甲斐駒ヶ岳  北原多喜  帝国ピストンリング

白に牛のディスプレイと少女

 甲斐駒ヶ岳は、姿の美しい山である。深田久弥は、その著「百名山」のなかで、「日本アルプスで一番代表的なピラミッドは、と問われたら、私は真っ先にこの駒ヶ岳をあげよう。・・・・南アルプスの巨峰群が重畳している中に、この端正な三角錐はその仲間から少し離れて、はなはだ個性的な姿勢で立っている。まさしく毅然という形容に値する威と品をそなえた山容である。」と述べている。
  それは、9月初旬のよく晴れた日であった。暗いうちに山小屋を出発し、仙水峠を左に折れると、すぐきびしい登りとなった。その急坂を登りきると、駒津峰に達する。駒津峰の頂に立って、眼前にそびえる白い衣をまとったような三角錐の山を見た時、神々しいと言ってよいような、その美しい山容にしばらく我を忘れて立ちつくしたのを思い出す。
  この絵は、その時の感動を少しでも表現してみたいと思い、油彩で描いたものである。

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