第1部分 第2部分 第4部分 Contrapunctus8
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Contrapunctus 8 a 3
第3部分(93〜146小節)


93小節のモチーフB''に導かれ、第3主題が示されます。
「フーガの技法」の基本主題です。基本主題はContrapunctus8では反行形、
Contrapunctus11では正置形で第1主題として示されます。

第3主題=基本主題は装飾変形されています。
下の楽譜に青い音符で示しました。



第2主題の断片はあちこちに見られるようになります。上の楽譜でも
98小節のバスや99〜100小節の上2声部に見られます。
また114小節〜には第1、第2主題断片の模続が見られます。



123小節のカデンツを経て、第1、第2主題が再び呈示されます。
125小節〜のソプラノに示される第2主題は、末尾に
モチーフB''が接続され、その主題としての性格を強めます。
いわばここで第2主題が完全体へと変化し始めるのです。



124〜127小節のバスには、第2主題と第1主題の断片が
連続して呈示され、第2主題の断片はストレットの効果、
第1主題の断片は10度の二重対位法の様相です。

なお、125小節〜の主題結合では、第2主題が若干短くなっている上、
1小節前倒しにずれています。このずれは曲中唯一のことです。
比較のため、131小節〜の主題結合を以下に示します。



ただし、ここでも第2主題に接続されるモチーフB''が1小節
遅れています。完全体としての呈示はまだ先になります(第4部分)。

134小節以降、モチーフB''が正置形、反行形を交えて
絶え間なく示され、次の主題呈示へと橋渡しをします。
いよいよ3つの主題が結合されるのです。



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