁ〜。
私が中学受験するころの知識にも登場してました。
石油ショック後のことなんですが・・・(^^;;;。
現在も大阪市福島区あたりでは、いわゆる「メリヤスやさん」の町工場が残っています。

似て非なりの日英同でもえぇ話 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 7月 3日(木)11時58分36秒
西の堺泉綿(かいせんめん)、東の一尾羊(いちおーめいめい)。

なるほど。

が、しかし、
降水量は、瀬戸内海側の大阪の方が、東海の名古屋より少ない。
中京の毛織物はヨークシャーほどの歴史をもつのか?という疑問も。

日英同でもえぇ話。 投稿者:う゛ねさ  投稿日: 7月 3日(木)05時31分12秒
「西のラーメンマン 東のヨーヨーリー」という傑作ジオゴロがありますが、
よく考えれば、日本も似たようなもんやんけ。と。

日本:西→関西(堺や泉佐野)で綿織物 東→中京(一宮や尾西)で毛織物。

ホンマにどうでもえぇやんけ。。。

ジオゴロ魂、不滅ですね! 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月29日(日)01時19分48秒
小さくない船の竣工総トン数で、東アジアのシェアは80%! 考えてみりゃ、すごいことですね。

1997年 日本 38.7 韓国 32.2 中国 5.8
1998年 日本 40.4 韓国 28.5 中国 5.8
1999年 日本 39.7 韓国 32.9 中国 5.7
2000年 韓国 38.6 日本 37.9 中国 5.2
2001年 日本 38.4 韓国 37.1 中国 5.8
 ロイド統計(百総トン以上の船舶)による(らしい)。

辞書を所持さん、ジオゴロに専念! ありがたいことです。
辞書を所持さんのジオゴロ魂、不滅なり。

ただし、
ジオゴロに千年の命なし。
ジオゴロは生ものなり。

有り難うございました。 投稿者:辞書を所持  投稿日: 6月28日(土)22時53分54秒
実習も終え、やっとジオゴロに専念できます。
造船竣工量
若干小さい船→ジャ(ジャパン)ッカン(韓国)チー(中国)サイ船

頑張って! 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月15日(日)00時42分39秒
辞書を所持さん、ふれー!ふれー!

ps
ロッキーの件は、あんまり自信ありません。

有り難うございます 投稿者:辞書を所持  投稿日: 6月14日(土)15時20分15秒
ロッキー山脈について、有り難うございます。あと一週間、気を引き締め頑張りたいと思います。

ロッキーでグロッキー4 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月10日(火)14時54分09秒

太平洋側の今はなきプレートは、Farallon Plate という名前だそうです。

昨晩の書き込みで、動画のあるサイトのURL、間違いますた。ここです。

http://www.geology.cwu.edu/facstaff/lee/courses/200.hmwk.4.html

重いのでじっと我慢していると出てきます。暇人のみ見てください。
そこの

http://www.geology.cwu.edu/facstaff/lee/courses/PacHist_Big.mov

とか、

http://www.geology.cwu.edu/facstaff/lee/courses/Pac-NoAm_Tech_Big.mov

ロッキーでグロッキー3 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月10日(火)01時10分17秒

リンクは、サンアンドレアス断層ができるまでの図です。
http://pubs.usgs.gov/publications/text/Farallon.html

さらに下のリンクはその動画です。重いです。

受験生の方へ。受験には無用の長物なので見ないで下さい。

http://pubs.usgs.gov/publications/text/Farallon.html


ロッキーでグロッキー2 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月 9日(月)23時16分42秒

前回書いたの、かなりウソでした。

そのむかし(中生代ジュラ紀)に、太平洋側の海洋プレートが北アメリカプレートに沈み込む時代がありまして、山ができました。その頃には、太平洋側に海溝があって、火山もいっぱいできました。北アメリカの新期造山帯の幅が広いのは、海洋プレートの沈み込みが、なぜか浅く緩やかな傾斜であったため、かなり東方まで盛り上がったためらしいです。その後、断層運動などもありまして、山脈ができました。

当時は北太平洋の北アメリカ大陸の西方に、海嶺がありまして、海嶺の東側に海洋プレートがあったのです。

が、新生代に入りますと、この海洋プレートは、北アメリカの西にあった海溝に沈み込んだり、北に移動して、アリューシャン海溝に沈み込んだりして、最後は、すなわち、現在は、北側のごく小さいプレート(ゴルダプレート)と南側のココスプレートになりました。
そして、それらの間のところ、すなわち、アメリカ西岸では、北アメリカプレートと太平洋プレートが境を接するようになりました。この境が、サンアンドレアス断層です。

というわけで、ロッキーなどは。いまはなき広がる境界にではなくて、いまはなき狭まる境界に形成されたもののようです。

贔屓の床屋 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月 8日(日)21時23分39秒

ヘアーサロン五味、いかん、実名を出してしまった!もとい、ヘアーサロンGですか。
我が家では、祖父、父、我輩と、三代続いて贔屓にしている床屋です。ワタクシが住み薬学脂肪さんのおとうさまも住んでいらっしゃる町の床屋は、駅から離れるほどていねいでありまして、かと言ってあんまし離れればだめです。すなわち、町で一番ていねいな床屋ですな。あそこのあるじのおとうさまは、顔そりがすごく上手でした。いまのあるじは仕事熱心でていねいだし、あんまがうまいですな。あたいはそんな肩凝りじゃないから、あんまはどーでもいいのですけど。

ロッキーでグロッキー 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月 8日(日)21時10分52秒

ロッキーとプレートとの関係は試験に出ないしわからないから、不明てことにして、生徒さんには答えない方がよいでしょう。

大半の部分は、東太平洋海嶺から続くのかどうかしらないが、プレートの広がる境界だったときがあり、それで形成されたはずです。

が、そんなことを説明すると、生徒さんは混乱するから、よくわかりませんで、とどめておいたらいいと思います。実のところ、ワタクシもそれ以上のことは知らないし、今は出先だから調べもつかないのです。

床屋について 投稿者:薬学部脂肪  投稿日: 6月 8日(日)13時44分41秒

先生は某ヘアーサロンGで散発されてますか?
父が河合塾の話をしてたら、河合塾の講師が来てると言ってたのですが、
先生しかどう考えても、いませんね(笑)あの床屋のマスターはズラっぽいと思いますが、
先生はどう思いますか?

コルジレラ山系の成因 投稿者:辞書を所持  投稿日: 6月 8日(日)11時59分42秒

コルジレラ山系の成因、なぜアングロアメリカ西岸に山々が連なっているのか、を生徒に質問され答えれませんでした。
 アングロアメリカ西側は、ずれる境界、広がる境界、ずれる境界というように複雑ですが、パンゲアからの大陸移動によってアメリカ大陸は西へ動こうとしている。しかし、ずれる境界や広がる境界が邪魔をして大陸西岸に負荷がかかりロッキー山脈などが形成された。というのは間違いでしょうか?

しびれるね 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月 6日(金)14時56分39秒

う゛ねささんの傑作ですが、

電力であることがわかように、

しびれるね、
とか、
ビリビリっ、

とかを、どこかに挟み込んだらいかがかと勘考した次第。

青春賛歌 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月 6日(金)01時51分22秒

『Ms.ノーブラかな』

う゛ねささん、さすが、おもと男!
すばらしい!です。 殿堂入りの「いろごろ」ですね。

めざせ!青春の巨匠。
http://www.vap.co.jp/otokoda/

http://k-free.com/tomomoto/rikuesuto%20sarabanamidatoiou.html


雨中行軍にて思い浮かびたるはかなき… 投稿者:う゛ねさ  投稿日: 6月 5日(木)23時59分21秒

はぁ。。京都祇園のドンチャン騒ぎに加われなかったことが今年上半期一番の心残り。
そして雨中行軍中、なぜかなぜだか脳裏に浮かびたる「いろごろ」

                Ms.ノーブラかな

賢明な読者の方ならおわかりでしょ。
 そうです。水力発電比の高い国です(順位も同じ)
  Ms.=水 ノー=ノルウェー ブラ=ブラジル かな=カナダ

「いろごろ」はひとつゲットしたものの、誰かさんのハートを(σ゜д゜)σゲッツ!するには
まだまだ時間がかかりそう……。出るのはため息ばかりなり…。これが青春ですな。

ありきたりとありきたり 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 6月 1日(日)22時30分59秒
灯台志願さんには言わずもがなでしょうが、今回のやりとりを読んでくれる他の人を意識して書きますと、

地図帳掲載事項は、ちょい前の情報として、あてにしていいでしょう。が、時事刻々と変わることについては、統計集などで確かめる必要があります。

ありきたりの勉強の件ですが、熱帯林破壊、エビの養殖池造成、マレーシアにおける天然ゴムから油ヤシへの転換など、これらはすべてありきたりの勉強で学習することです。T大が求めているのは、ありきたりを超えるさらなる知識ではなく、ありきたりとありきたりを関連させて考える力でしょう。

遅ればせながら 投稿者:灯台志願  投稿日: 6月 1日(日)19時21分22秒
ご回答ありがとうございました。
地図帳があまりあてにならない、というのはちょっとショックでしたが、ありきたりの受験勉強だけでなく、広く世界に目を向けろというのがT大のメッセージと思うことにします。

大局的に 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 5月30日(金)12時33分39秒
まあまあ一致していれば、こまごました例外を無視して答えればよろしい。

細部を気にして得することは何もなく、ものごとを大局的に見ることのできない人、て烙印を押されるだけでしょう。

大きくずれている場合は、出題者がそのずれに注目し、ずれを問いにしてきます。が、こいつは出題者に気合いが入っている場合で、人為によるずれを問う環境問題なら簡単ですが、他の場合は、内容的にも高度な事項を問うわけだから、難問の部類になるでしょう。

例外から疑問が生まれ、学はそこから始まるが、試験問題に多大な期待を抱いてはいけません。

お答えありがとうございます 投稿者:komahiro  投稿日: 5月30日(金)05時12分16秒
早速答えていただいて、ありがとうございます。
もしも、ケッペンの気候区分と植生が一致しないなら、模試の問題や入試問題の「この気候帯でみれれる植生を答えよ。」という問題にはどのように答えるべきなのでしょうか。

世の中に完全なものはない 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 5月30日(金)03時54分42秒
ケッペンの気候区分では、気温と降水量のデータだけを使って区分できるように判別式を作ってあり、その判別式は、植生分布にできるだけ合うようにきめられてます。

が、植生には、土壌や日照量、さらには人為などさまざまな条件が影響します。気温と降水量だけに限定しても、年降水量、降水型、最少雨月降水量、年平均気温などケッペン区分で使う指標の数値が同じ2地点があったとして、まったく同じ植生になるとは限りません。使わない月の数値が違っていたら、植生も少しは違ってくるはずです。

気温・降水量データだけで区分して、植生に完全に合わせようとすること自体、土台無理な話で、合わなくても不思議ではありません。ほぼ対応していることのほうが、むしろ驚異的なことであり、ケッペンのすごいところです。

ケッペンの気候区分は、植生によって区分したのではありません。植生分布にできるだけ合致するように区分したのです。

ケッペンの気候帯と植生について 投稿者:komahiro  投稿日: 5月29日(木)05時49分48秒
ケッペンの気候帯は植生と気温、降水量によって区分されたものと聞きました。しかし、地図帳を見ると気候帯ではBS、植生は砂漠(荒原)となっているところがあります。たとえば、ボルガ川下流域などがそうですが・・。植生によって区分したのなら気候帯と植生は一致するのではないでしょうか。お答えください。

現在進行形で考える方がベターでしょう。 投稿者:さ〜らまん  投稿日: 5月29日(木)04時19分34秒
受験教育の専門家は、間違った答えを書いてバカにされてはいけないという考えが先に立って、自分の頭で考えず、手元の書物を調べて答えを出します。それが地図帳の作物分布図だったのかもしれません。

地図帳の作物分布図には天然ゴムの方が多く、海岸部を中心にココヤシなんかもあったりするでしょう。それはなぜかと申しますと、その分布図は古い資料をもとに作られているからです。

で、T大の問題を見ますれば、設問A全体の大前提たる設問文に、
 「近年の発展途上国では、開発に伴う自然環境の改変が急速に進んでいる。」
とあります。そして、空欄補充を求めている文章は、その例を書いているのですが、そこには、
 「(  )の栽培のための大規模な開発による天然林の消失が著しい。」
とあり、また、その前には、低湿地の海岸部におけるエビの養殖池の造成の話が書いてあります。

ということは、かつての話ではなく、現在進行形のことがらを話題にしているのであります。

現在進行形なら、マレーシアの従来からの農園では天然ゴムから油ヤシへの転換が進んでおり、新たに農園を開く場合だって油ヤシ農園が中心でしょう。

インドネシアで天然ゴム栽培が盛んになったはマレーシアより遅く、ちょいと前なら、たしかにゴム園の造成が盛んに行われたでしょう。が、それは現在進行形というよりも、ちょいと前のことです。現在進行形の農園開発の目的は、価格が低迷している天然ゴムではなく、需要が増大してきた油ヤシ栽培でしょう。

蛇足ですが、文章には、インドネシア側の呼称である「カリマンタン島」と書かずにマレーシア側の呼称である「ボルネオ島」と書いてあります。てことは、厳密にインドネシアだけに限定して考える必要はまったくないわけで、「ボルネオ島」はインドネシアとマレーシアにまたがる全島と考え、それとスマトラ島(これはインドネシア)というおおざっぱな範囲で、現在、現在、今、今まさに、うんと増えているものが問われていると考えていいのです。

というわけで、マレーシアではちょいと前から減少しつつあり、インドネシアでは、ちょいと前に増えていた天然ゴムではなくて、両方の国で急増している油ヤシの方がベターだと考えるのは思考の自然な流れです。

他人さまからの非難を恐れる臆病な受験地理専門家のはしくれなので、悪い癖でデータを示したいのですが、いま、出先で資料がありません。とりあえず、手持ちの高校生用統計集で、油ヤシと天然ゴムの生産量の変化を示しておきます。

天然ゴム(1985年→2000年)
 インドネシア  1096千t → 1488千t (1.4倍増)
 マレーシア   1469千t →  769千t (半減)
油ヤシから採るパーム油(1985年→2000年)
 マレーシア   4132千t → 10800千t (2.5倍増)
 インドネシア  1174千t → 6900千t (6倍増、6倍増でっせ!)
ついでに、ココヤシから採るコプラ(1985年→2000年)
 インドネシア  1260千t → 1380千t (ちょい増)
 マレーシア   生産10位以内に入らず

スマトラ島とボルネオ島の作物 投稿者:灯台志願  投稿日: 5月28日(水)16時23分40秒
今年のT大入試の、スマトラ島とボルネオ島の作物の問題について教えて下さい。
貴塾の解答は「油ヤシ」(自分も最初は油ヤシかと思った)ですが、S大とYゼミは「天然ゴム」でした。それで、地図帳の作物分布を見たら、天然ゴムの方が圧倒的に多いし、よく見るとココヤシなんかも結構あったりします。単答問題にしては、ヒントが少なすぎる気がするのですが、どのように考えればよいのでしょうか?