朝青龍でもう一つ

朝青龍が「疲労骨折」の診断書を出して里帰りして、モンゴルであっけらかんとサッカーに興じていたら、日本相撲協会がカンカンだという報道が紹介された。これって「中越沖地震」で経済産業省が東京電力を呼びつけて怒鳴ったのとよく似てるんで笑っちゃうんだけどもさ、日本人はどうしてこうも自分が甘やかせたガキを他人事みたいに怒るんだろうね。

「相撲の巡業は重要な行事で、地方ではお相撲を普段観られない沢山のファンたちがいるからして、地方巡業はそういうファンに相撲を見せられる大事な機会となっているんだ。それを、嘘をついて休場するなどもってのほか!」これが相撲協会や報道機関が「朝青龍バッシング」をする論旨らしい。

断っておくけど、私は朝青龍の隠れファンだからって、この件で朝青龍の肩を持つ気持はないぜ。ただ怒るんだったら、怒る前にちょっと考えたらどうなんだ?と云いたいだけなのよ。
横綱なんて学校で云えば大学院生みたいなもんでさ、その大学院生に「さぼるな!!」って怒鳴ってるみたいで、怒ってるほうがみっともないだろってネ。そんな基本的なことを、なぜ幼稚園のうちに叩き込んでおかないのよ。
高砂部屋の親方もさ、朝青龍が外人なのは最初から分かってるんだから、だったら「日本では相撲の地方巡業ってのは、地方にいて見られない人に相撲を観てもらうと同時に、特に最近は四都市の本場所では充分にお客が入らない。だからして地方で稼ぐってことは、相撲協会にとっては死活問題なんだぞ!」って教えちゃえば、バカだって解るじゃないか。そうすりゃ、よっぽどじゃない限り、サボったりなんかできないぜってネ。

朝青龍が今回モンゴルでサッカーを楽しんでる、あのあっけらかんとした表情を見ると、明らかに事の重大性を感じてないって顔だよね。だ〜れも教えてなかったんだよ、そんな重要なことを、さ。だからあのサッカーをしてる朝青龍の顔と、怒り心頭の北の湖理事長の顔がチグハグな感じで笑っちゃうんだよな。

日本の相撲界っていうのは部屋制度なんだろ?部屋制度ってことは、お互いの生活ぶりが、隠しどころが無くって丸見えってことじゃないの。しかも新弟子って云や格好いいけど、まだほんのガキのころから部屋で預かって仕込むんだろ?特に外国人なんてさ、ハシの上げ下げからして教え込むんだから、それだったら何だって教え込めるんじゃないのよ、ね。「最近はどうもお客の入りが芳しくない、客席のガラガラ振りを見てみろ。これじゃお前たちの生活もママならんのよ。」って教えちゃえば、子供だって巡業をサボりゃどうなるかって事ぐらい、解らないわけないだろ!って云うの。
相撲協会も相撲協会で、そう言う問題が起こったら、先ず親方を呼びつけて「お前のところの教育はどうなってるんだッ!」って云えば済むことじゃないのよ。そうすりゃ、理事長が直接横綱に小言を云うなんていうみっともない姿を見せないで済むんだからさ。


自分が教え損なったことがそもそもの原因で問題が起こったからって、それで慌てて、その子供を直接協会へ呼びつけて怒鳴るって構造が「中越地震原発事故」の時の経済産業省とそっくりだって云ってんの、ワカッタか!