■DLPプロジェクター PLUS U3-880 ランプ交換 (LED化)


プロジェクター本体はB5サイズより小さいです。
DLPプロジェクター PLUS U3-880

XGA対応 800ANSIルーメン コントラスト比 800:1
4:3/DLP パネルサイズ0.67インチ
定価398,000円(2001年発売当時の価格)

エラーメッセージの出ている壊れたプロジェクターを入手しました。
(12秒間に1回の間隔で点滅(6秒点灯/6秒消灯))

取扱説明書でエラーの原因を調べてみると、
「ランプが点灯しません。1分以上待って再度電源をONにしてください」とのこと、
「それでもなおらない場合は販売店にご相談ください。」って
書いてありました。10分経っても1日経ってもダメだったので、
販売店にご相談くださいって感じの故障のようです。

ランプ交換だけで修理が出来れば良いのですが、それでも交換ランプが4万円くらいで高いので今だと同等性能なら新品のプロジェクターが買えてしまいます。


電源を入れるとLEDが点滅します。

ランプも怪しいですが高圧回路も怪しそうな気配が・・・

素人判断ですが今回の故障はランプではなくランプ用の高圧回路が怪しそうなので修理しても高上がりになるので修理は断念します。
(そもそも高圧回路の交換部品が入手できないのと修理できるほど技術力がないので・・・)

以前から1回は実験してみたかったLEDを使ったプロジェクターに仕様変更する改造をします。

▼先ずは実験▼

どの程度のLEDを使用して良いのか検討もつかないので、手元にある一番高輝度な3Wタイプの白LEDを使ってプロジェクター投影実験をしてみます。


某製作に利用する為に購入したものの無駄に終わったLEDです。

ヒートシンクに仮取付け

試しに点灯(眩しいです)

故障している部品を取外しても、そのままではエラーで動かないので一部を半田でショートさせてプロジェクターを動くようにします。


ランプを取外して高圧回路基板も外してスペースを確保します。

養生テープを使って3WのLEDをプロジェクターに仮取付け


A4サイズのカッターマット裏面(白色)に投影してみました。

投影距離が近すぎてピントが合いませんが、何とか投影成功です。

3WのLEDでは、真っ暗な部屋でもビデオの映像は結構暗いです。むか〜しの低価格プロジェクターの輝度を思い出します。

▼130WのUHPランプをLEDに変更▼

それなりに明るいLEDが必要なのは実験で解りましたが、予算の関係で10WのパワーLEDを使用してみることにしました。


これが付属していた130WのUHPランプです。

裏側は放熱用にファンからの風が流れるようになっています。

ネジとシールを剥がして分解します。


秋月で購入した「10W白色パワーLED」 1,100円 (色温度 6500k 光束 850lm)

電流制御用にメタルクラッド抵抗 1Ωと0.1Ωx2 を購入


試しにヒートシンクに取付け

裏側はこんな感じです。

点灯すると・・ 眩しいです。 直視できません。


必要な部品を集めて合体させます。

超音波カッターで余計な部分をカットします。


LEDをネジ止めする関係で一部加工しました。

シリコングリスを塗ってからLEDをネジ止め

ケース側に固定する為のネジ穴を作ります。


問題なくLEDが固定出来ました。

抵抗を並列に配線してネジ止め

放熱用のファンにも抵抗を入れて回転数を落とします。

元々の130WのUHPランプケース内には冷却用ファンは内蔵していませんでしたが、
LEDに変更したことでスペースが空いたので抵抗とファンも一緒にケース内に入れて一体化してみました。


想像以上に綺麗に全てが収まりました。

DC12Vを端子に接続するだけて点灯する仕組みです。

LED前にはガラス板を入れてあります。


ネジ止をしてランプ部分は完成です。

パワーLEDを穴の中心になるように調整してます。

▼点灯実験▼

プロジェクター本体がなくても2P端子部分に12Vを接続すれば点灯するので、壁に向けて点灯してみました。


照明用には最適な広範囲で明るく部屋を照らしています。

レンズを手前に取付けて、もう一度点灯

レンズ1個で多少スポットっぽい照明になりました。

プロジェクターのランプとして使用する場合、広範囲に照らすランプよりスポットライトのほうが構造上有利なのでレンズを追加します。


ランプ取付部を加工してレンズを合体させます。

接着しなくも綺麗に固定できました。
本当だとLED専用の
集光レンズが欲しいところですが、
今回利用した10W用に最適な
レンズが見当たらず断念しました。

まぁ、それでも今回のレンズ1個で
多少明るさが向上しています。

▼スイッチング電源の追加など▼

パワーLED用の12V電源を新たに追加や、元々使用している電源部分の改善をします。


分解のついでにDLP部分の構造を見てみました。
(上記はカラーホイール・DLP・反射ガラス・レンズ部分です)

光反射用の鏡が2枚ありましたが・・
表面がボロボロで光が半減しているようです。

コツコツ分解していくと・・・最後にやっと電源部分に辿り着きました。
高圧回路基板が不要になったので、それに関係する配線を外します。


ミッキーマウス型のAC端子は何かと不便なので・・

一般的な2P端子に変更します。

高さも横幅のピッタリで綺麗に完成しました。


LED用に外付けHDD用の12V2Aタイプを利用します。

超音波カッターでパコっと開けます。

秋月のSSRで電源をON/OFFさせる予定

▼放熱ファンの取外し▼

LEDとファンを一体化させたことで、本体にあるファンが1個不要になるので取外ししたいのですが、
そのままファンの配線を抜くとプロジェクターがエラーで止まってしまうので、ファンは回転してますょ〜って騙す配線を追加します。


先ずは手前にあったランプ用ファンを取外して・・

エラーが出ないように配線を追加します。

ファンを取外した奥にLED用のファンが見えます。


12V用スイッチング電源とSSRをプロジェクター本体(前面)に取付をしてから
プロジェクターの電源とLED点灯が連動する配線をしました。

上のフタをしてから前面のパネルを取付けすれば、
LEDプロジェクターの完成です。

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▼完成したので投影してみます▼


部屋を真っ暗にしてから白いパネルに投影してみました。

80インチ(4:3)で映してみると・・・ 結構暗いですが何とか楽しめる感じです。
(写真は80インチの一部を拡大して撮影しています)

40インチ相当だと、明るく見えるようになりましたが・・

40インチなら最近の液晶テレビを見ていたほうが良いですしねぇ〜
結果としては・・・

10WのLEDでは満足の出来る輝度は無理でした。
25WくらいのLEDに変更すれば希望の明るさに
なるかも知れませんが、プロジェクター本体が
極端に小さいので、LEDサイズがこれ以上に大きいと
更に集光を工夫が必要だと思われます。

まぁ、低価格で良い実験が出来ました。

スイッチング電源やDCファンなどは貰い物なので・・・、
材料費2,000円くらいでした。

自己満足度★☆☆☆☆

■完成■


外観はAC端子以外変っていないので、LED仕様になっているのか判断出来ません。

唯一の変更部分はココです。(AC端子2P)

もう少し本体サイズが大きくて性能の良いプロジェクターが入手出来たら、更に高輝度LEDでチャレンジしてみたいです。

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