■ワイヤレスマイクアンプ 東芝 AWA-3213の改造修理

数ヶ月前に、300MHz帯のカセットデッキ搭載のスピーカー付きアンプとワイヤレスマイクを入手しました。

使えるのかどうかチェックしてみると・・・、 カセットデッキ部と有線マイク+アンプは問題無く動作するものの、
肝心のワイヤレスマイクx 2本が全く使えませんでした。


これが、ゲットしたワイヤレスマイク
ハンドタイプ AWM-310 / タイピンタイプ AWM-320

ワイヤレスアンプから取外したチューナーユニットx2個
AWU-320C x2 写真は既に1台は分解後

仕方が無いので、300MHz帯が受信出来るハンディー受信機を別途用意してマイク側をチェックしてみても、
全然音が出てこなかったので、マイク側は2台共に完全に壊れているよーです。

逆に受信機側のチェックもしたかったのですが、正常なワイヤレスマイクを所有していないので、
受信機側は故障しているのかチェックが出来ないまま断念しました。

今更、元の持ち主が所有していた「修理明細書(修理受付2010年)」が見つかったので、明細書を読んでみると・・・
故障状況「ワイヤレスマイク使用できず」、メーカーからの内容「既に部品の供給が不可能となっております。
(一部を抜粋)」でした。
ってことは、そのまま利用できるワイヤレスマイクセットではないことが判明しました。
私が、ちょこっと見ただけで修理できるようなレベルではないので、修理改造をしてみたいと思います。

▼修理改造開始▼

今回、修理用に入手したのが、2チャンネルB帯ワイヤレスシステム AKG 「 WMS40 PRO MINI2 VOCAL SET DUAL」です。


これが、AKG WMS40 PRO MINI2 です。

ハンドマイク型とタイピンマイク型のセットが
欲しかったのですが、その組合せのバージョンは、
残念ながら存在しないようなので、
渋々、ハンドマイク型 x 2チャンネルタイプを購入

ちなみに、1チャンネル仕様のハンドマイク型と、
タイピンマイク型を個々に購入することも検討したのですが、
2台の受信機をワイヤレスマイクアンプ(AWA-3213)に、
改造して内蔵させるほど、スペースに余裕がないので断念。

受信機は、134mm x 132mm程度のサイズなので
結構小型ですけど、それでも2台となると場所を占拠します。

先ずは、ワイヤレスアンプ・カセットデッキ付き(本体) 東芝 AWA-3213を、分解します。

見えているネジを全部取外しても本体ケースが分解できずに疑問に思っていると、隠れネジが「取手」部分にありました。


丸いカバーで隠れていたネジを外して・・・

横に部品をスライドさせると・・・

更に奥から隠れているネジを見つけました。

ネジの位置さえ見つかってしまえば、あとは簡単な作業で分解が出来ました。

次に、付属していた2台のワイヤレス用チューナー(受信機)を取外して、AKG製のワイヤレス受信機に変更します。


ネジ止めの左右部分だけ欲しいのでカットしました。

先ほどカットした部分を、AKGの受信機部分の左右に接着固定して一体化させます。

東芝製の2台のワイヤレスチューナーのスペースを利用して、AGKの受信機を取付けしたのですが、
サイズがピッタリ合ったワケではなく、受信機の高さを合わせる為に、
東芝のワイヤレスアンプ上部の金属やプラスチックをコツコツと削って何とか取付しました。
ただ、製作に没頭していて写真撮り忘れていました。加工中の写真は一切ありません。


綺麗にワイヤレス受信機が、東芝の本体に取付出来ました。

AKGのワイヤレス受信機に付属していたACアダプターを
東芝の本体ケース内にタイラップで固定しつつ、
内部にAC100Vコンセントを増設させてアダプターを接続しました。


内部にリレーを追加させてAKGのワイヤレスとアンプ本体が
電源連動するようにしました。

AKGのワイヤレス受信機からミキサーへ配線する為に、
ホーンプラグをハンダ付けして、受信機側に接続しました。


音量調整の部分は接触不良が目立っていたので、接点洗浄をして
改善しておきました。元々のアンテナ取付用の穴は目隠ししました。

元々、東芝製のワイヤレスアンプは乾電池でも使える仕様でしたが、
改造後は乾電池駆動の場合、ワイヤレスマイクのみ利用不可になります。


これで、本体側の改造は終了したので、ネジをすれば完成です。

追加したワイヤレス受信機は、東芝のアンプの電源に連動して
ON/OFFするようになりましたが、AKGワイヤレス受信機側にも
元々、電源スイッチがあるので単独で電源を切ることも出来ます。


取手を利用してもアンテナは邪魔にならいなようです。

有線マイク、外部入力、カセットデッキも問題無く動作しました。


操作パネル側

スピーカー側
■完成■

ワイヤレスアンテナは、折り曲げることが可能なので、
収納や移動時には邪魔にならないと思います。

実際に、ワイヤレスマイクを屋外で使用してみましたが、
実測で60mくらいは余裕で電波を受信出来ました。

多分、人混みや障害物で距離は短くなりますが、
実用範囲のワイヤレスマイクのようでした。

乾電池駆動時にワイヤレスマイクのみ
利用できない仕様になってしまいましたが、
回路を考えるのが面倒だったので妥協しました。
(当初の目的は果たしたので・・・)

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▼タイピンマイクの追加▼


WMS40 PRO MINI INSTRUMENTAL SET(JP1)
ハンドマイク x2台セットを購入て改造しましたが、、
タイピン仕様のマイクに交換できるように、
「ボディーパック型送信機」の、1チューナータイプを
更に追加購入して、ハンドマイクと交換して
当初の使用目的に合うように組合わせを変更します。
(JP1又はJP2同士なら交換すればどちらでも利用可)

本当だったら、送信機の単品売りがあれば良いのですが、
別売りが存在しないようなので・・・

更に、ボディーパック型送信機は、楽器用接続ケーブルが
付属しているだけで、マイクは同梱されていません。
別途、対応したマイクロホンが必要になります。

本当は、AKGから純正のオプションマイクを購入すれば良いのですが、現時点で予算オーバーなので、
東芝の「AWM-320」に付属していたマイクを再利用してみたいと思います。


これが、壊れている送信機から外したマイクです。

壊れている送信機にテスターを使って電圧を調べます。

コンデンサー型マイクなので別途電源が必要です。ただ、東芝のワイヤレスマイクに付属していたマイクなので仕様が不明です。
送信できない故障した送信機を動作させてコンデンサーマイクに送っている電圧を調べてから改造を開始することに・・・

東芝製AWM-320のマイク端子から出ている電圧は実測で2.2V程度でした。
多分、ぴったりと電圧を合わせなくても動くとは思いますが、壊れても嫌なのでAKG側で使えるように部品追加します。


これが、AKGの送信機 MINI PRO PT40です。

AKGの取扱説明書を読むと、3ピンが電源供給のようです。


付属していた楽器用の端子を利用します。

ケーブルは一切不要なので、根本からカットします。

元々、付属していたケーブル付き「ミニXLRコネクタ3pin」は、再利用が出来るタイプではありません。
樹脂でカチカチに固まっているので面倒な分解が必要だったりします。


地道に樹脂をニッパーで分離させます。

抵抗とコンデンサを、ケーブルの間にハンダ付けして・・・

ホットボンドでショートしないように固めます。


こんな感じに、東芝に付属していたコンデンサーマイクを
再利用できました。感度もノイズも問題ないようです。
 
あとは、ピッタリと合ったマイクスポンジを探すだけです。

これで、当初目的を果たすことが出来ました。

ちなみに、1チューナータイプの受信機(JP1)と、ハンドマイク1本(JP1)余ってしまったので、知り合いに売って現在は所有していません。

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