「人間回復の旗」を高く掲げて 2008.1.1

 

私は、昨年新年に、―生きている人が皆「毎日が平和」と思える世にーと題してアンケートお願いとともにご挨拶させていただきました。

http://www1.ocn.ne.jp/~mourima/07.1.7mainitiga.html

 

今回は、いわばその実践編1年目とでも名付けましょうか。

長野県は諏訪湖のほとり、6市町村で構成される諏訪地方には、人口21万人のところに日本共産党の地方議員が(県議である妻も含めて)14名います。これは、人口21万の市に共産党議員が14名いることと同じです。長野県全体でも220万県民に対し、147名の議員がいて、ほぼ同じ比率です。これは、全国的に見て人口との対比でかなり高い共産党議員比率です。私が30年所属する信州しらかば法律事務所は、地元の共産党議員団と連携して40年以上「日本共産党無料法律相談」を実施しています。今年だけで106人、一回平均9名の相談者がありましたが、私はそのすべてをお聞きしました。

 

 当事務所にも深刻な相談が多く、解決の依頼を受けるケースもより深刻です。23年間建築下請けをやってきた60才の業者は、業界不況で仕事が激減したことをカバーするためサラ金からも350万円借り入れてしまい、一日でも遅れると仕事中に取り立てがくるため必至で返済してきました。しかし、ついに返済不能となり、自殺を決意。交通事故を装えば不自然ではないのではと、死に場所に選んだ道を何度も行き来し通り過ごしているうちに朝になり車も動かなくなりました。民主商工会からの紹介でうちの事務所に来られ、私が担当し過払い取り戻し金で350万円すべての借金がなくなりました。「意気地がなくて死ねなかったけど、死ななくて本当によかった」と語っています。また、今ヘルパーをしている56才の方は、自営業をしているとき親会社からプリント基板の増産のために従業員を雇って欲しいと言われるままに2人雇いましたがもらえる仕事は少ない、やむなく給料を支払うためにサラ金から借りてしまいました。借金の返済と子どもに少しでも残したいとの思いで生命保険金目当てにロープで首をつりましたが、ロープがはずれ首をやけどしただけで助かり、その後大病のあと、どうにもならなくなって当事務所に相談、これも私が担当し自己破産によりやり直せることになりました。このほかにも自殺未遂の末に、うちの事務所にたどり着く依頼者がかなりいますが、共産党の議員や党員からの紹介で来られた方々が少なくありません。

 

 2006年一年間にイラクで戦争のために殺されたイラク人は国連統計で34,450人、一方ここ日本で06年に自殺した人はこれとほぼ同じ32,155人です。最近10年間の自殺は316,903人、餓死は最近11年間で867名です。働き盛りの年代の男性にくわえ、青少年の自殺も増えています。昨年新年のアンケートにあるように、私がよく知る当時大学3年の女性が、旧友2名をすでに自殺で亡くしていることにショックを受けました。進行する弱肉強食競争格差貧困社会が、子どもから高齢者まですべての階層で深刻な孤立分断を生み出すまでになっていると実感しています。大人も子どもも24時間孤立しているのです。イラクがハードな戦争だとすれば、日本はまさにソフトな戦争状態にあるのではないでしょうか。私は、074月の今井秀実日本共産党岡谷市議候補の応援で、街頭で何度も訴えました。「全国40万人の日本共産党の党員、なかでも3千人の議員(0710月末現在3,120名)が、救いを求める人びとのために身を粉にして闘っています。私の妻も市会議員の時、夜10時過ぎてから生活相談にお訪ねし、翌朝市役所に駆け込むこともよくありました。日本共産党の党員・議員の闘いによって命が救われる国民が一年間に少なくとも1万人はいるのではというのが私の実感です。私自身が弁護士をしており、議員の夫としてそばで見てもいるのでよく分かるのです」と訴えました。つい昨日大晦日の「しんぶん赤旗」にも、妻子を抱えた34才の元公務員の方から共産党大阪府委員会に届いた、「食事は醤油ご飯のみ。米も残り少ない。売れるものは売りました。体重も30キロ痩せました。助けてください」との「死ぬ前にイチかバチか」との気持ちから発したメールを受け、市会議員が急遽訪問して生活保護を得られたとの囲み記事が載っています。

 

071124日に満員1,00人が参加して開かれた「9条の会」第2回全国交流集会で画期的な「訴え」が提起されました。憲法9条を守るために、明文改憲を阻む闘いだけでなく、9条を生かす2つの闘いをおこしましょうというものです。会場にいて身震いを覚えました。今後の改憲の動きに不透明なところがあるものの大連立の策動もあり、国民投票法が成立している以上、「臨戦態勢」であることに変わりありません。これに加えて「9条を生かす2つの闘い」とは、加藤周一・澤地久枝両氏の発言によりますと、米軍再編・自衛隊海外派兵恒久化法・新テロ特措法を始めとする解釈改憲と闘うこと、そして、福祉・教育・暮らしを削って戦争のためにお金を使おうとする生存権破壊攻撃と闘うこと、この2つです。確かに、米軍再編協力費だけでも5兆円以上にのぼり、更に改憲によって9条を削除すると少なくとも軍事費が6カ国協議参加国の国家予算平均並にはなるでしょう。それだけでも現在5兆円弱の軍事費が13兆円にも跳ね上がり、その分暮らしを直撃します。80兆円を超えた世界の軍事費を、10年間にわたり30%ずつ回せば飢餓・貧困・地球環境汚染などすべての問題が解決できるとの試算が示されてもいます。「アフガンでただで給油してやるくらいなら、灯油高騰で苦しむ国民に回せ」との声がここ日本で充満しているように、いまや、生存権を守る闘いは、人間と人間の繋がりを回復する闘いとして、平和憲法を守る闘いとしっかり繋げて全面展開すべき時なのです。

 

 むろん、この「9条の会の訴え」にあるように解釈改憲と闘うことも極めて重要です。

日本はイラク・アフガンにこれまでに19,700人以上の自衛隊員を派兵し、そのうち16人が在職中に自殺しています。一般男性公務員に比べ、28倍も高い比率で自殺しており、そこまで自衛隊員を窮地に追い込んでいるのです。そして何よりも日本は、一年間だけで34,450人を殺害するイラク戦争、同じく4,000人を殺害するアフガン戦争に参戦し物心両面で支えているのです。福田首相と小沢代表の密談は、自衛隊海外派兵恒久化法を共同して作り上げることを大きな狙いとして開かれたものであり、その旨を互いにメモに書き持ち帰ったと報道されています。06年8月に自民党の中で作成され完成体となっている全60条の法案では、派兵された自衛隊がいとも容易に武力行使できるようになっていて、このまま成立すれば憲法9条2項が改憲削除されたこととほぼ同じ事態になってしまうのです。

 

 生存権の点でも、日本共産党員に限らず全国の多くの人びとが奮闘しているとは言っても、10年間で31万もの膨大な命が奪われていることは確かな事実です。一人ひとりの命を守る闘いを更に強めつつ、地方政治・国政・世界政治を民の声が届き実る方向に抜本的に変える必要があります。お一人おひとりとの繋がりを大切にしつつ、私の家族・愛する人びとを含む内外民衆の命を守るため、9条・25条を始めとする日本国憲法を守り生かす闘いに一層の創意と熱意を持って取り組みたいと思います。

 

具体的には、今年の新たな取り組みとしては、今のところ、つぎのような構想を持っています。

1. 弱肉強食社会へのリアルな対案を探ろうと、共同原理を重視しているとされる北欧フィンランドに9月13-23日にツアーを組み、教育・家庭・地域社会・高齢者等社会保障・企業の内外での繋がり・国政など社会の諸分野でどのように生かされているか学びます。全国からの参加を歓迎します。名古屋空港発着で40万円以内程度。先着順、お早めに私までご連絡下さい。

2. 地域では、私の「得意分野」を生かし平和・人権・環境・福祉など諸分野のドキュメンタリー映画・映像をベースにした「憲法スタディ上映会」を、多彩な人びととともに新たに立ち上げ継続的に開催したい。こちらは、一昨日呼びかけさせていただきました。お近くの方、ぜひお声を聞かせてください。

3. この2月27日に広く依頼者や地域でのお知り合いに呼びかけて「(仮称)しらかば法律友の会」が結成される予定で、当日、ハンセン病の闘士=私が心から尊敬する谺(こだま)雄二さん(草津町・栗生楽泉園)から、「ハンセン病人間回復の闘いー日本共産党の旗を高く掲げてー」と題して語っていただきます。

本年もよろしくお願いいたします。

 

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すべての皆様へのアンケート(締め切り 110日) お名前               

 

1問 2007年に起きたことで、最も嬉しく、or楽しかったことはなんでしたか

 

2問 2007年に起きたことで、最も怒り、or苦しく、or悲しかったことはなんでしたか

 

3問 私の「子どもも大人も24時間孤立している」との見方についてのご意見

 

4問 「9条の会」の「2つの点で9条を生かす闘いを」との訴えについてのご意見

 

5問 上記私の文章についての(できれば最後の3点についても)ご感想・ご意見

 

6問 ご自身の今年の抱負などお聞かせ下さい

 

ご回答は、匿名ででも、また一問だけでも結構です。 ご協力ありがとうございます。

 

アンケート結果はこちら