第2部分 第3部分 Fuga a 3 Soggetti
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Fuga a 3 Soggetti
第1部分(1〜113小節)


冒頭に第1主題が示されます。バスの主題に続いて
6小節〜のテノールに調性的応答が示されます。
明確な対主題は見られません。



8小節のバスにAと示した青い音符のモチーフは、
第1部分を通じてしばしば見られ、
また第3部分でも第3主題に伴うなどして用いられます。

21小節〜のバスには第1主題の反行形が示されます。こののち
第1部分を通じて第1主題の正置形・反行形の双方が見られます。
また、その多くが様々な位置でのストレットになっています。



36小節〜には主題の断片を交えたストレットが見られます。
36小節〜のバスに青い音符で示したのが主題断片です。



先ほどのモチーフAをはじめ、様々なモチーフの模倣が見られます。
上の楽譜の中でも、37〜38小節のアルトとテノール、
39〜41小節のテノールとバス、42〜43小節のソプラノとアルトなど
あちこちに見られます。それが短いカノンに発展した例もあります。
45小節〜ではモチーフAを交えつつ
アルト→ソプラノのカノンが展開されています。



また86小節〜ではソプラノに示されたモチーフが
3声部にわたって次々と模倣されてゆきます。



こうした主題以外のモチーフによる様々な模倣は
Contrapunctus10にも見られます。

89小節〜では複数の主題が変形や断片を交えながらストレットをなし、
第1部分の終焉を前に大きな山場となっています。
90小節〜のテノールに示された主題は珍しい変形を受けています。
反行形で始まった主題が92小節から正置形になっているのです。



95小節〜のテノールには変形主題の断片が示されます。
シンコペーションによる変形で、同様に変形された主題の
全体像が98小節〜のソプラノに反行形で示されます。
シンコペーションによる変形主題は第3主題にも見られます。

第1部分の和声的終止がまだ終わらない114小節から、
第2主題(下の楽譜の青い音符)が姿を見せます。



この曲の自筆譜を見ると、当初第1部分の和声的終止は
第2主題の最初の1音(f)で終了していたことがわかります。
バッハはこの終止形を延長し、第2主題の冒頭を
終止形の中に組み込むことで、第1部分と第2部分の
一体化を図ったものと考えられます。

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