秋の八ヶ岳農場  小口直彦  小口医院

白に牛のディスプレイと少女

里の木々が色づく前に八ヶ岳農場を訪れた。標高1300メートルを越す高原の空気は冷たく、朝夕の冷え込みの厳しさを思わせた。八ヶ岳を臨むと阿弥陀岳や横岳の稜線が荒々しく迫ってくる。岡谷から見慣れているたおやかな裾野を拡げる八ヶ岳とはその表情が異なる。直売所近くに車を止めタワーサイロの方を眺めると、紅葉が終わり葉を落とし始めた櫻の幼木が並んでいた。よく晴れた陽射しは風さえなければ心地よく身体を暖めるほどであったが、まだ正午前にもかかわらず大学校に続く小路に投げられた影の長さは近づく冬の訪れを現実のものとしていた。

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