■アウトラン2SP筐体のメンテナンスなど・・・ その3

▼GD-ROMドライブ交換▼

筐体を購入してから時々悩まされているのが起動時のエラーです。「 Error 25  Cannot access GD-ROM drive 」のメッセージが出ます。
「さぁ、アウトラン2SPを遊ぼう」と、思って電源スイッチをONにして、このメッセージが出るとテンションがガタ落ちです。

エラーを無視して15分程度電源を入れたまま放置して、再度電源を入り切りすをると、
エラー表示が消えてGD-ROMドライブにアクセスをしてゲームが起動します。
(認識した後はGD-ROMメディアをサクサクと読込しているので、ピックアップ側では問題ないようです)

GD-ROMドライブを未接続で起動させても同じエラー表示をするので、
GD-ROMドライブ側の基板か、
Chihiroと接続しているSCSIインターフェイス周辺が怪しい感じです。
1台しかGD-ROMドライプを所有していないので、試しに正常に動作しているドライブを中古品で入手しました。


動作チェック済みのGD-ROMドライブを中古で入手


別途、純正SCSI 50pinケーブル(新品)も購入しました。

中古品のドライブに交換後、Error 25のエラー表示は出ることがなく正常に起動するようになりました。

交換したドライブでは、Error 25のエラーは改善したものの、
今度は、ゲームプログラムの読込が完了する寸前(95%)に、
Error 24 GD-ROM is not found を表示する時があります。
(追記 : メディア側のキズが原因だったらしくメディアを研磨して症状改善しました。)

まぁ、それでも以前に比べると起動する確率は格段に高くなったので、
元々筐体に付属していたドライブの修理をするか、他の起動方法を探すまでの時間稼ぎは出来そうです。

▼ネジの交換▼

GD-ROMドライブのメディア交換用の蓋に利用されているネジを交換します。


GD-ROMドライブの↑このネジを交換します。


3mmタイプのユリヤねじを購入して・・

元々のネジから交換します。

毎回ゲームディスクを交換する時にプラスドライバーを利用して蓋を開けていたので、これで楽が出来ます。

▼部品取り用にドリームキャストを購入▼

ドリームキャストの光ピックアップがChihiro/Naomi用のGD-ROMドライブと同じタイプを
使用しているとのことなので、程度の良さそうなジャンク品を購入してみました。

自力でGD-ROMドライブ周辺の修理が出来るようになれば安心感も増しますしね。


ドリキャスの中古価格も落ちて買いやすくなりました。
近所の中古ショップのジャンクコーナーで2個購入
販売価格は300円と500円でしたが、
半額セールで150円と250円でゲットしました。
(2台共に、動作的に問題無く1台は凄い綺麗な中身でした)

更に、ハードオフのジャンクコーナーで1個500円で購入
残念ながらゲームを起動させるとメニューに戻ってしまう
症状でしたが、分解して組み立てたら直ってまったので、
一番、嫌な症状の故障品を購入してしまいました。

4台目は、発売当初に新品で購入して、ずっと所有している
ドリームキャストです。(今回は分解のみで部品取りには利用しません)
現役バリバリで時々ドリキャスのゲームで遊んでいます。


微妙に違う2台のドリキャス、光ピックアップ部分の枠の大きさも全然違います。

所有している4台を分解してみると・・・

本体型番は同じなのに、
内部の部品はそれなりに違いました。

全てのドリキャスが、
Chihiro/Naomi用GD-ROMドライブの
部品取りに利用出来るのか、
ちょっと疑問なので調べてみます。

部品取りとして利用するなら重要になるGD-ROMドライブ部分を詳しく観察してみました。


日本製のGDドライブが内蔵していたタイプの
型番は「610-6923-01」でした。


3.3Vと大きく刻印されているドライブは
型番が「610-7292」でした。
(中国製)


型番610-6923-01のネジ穴

型番
610-7292のネジ穴

GDドライブユニットを、ドリキャス本体に固定する時のネジ穴(位置)も全然違っていました。

試しにドリキャス同士でドライブを交換して取付けようとしてみましたが、突起物とネジ位置の違いで、取付けは出来ませんでした。
(無理矢理ドライブを取付た場合に正常に動作するのかは未確認です)

発売当初に新品で購入して、ずっと所有しているドリームキャストも試しに分解して中身を見てみました。


光ピックアップ部分の枠は大きい仕様でしたが
3.3Vと大きく刻印されている基板ではありませんでした。


型番は610-6923-01で、日本製でした。
ピックアップ部分と基板の組合わせが他と違いました。

▼ジャンク品のGD-ROMドライブユニットを購入▼

ドリームキャスト本体と同様に、Chihiro/Naomi用のGD-ROMドライブも何個かジャンク品を購入してみました。


出荷台数が多いのかジャンク品はゴロゴロと見つかります。

ジャンク品のGD-ROMドライブと、ドリームキャストの
パーツを合体させて修理をしてみようと、
何台か集めてみたのですが・・・

分解してみると、仕様の違う2種類が見つかりました。

先日購入したアウトラン2SP筐体に入っていたドライブと、
動作チェック済みのドライブは同じ型番「601-0617-01」でした。

今回購入したタイプは型番が「601-0617」が2台で、
「601-0617-01」が、1台ありました。(合計5個所有)

型番末尾に「01」が有るか無いかだけの違いだと思っていたら、
内部は全然基板が違っていました。

▼GD-ROMドライブ「601-0617-01」▼

GD-ROMドライブ「601-0617-01」のバージョンは、上部がピックアップ部分だけで構成されていて、
メイン基板は下側の金属ケースに隠れています。


これが、型番が「601-0617-01」のGD-ROMドライブ
(内部)


何度も分解した仕様なので私にとっては見慣れた構造です。
光ピックアップ用のフラットケーブルの抜き差しがちょっと怖いです。
逆に、ブロアファン用のDCケーブルは抜き差しが楽です。


メイン基板(837-14163)は、下側の金属ケースに隠れています。


更にケースを外した表側はこんな感じです。

▼GD-ROMドライブ「601-0617」▼

GD-ROMドライブ「601-0617」のバージョンは、ドリームキャストと仕様が同じで(又は似ている)、
上部の光ピックアップ部とメイン基板が一体化しているので取り外しが簡単な構造になっています。


これが、型番「601-0617」のGD-ROMドライブ
(内部)



ドリームキャストと同じコネクター式になっているので、分離が簡単です。
逆に、ブロアファンのDCケーブルは金属ケース内に隠れているので、
交換する際は、ちょっと面倒かも知れません。


下側の金属ケースを外すと基板が見えます。


集積回路は一切ありません。シンプルな基板(839-1189-01)です。

「839-1189-01」と、バージョン違いの「839-1189」基板は、裏面もシンプルで集積回路はありませんでした。
(839-1189についてはページの一番最後でちょこっと紹介しています)

GD-ROMドライブの型番が「601-0617」のバージョンだと、ドリームキャストの仕様と似ているので、
ドリームキャストの光ピックアップ部分だけではなく、GD-ROMドライブ基板ごと交換できないか比較してみます。


アーケード用GD-ROMドライブ(左)と、ドリキャス用ドライブ(右)の比較


アーケード用GD-ROMドライブが「610-7292-04」で、
ドリキャス用が「610-7292」でした。


アーケード用GD-ROMドライブ(左)と、ドリキャス用ドライブ(右)の比較

I/O端子の位置、ネジ位置、スイッチの位置、
光ピックアップの構造も、殆ど同じで、
代替えに使えそうな雰囲気です。

これは、修理代替えパーツとして
期待の出来る感じです。


アーケード用GD-ROMドライブ(左)と、ドリキャス用ドライブ(右)の比較

一体型のGD-ROMドライブの底部分に、
高さ調整の為なのか、薄手の透明樹脂が
スペーサーとしてアーケード用のみに貼付いています。

この樹脂を利用しないで、ドリキャスのドライブを
アーケード用のケースに取付をしようと思ったら、
微妙に金属部分が歪んで、負荷が掛かっていました。

ちょこっと圧迫が気になるので、
接着固定されている透明樹脂を剥がして、
ドリキャスで使用していたドライブに貼り直してから、
ドライブ交換することにしました。

▼ドリキャス部品取りパーツと合体▼


蓋の開閉スイッチをテープで仮固定しています。

ジャンク品のドリキャスから取外した一体型GD-ROMドライブ(610-7292)と、
アーケードゲーム用
GD-ROMドライブ「601-0617」に内蔵している
下基板「839-1189-01」と組合わせて、
ゲームが起動するかケースを取付ない状態で動作チェックしてみます。

結果は・・・、

Error 24 / 25 のエラー表示もなく、ゲームが起動しました。
(今までとは違ってスムーズなハードウェア認識とゲーム起動でした)

この修理方法は簡単です。これだったら気楽に修理が出来ます。
下基板(839-1189-01)は、構造上、故障が少なそうですし、
一体化している光ピックアップとメイン基板のセットを交換するダケです。

運良く上記の方法で2台修理が出来たので、
当分の間は安心してゲームが遊べるようになります。

動作チェック後はケースに入れて筐体にネジ固定しました。

アウトラン2SPのGD-ROMドライブ交換部品として、一体型のGD-ROMドライブ「610-7292」の同等品を更に確保したいので、
中古ショップ等で、ドリームキャストの外観だけで内蔵しているドライブ部分の型番が解らないか方法を調べてみたところ・・・

友人と自分が所有しているドリキャス(合計7台)を分解して仕様をリストアップしてみたら、
製造番号の右上に書いてある英数字「670-14071*」の機種は、内蔵ドライブが「610-7292(-04)」を使っていることが解りました。

製造番号の右上の英数字 内蔵していた一体型ドライブの型番 製造番号
[NTSC J] の下部分に書いてある英数字 (赤い〇部分)
 670-14071C     610-7292-04 CHINA (3.3V)  0100********
 670-14071D     610-7292 CHINA (3.3V)  0400********
 670-14071D     610-7292 CHINA (3.3V)  0490********
 670-14071E     610-7292 CHINA (3.3V)  0590********
 670-13748C     610-6923-01 JAPAN  0180********
 670-13748D     610-6923-01 JAPAN  0490********
 670-13748E     610-6923-01 JAPAN  0580********

(但し、7台のドリキャスを調べたダケなので偶然かも知れません、この情報を元に購入されて失敗しても責任は取りませんので・・・参考程度に見てください)

これで、ドリームキャストの中古を手当たり次第に購入してなくも、探しているドライブが見つかる確立が高くなりました。
(ただ、光ピックアップ部分のみをドリキャス用に交換する方法なら、シビアに数字を調べる必要はないかも知れませんけど・・・)

■追記1■

試しに、中古ショップでお目当ての英数字(670-14071)が、印刷されているドリームキャストを追加購入してみたところ・・・
(今回は付属品なしで、動作チェック済みの中古品1,980円を2台購入)

製造番号の右上の英数字

内蔵していた一体型ドライブの型番

製造番号

備考
670-14071C

    610-7294 CHINA (3.3V)

0100********

610-7292-04と刻印されているGD-ROMドライブに
610-7294のシールが上から貼ってありました。
(610-7294は私にとっては初めての型番でした)
670-14071E

    610-7292-04 CHINA (3.3V)

0100********

610-7292-04と刻印されているGD-ROMドライブに
610-7292-04のシールが上から貼ってありました。

アーケード用のGD-ROMドライブの下基板[839-1189]と、組合わせて動作チェックしてみましたが、
[610-7294]と、[610-7292-04]の一体型ドライブは2台共に問題無くアウトラン2SPが起動して遊べることが確認出来ました。

これで予備の予備(の予備)が確保出来ました。 あとは、Chihiro本体の予備機が欲しいですねぇ〜

■追記2■

 友人から所有しているドリキャスが更に1台見つかったとのことで、仕様を教えてもらいました。が、
この1台で私の仮説は崩されました。670-1471*シリーズは全て3.3V仕様だと思っていましたが・・・
残念ながら[610-7292(-04)]の一体型ドライブを搭載していませんでした。 

GD-ROMドライブ「601-0617-01」のバージョンと、同じ仕様で上部は光ピックアップ部分のみの構造でした。

製造番号の右上の英数字

内蔵していた一体型ドライブの型番

製造番号

備考
670-14071F

   光ピックアップ部分のみで型番不明

0114********

これと同等のユニットでした。→

ケース裏面の社名印刷も、株式会社
セガ・エンタープライゼスではなく、
SEGA CORPORATIONでした。

製造番号の上から3桁目の数字が製造年らしいのですが、
最後に見つかったドリキャス(製0114********/670-14071F)だけ、2001年製のようです。
(8=1998年製 / 9=1999年製 / 0=2000年製 / 1=2001年製らしいです)

今まで所有していた機種は1998年/1999年/2000年製造のみだったので、今後、修理パーツとしてドリキャスを購入する場合は、
製造年が2000年以前の機種で、製造番号の左上の英数字が670-14071C/D/Eのタイプを見つけることにします。

(但し、10台のドリキャスを調べたダケなので偶然かも知れません、この情報を元に購入されて失敗しても責任は取りませんので・・・参考程度に見てください)

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上記が、[839-1189]の基板です。

ちなみに・・・

もう1台所有している、GD-ROMドライブの型番「601-0617」の、
下基板は、[839-1189-01]ではなく、[
839-1189]でした。

基板の違いは、電解コンデンサが表面実装タイプでした。
(回路、配線パターンについては違いが見つかりませんでした)

更に・・・ 

意外と役に立つGD-ROMドライブの蓋(裏面)部分。

分解時のネジ入れに最適です。種類別に分別できます。
(本当の使い方でないと思いますが・・・)

後日、「アウトラン2SP筐体のメンテナンスなど・・・ その4」を、紹介します。

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