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有名作曲家の晩年の作品

バッハ以前にも晩年に死期を悟ったような作品を残した作曲家がいました。
そうした作品、あるいは晩年の傑作を集めてみました。
作曲家 作品名 作品の概要
Bach,J.S.
(1685-1750)
Missa. b moll
(BWV232)
近年の研究で、バッハの最晩年に編纂されていた事が明らかになりました。古楽風の重厚なフーガから情緒的なアリアまで幅広い作風を見せています。
Dowland,J.
(1563-1626)
Lachrimae
1604年出版。晩年の作品とは言い難いですが、作者の集大成的作品といえます。同じモチーフに始まる7つのパヴァーヌと、いくつかの舞曲を含みます。
Isaac,H.
(c1450-1517)
Coralis
Constantinus
1550-1555年出版。未完に終わった3巻からなる曲集は、弟子のゼンフル(Senfl,L. c1486-1542/3)手によって完成されました。4声部の合唱曲集で、フーガ風の模倣様式があちこちに見られます。
Josquin des Pres
(c1440-1521)
Pange lingua 1539年出版。最晩年の作とされている4声部のミサ曲です。曲集に含まれる多くの曲がフーガ様式で書かれており、対位法の熟練振りをうかがわせます。
Lassus,O.de
(c1532-1594)
Lagrime di  
San Pietro
1594年作曲。21(7×3)曲からなる合唱曲集で、すべての曲が7声部で書かれているのが特徴です。フーガ風の模倣様式やモテット風の交唱など多彩な作風を見せています。
Ockeghem,J.
(c1410-1497)
Missa 
prolationem
1498-1503年ごろに作成された筆写譜によって知られる4声部のミサ曲です。全曲カノンで作られており、様々な音程間隔のカノンが見られます。
Pachelbel,J.
(1653-1706)
Weimar
Tabulatur
1704年に作成されたコラール集です。80曲のコラールを含み、それぞれコラール旋律に基づく短いフーガと、数字付き低音の付いたコラールが対になっています。
Palestrina,G.P.
(c1525-1594)
Stabat
Mater
晩年の10年の間に作曲されたとされている、8声部の合唱曲です。ミサで歌われ、あまりの美しさに会衆が祈りを忘れて聞き入ったといわれています。
Praetorius,M.(c1571-1621) Polyhymnia 1613-1617年ごろ作曲。様々な歌手・楽器編成による曲集で、ルター派のコラールに基づいています。全15巻の構想のうち、"Caduceatrix & Panegyrica"(1619)、 "Exercitatrix"(1620)、 "Puercinium"(1621)の3巻が完成されました。
Scarlatti,D.
(1685-1757)
Salve Regina 1756年作曲。作曲者が死の床で口述筆記させたという逸話が残っています。ソプラノと弦楽のための作品で、彼の鍵盤作品にはあまり見られない対位法の熟達振りをうかがうことが出来ます。
Scheidt,S
(1587-1654)
Tabulatur-
Buch
1650年に出版されたコラール集です。100曲の4声コラールが含まれ、その熟練の声部作法は、バッハの4声コラールBWV253〜438にも引けをとりません。
Schutz,H.
(1585-1672)
Psalm119,
Psalm100,
Magnificat
1671年に完成された8声部の詩篇歌集です。Psalm119は聖書の詩篇にしたがって、AlephからTavまでの各曲を含みます。様々な模倣様式のほか、モノフォニー風の劇的交唱も見られます。
Sweelinck,J.P.
(1562-1621)
Pseaumes
de David
いわゆるダヴィデ詩篇150編に基づく曲集です。作者の後半生をかけて作られた曲集は4巻に分けて出版され、その最後の4巻は1621年、作者の死後に出版されました。多くの様式・技術を含み、音楽的にはまさに集大成といえる内容となっています。

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