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発熱と解熱剤

■免疫システムについて

 私たちの体には、ウイルスや細菌などの病原体が侵入しようとするとそれを排除しようとする防御機能が備わっています。

カゼのひき始め鼻やのどの粘膜に取り付いた病原体を排除するため、粘膜の表面にある微小な繊毛は体外に追い出そうとし、粘液は鼻水となって体外へ押し流そうとします。咳や痰などが出るのはそのためです。

しかし、この防御機能で排除しきれず、病原体が粘膜細胞に侵入してくると体は免疫システムを働かせます。
はじめに、白血球中の「ナチュラル・キラー(NK)細胞」がその粘膜細胞の異変に気付き、病原体に感染した細胞を攻撃します。
次に「マクロファージ」という細胞が出動して細胞や病原体の死骸を食べて掃除します。
これらの細胞はウイルスや異物を食べるよう働くことから「貪食細胞」とも呼ばれています。
ここまでが免疫システムの第1ステージで、異物を取り込んだ「マクロファージ」などは内因性発熱物質「サイトカイン類(インターロイキン、インターフェロン・腫瘍壊死因子など)」を血液に送り出し、次の戦いに備えて病原体の情報を全身に伝えます。
その情報を元にリンパ球の「キラーT細胞」は直接病原体を攻撃し、「ヘルパーT細胞」は自身の働きを高め、量を増やして「B細胞」に攻撃するよう指令します。
指令を受けた「B細胞」は抗体をつくり、この抗体が病原体を攻撃しやがて病気が治っていきます。
                              (健康を考えるHP・加藤小児科医院HP)

発熱

 発熱の原因で最も多いのは感染です。
熱を上昇させる理由として、免疫系の細胞の活性化(38〜40℃で最も威力を発揮します)そしてウイルスの増殖を防ぐこと、生体の防御機構の一部だと考えられます。
発熱のメカニズムは、免疫システムが働くと、免疫担当の細胞から放出されたサイトカイン類の作用により脳の視床下部でプロスタグランディンを産生します。
増加したプロスタグランディンにより延髄にある体温調節中枢が影響され、体温の設定温度が高めにセットされます。すると体の体温調節作用は、体温を上昇させるため皮膚の血管は収縮して体温の喪失を防ぎます。そのため手足は冷たく顔色が悪くなり、寒気や震えたりします。
                         (NPOJIP:解熱剤で脳症にならないために)
■サイトカインについて

 発熱・炎症反応や免疫反応をスムーズに進行させる役目をしていますが病原体が増えすぎたり
サイトカインが多く出すぎたりすると、病原体だけでなく人体組織そのものも破壊します。
                        (NPOJIP:解熱剤で脳症にならないために)
■解熱 

 体温が設定値以上になると、体温を下げるような調節作用が働き始めます。皮膚の血管は拡張し体熱を放散します。手や足は温かくなり、顔色も赤くなって発汗したりします。
自然な解熱であればサイトカインは消失していきます。
                           (NPOJIP:解熱剤で脳症にならないために)

■アスピリンとライ症候群

 アメリカでは1970年代に小児の間で急性脳症であるライ症候群が問題となりました。
1980年には年間600名の患児が発生し、公衆衛生当局は詳細な調査・研究を行いライ症候群の原因にアセチルサリチル酸(アスピリン)が関係していると疫学的に証明されました。
その結果、小児へのアスピリン投与が控えられるようになり、ライ症候群の発生はほとんどなくなりました

                                    (シンポジウム資料1)

■非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)

 昨年から今年にかけてインフルエンザ患者に対して使用が制限されることとなったジクロフェナクナトリウム(ボルタレンなど)とメフェナム酸(ポンタールなど)はアスピリンと同じ
非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)です。
日本では多くの抗炎症剤が解熱剤として使われていますが、欧米の添付文書には解熱剤としての適応が全てではありませんがもともとありません。
他にアセトアミノフェン・エテンザミド・インドメタシン・イブプロフェンなどがあります。
アセトアミノフェンは他と比べて抗炎症作用が極めて弱く、比較的安全(100%安全ではない)といわれています。
                      (NPOJIP:解熱剤で脳症にならないために)

■解熱剤の作用
 発熱は体内に侵入したウイルスを効率よく撃退するためのものです。
アセトアミノフェンもNSAIDsも、視床下部のプロスタグランディンの産生を抑制します。
このことにより、延髄の体温調節中枢のセットポイントが一旦は高めにセットされていたところを低く再リセットしてしまいます。
その結果解熱作用がおきますが、発熱の原因となるサイトカインが消失していない時に解熱剤を使用するとNSAIDsの抗炎症作用によりさらにサイトカインが増強され再び発熱します。
アセトアミノフェンは抗炎症作用が低いため感染防御機能や組織修復機能への影響が少ないとされています。
                    (NPOJIP:解熱剤で脳症にならないために・健康を考えるHP)

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