第1部分 第2部分 第3部分 第5部分 Contrapunctus11
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Contrapunctus 11 a 4
第4部分(89〜157小節)


第2主題に導かれ、第3主題が示されます。
Contrapunctus8の第2主題の反進行形)

第3主題は非常に自由に扱われ、明確な定型がありません。
下の楽譜でも、89小節〜のテノールと90小節〜のアルトに
第3主題が示されていますが、長さが違います。
92小節にある第3主題の末尾も、このあと厳格に維持される
わけではなく、後の3主題の結合においては1度も見られません。
第3主題の断片も非常に多用されており、主題とその断片を
はっきり区別する事が難しい場合もあります。



90〜91小節のアルトにアルファベットを示しましたが、
第3主題の音形にはBachの名が含まれているとされています。

96小節〜には第3主題が反進行形で示されます。
Contrapunctus8の第2主題と同じ形)
ソプラノに示された主題が次々と模倣されていきます。
ただしどれも断片的です。第3主題のストレッタは
先の89小節〜をはじめとして随所に見られ、4声部にわたるものも
下の楽譜の例のほか、149小節〜、167小節〜などにあります。



これに続いて第1主題と第2主題が
第3主題反行形に囲まれながら呈示されます。
101小節〜のアルトに第1主題、105小節〜のテノールに
第2主題の反行形が示されます。
第2主題には再び下行半音階が伴います。



132小節〜においても、同様に第1主題、第2主題が
第3主題を交えながら連続して示されます。

117〜131小節は第3主題の独壇場となっています。
正置形、反行形の双方が呈示されますが、
これに上行・下行の半音階が伴っています。



また、130小節〜には第3主題の正置形と反行形が
同時に、しかも2声部ずつに呈示され、
131小節では4声部すべてが第3主題で埋め尽くされます。



同様に主題の正置形と反行形が4声部を埋め尽くす様は、
平均律2巻22番(変ロ短調)にも見られます。
こののち169小節においても第3主題が4声部同時に示されます。

各主題の様々な組み合わせによる呈示の後、
ついに3つの主題が結合されます。145小節〜に示された
初の3主題結合はホ短調という比較的遠い調でなされます。



ちなみにContrapunctus8の初の3主題結合は、
ヘ長調(の位置、調性は別)で呈示されています。

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